大手企業が"生産者化"している件について
農家さんをはじめとした"生産"に携わる人は、危機感を持たないといけない日が、刻々と近づいてきているのかなと思っています。
下記にあるとおり、大手企業である大和ハウス工業さんが農業界に参入しています。
農業界に溢れる様々な課題を解決に向け、新しい価値を社会に提供し、私たちの暮らしを更によくしていこうと試みています。
食料自給率が下がってきている昨今、日本の未来のためにいい試みだと思います。
しかし、どの分野にも言えることですが、社会が良くなるということは、表裏一体で失業してしまう個人、もしくは倒産してしまう企業だってあるはずです。
今日の記事では、大和ハウスさんが農業界に参入することで社会に与える影響を僕なりに考えてみました。
【農家に与える影響とは】
結論、大和ハウス工業さんのような大手企業が参入しても、農家に与える影響は微々たるものだと思います。
毎年、新規就農者は必ずいるので、”母数が増えただけ”と考えると大した影響はないはずです。
とはいえ通常の新規就農者とは違い、大手企業の場合、人の数や設備の数、そして資金力が圧倒的に違うため、現在時点で何も影響がなくとも遠くない未来で必ず大きな変化が起こると思います。
というのも、農家は国からの補助金という形で支援を受け、指定されている野菜、もしくは補助金が認められている品目の野菜を生産することで、第一次産業を支えています。
生産するための必要労働時間の義務づけ、そして他所での労働を禁止したり、生産にコミットするための時間を補助金が出る機関に提出しなければなりません。
なので言葉を選ばずにいうと、『国から雇用されている』とも言い換えられるわけです。
(言葉が悪くて本当に申し訳ございません)
国からしてみれば食料自給率を維持することさえできれば、個人だろうが法人だろうがその線引きは関係なくなってしまいます。
むしろ、支給する補助金の割合を減らすことができるなら、個人へではなく、企業を支援する可能性が高くなるはずです。
もしかすると、今後は"畑"という概念が無くなり、高層ビルが丸ごと農地になってしまえば、最強の効率化が得られてしまいます。
天候にも左右されない、作業のほとんどをAIに任せられる、海外の生産物に頼らずに済み、現在耕作放棄地となっている土地にどんどんビルが建っていくかもしれません。
そうなってしまうと、農家は廃業に追い込まれ、自己開発できる大手企業にJAも飲み込まれてしまうかもしれません。
農家も要らない、JAも要らない、必要な食材は簡単に手に入る、そんな世の中になるのも遠くない未来なのかなと思います。
農家の課題であったはずの自然災害、天候に恵まれる日々が続くと起こってしまう価格の暴落、など誰も解決できなかったことが一気に解決されることで、"個人の仕事"そのものが終わりを迎えてしまいます。
もし、本当にそんな未来が来てしまうなら、正直どうしようもないことなので、僕を含めた農業に携わる全ての人が、それを食い止められるように、一人一人が社会に"価値を与え続けられる第一次産業"にしていければなと思います。
それでは。