日本を守った3大偉人➀高杉晋作
日本を守った3大偉人。その第一回目はこの人、高杉晋作。
破天荒な人物でよく知られていますが、国の守り方もまた型破り。ワクワクするエピソードを残していますので紹介します。
連合国艦隊になす術もなく敗れた長州藩
時は幕末 所は長州(今の山口県)。
長州藩は、イギリスの軍艦の上で
イギリスとの講和会議に臨んでいました。
これは、長州が敗れた下関戦争の戦後処理の会議。
当時、強硬な尊王攘夷論を唱えていた長州藩は、
下関を航行する外国船を片っ端から砲撃していたのです。
結果、報復措置にでたイギリス、フランス、オランダ、アメリカ
4か国の連合軍との戦闘に発展しました。
これが下関戦争です。
武力の差は如何ともし難く、長州藩はなす術もなく敗退。
そして、前述の講和会議となるのです。
講和会議でイギリスが求めたのは、
1. 下関の自由航行
2. 石炭、食物、水の売り渡し
3. 下関への上陸の許可
4. 砲台の撤去
5. 賠償金300万ドル
長州藩は、この5つを飲みました。
ただし、賠償金については
「我が藩は、幕府の命令にしたがっただけである。
したがって賠償金は、幕府が払うべきである。」
と、幕府に支払いを押し付けました。
後年、幕府は実際にこの賠償金を支払っています。
ただ、全額は払いきれずに半額の150万ドルのみ。
残りは、明治に入ってから明治新政府が払った、
という落ちがついています。
彦島を貸せ!
さらにイギリスは、もう一つ重大な要求をしてきました。
それは、彦島の租借。
彦島は、下関市の南端部分。北九州市に突き刺すかのように突き出た部分です。イギリスは、そこを寄港地にしようと目論んだのです。
それを阻止したのが、
藩主代理として講和にあたっていた
高杉晋作。
もし、彦島を貸してしまったら、
上海のように植民地になってしまう。
高杉は、上海を視察した際
イギリスが上海を植民地同様に支配する様子を
実際に見ていました。
彦島を上海にしてはならない。
そう決意した高杉は、奇策に打って出ます。
突然、古事記を語り始めたのです。
神が産んだ島を無断で貸すわけにはいかない!
天地開闢(てんちかいびゃく)から
伊弉諾、伊邪那美の国産みの話しまで。
高杉は朗々と語ります。
島は、神が産んだものである。
従って、我々、人間が勝手に貸すと
決めるわけにはいかないのだ!
というわけです。
ただ、この理論がイギリス側に納得された
わけではないようです。
このときの日本側の通訳は、伊藤俊介。
後の総理大臣伊藤博文です。
伊藤がイギリスに留学したのはたったの1年。
しかも船の操縦を習いに行ったのですから
古事記を英訳できるほどの
英語力があったとは思えません。
高杉は、2時間も古事記の話しをしたようで
イギリス側は「もう面倒くさいからいいよ」
というのが本当だったのかも。
このエピソードは、1977年の大河ドラマ「花神」で
ドラマ化されています。
高杉が中村雅俊、伊藤を尾藤イサオが演じています。
古事記を暗唱し始めた高杉にびっくりする尾藤イサオの
表情が最高!
YouTubeのリンクを貼っておくので、
興味のある方はどうぞ!
吉田松陰の遺志が国を守った
古事記の面白い所は、神が島を産んでいるというところ。
世界の神話には土をこねて島や山を作るのはありますが、
男女の神が交わって島を産んでいるのは日本だけ。
感心するのは高杉が
古事記を完璧なまでに覚えていたということ。
高杉が松下村塾の門下生だったのは有名な話。
松下村塾では、最新の国際情勢を取り上げて
全員で論議することで学ぶことを
旨としていました。
しかし、五経、古事記、日本書紀など
歴史的書物の授業もしっかりと行っていたのです。
吉田松陰は強い尊王思想の持主でしたから
古事記、日本書記の授業には力が入ったはず。
帝国主義がはびこる世界で
日本が独立を維持するためには
日本人としてのアイデンティティが
なければならない。
そんな思いがあったのでしょう。
その思いを引き継いで発揮したのが
高杉晋作。
このとき、本当に彦島をイギリスが領有してたとしたら…
日本は独立国でいられなかったかも…
あるいは香港のようになっていたかも…
この位置です。九州までも抑えられていたら…寒気がします。
必要なのは日本人としてのアイデンティティ
今、国際ビジネスの世界で
日本人に求められているのは
語学力よりも日本人としてのアイデンティティだと
いわれています。
日本の歴史・文化・思想を理解し
語れる能力が必要不可欠なのだそうです。
それらを学ぶのに最適なのは
古事記をはじめとする神話。
イギリスの歴史学者、アーノルド・トインビーは、「12,13歳までに自国の神話を学ばない民族は必ず滅びる」という言葉を残しました。
YouTube人材育成系神話チェンネルでは
日本人としてのアイデンティティを
高めることができる動画を配信しています。
是非ご覧ください!
大河ドラマ「花神」もどうぞ!