マガジンのカバー画像

とある歪な人間の自伝

12
運営しているクリエイター

#自伝的なもの

とある歪な人間の自伝 その8

とある歪な人間の自伝 その8

10 憐れむという意味での同情

同じ情と書いて「同情」だという。子供のころその言葉に些かの疑問を感じていた。
そもそも日本語にはそういった現代解釈とはだいぶ離れた言葉がある。例えば「親切」なんかもそうだろう。
親を切る。それがどうして親切になるのか。疑問に思った方も多いのではないだろうか?

ここは別に国語の時間ではないので話を進めるが、同情の話。
わたしに対して同情をする人間はそれなりに多かっ

もっとみる
とある歪な人間の自伝 その7

とある歪な人間の自伝 その7

09 噛みあわない言動

うつ病の看病をすると、うつ病になる。
メンヘラと付き合うと、メンタルが壊れる。
これらは通説だが真理だと思う。

わたしは壊れている。とうにそのメーターは振り切れていて2周3周と廻り回っているといっていいだろう。
それでも。こんなわたしだがだ。人並みに『救われたい』と願った。これは気の迷い、それとも未熟さか。もちろん願ったところで叶わないのはいうまでもない。
そう、叶うわ

もっとみる
とある歪な人間の自伝 その6

とある歪な人間の自伝 その6

08 いつもと変わらない生活を演じるということ

馬鹿みたいに労働に喜びを見出している一方で、わたしは無事小学校を卒業し、中学生となった。
中学校ではとりわけ前の世代(卒業生)があまりにもわんぱくでどうしようもなかったこともあり、当時の学校生活は噂以上に随分と穏やかに感じられる。というのが第一印象だった。

しかしどの時代にも不良と呼ばれる人間は存在する。
悪い先輩が単車を乗り回して授業を中断させ

もっとみる
とある歪な人間の自伝 その5

とある歪な人間の自伝 その5

07 生活費

家のローンにギャンブルで膨らんだ多額の借金、妹の治療費、補聴器、そして生活費。
生きてい行くうえでお金は必要だ。お金は降って湧いてくるものではないのだから、誰かが用意しなくてはいけない。それはまず最初に大黒柱として立っている父親の責務であり、不足分は母親のやりくりや、追加で金策をする必要がある。

しかし、それにだって限界はある。いいや、限界なんぞとうに超えていたわけだから今更なの

もっとみる
とある歪な人間の自伝 その4

とある歪な人間の自伝 その4

06 ターニングポイント01

新しい場所に引っ越したとはいえ都会的な一等地に引っ越したわけではなく、またしても田舎である。今度は山の中ではないのが唯一の救いだった。
しかしS県内。実を言えば前住所から僅か80km程度しか離れていない。だから本当に厄払いのつもりで場所を変えたのだろう。

新しい学校は家からすぐ近く。目と鼻の先だ。
以前のこともあってわたしは学校に対して特別な感傷は抱けない。なんと

もっとみる
とある歪な人間の自伝 その1

とある歪な人間の自伝 その1

01 前段

なんてことはない話だ。ほら、よく言うだろ? 人の過去に歴史はある、みたいなさ。
大層なことを言っているがそれがどんなものでも、人の歴史からしたら…そりゃ、どれもありふれたものだ。そして多分に漏れず、わたしもそう。
これから綴る内容を読んでどう思うかは読者の皆様にお任せするわけだが、他人様にとやかく言われようとも揺るがないのは個人的な感想。これらを歩んできたわたし自身がそうだと決めつけ

もっとみる