⑲「介護ライブレポート」さすがプロ

義母は無事にケアハウスに入所しました。
現在、コロナの影響で原則として家族は居室に入ることができないのですが、入所するときだけは家族が家具や日用品を部屋に運び込むことができます。
荷物を整理して、担当のスタッフさんやケアマネさんと話していると、介護のプロならではの見方や工夫を勉強することができました。


・洗面コーナーに椅子
義母の部屋には、洗面コーナーが標準装備になっています。
このコーナーに椅子を置くアドバイスをいただきました。義母の動作や動きの遅さを見て、ご判断されたのだと思います。
言われてみればもっともなアドバイス。椅子があれば、ゆっくり、安全に洗顔や身だしなみを整えることができます。
用意する椅子は、背もたれがあり、座面高がやや高め、ひじかけがついているタイプがベストだと教えていただきました。

後日、椅子を購入して運び入れたとき、ケアマネさんは実際に義母を座らせて、立たせました。
義母の動作から、即座に危険な個所をチェックしたのです。
洗面コーナーの一部にクッションテープを張ることになりました。
ご高齢の方の住まいが変わったときに、覚えておきたいチェックポイントだと思いました。


・脱臭剤
義母の部屋には、トイレがついています。
これは、本人の希望だったのですが、義母がトイレに慣れるまで、夜だけポータブルトイレ置くことになりました。
そこで、消臭剤を用意することになったのですが、これは部屋用ではなく、ポータブルトイレ専用を勧められました。
ドラッグストアに行くと、なるほど「ポータブルトイレ用」があります。
こんな、タイプの消臭剤があることを初めて知りました。


・紙おむつ入れ
ケアハウスに入所が決まったとき、ゴミ箱はひとつ用意しておきました。
ケアマネさんからゴミ箱をもうひとつ用意してくださいとのこと。これは、紙おむつを入れるため。
カミさんは事情を聞き、ふた付きをチョイスしました。
後日、届けたときには義母のトイレコーナーには新聞紙が用意されていました。もちろん、包んで捨てるためです。
これだけでも、臭いがかなりカバーできますよとのことでした。


・聞き取り
ケアハウスに入所するときに、ケアマネさんから義母のことをかなり詳細に聞かれました。
堅苦しい話だけでなく、楽しかったことや苦しんだことも、これまでの大まかな人生、特徴的なエピソード、生活誌などです。
本人のこれまでの人生やエピソードから性格や特徴を知ることは確かに基本。
介護の基本方針を決めるうえで大切なことだと思いました。


・魚を大きく切り分ける
ケアマネさんが義母の食事を観察しました。
その日はお魚が出たのですが、少し食べにくそうにしていたとのこと。
そこで、ザックリと切り分けて出しましたとご報告いただきました。
通常、咀嚼や嚥下に問題がある場合、「キザミ」や「ミキサー」で対応するのだと思っていました。
そのことをケアマネさんに聞くと、「キザミはバラバラになるし、ミキサーはどろどろになって、美味しそうに見えないので、大きく切り分けるだけにしました。」
細やかな心配りに感心しました。


・洋服もチェック
ケアハウスにお引越しのとき、私は義母の服をタンスにしまっていました。
その様子をケアマネさんが見ていて、義母に「洋服の趣味がいいですね」と話しかけています。義母は照れながらも嬉しそうに笑っています。
ご高齢の方といとも簡単に打ち解けているケアマネさんに脱帽です。


・私までほめてくれる
お引越しも無事に終わり、ケアマネさんにご挨拶をしているときのことです。
突然、カミさんに「ダンナさんが協力的でよかったわねー。ホントにいいダンナさんね!」などと言うのが聞こえてきました。
これはヨイショだろうと思いながらも、「そ、そうかな~」とはにかみながら笑っている自分がいます。
私のような褒められて伸びるタイプは、このような言葉に非常に弱いのです。
おかげさまで、かなりモチベーションが高くなりました。


プロならではのアドバイスをご紹介しました。生活面の安全性や利便性だけでなく、介護の経験に裏打ちされた工夫やコミュニケーションにもプロの小技が感じられ、
本当に勉強になりました。
義母のことをよろしくお願いいたします。

以上

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