とある歪な人間の自伝 その11
13 人にも過去があって、しがらみがあって
別段、自分自身が特別に不幸だとは思っていない。
これはボタンの掛け違いであって、誰だってそれを認めたくないから声を荒げてしまう。
たまたまその現場に居合わせることが多かった。ただそれだけの話なんだと思う。
わたしに手を差し伸べた彼女の話をしよう。
当時20代後半。片田舎のボロアパートで一人暮らしであった。が、正確な話をいえば都合の良い関係の相手がいた。
そう今でこそそれは「都合の良い関係」だとわかるのだが、当時のわたしからすれば