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コロナ禍でも強かった人たちシリーズ #5

昨年4月に発出された緊急事態宣言下、やる気スイッチグループの英語で預かる学童教室「Kids Duo」では、感染対策を徹底し、カリキュラムの一部を変更しながら開校を続けました。しかし、当時は感染に関する情報は限られ、その後の感染拡大や収束予測についても推測の域を出ない状況。日本のみならず、世界中が手探り状態だったなか、子どもたちも、保護者やスタッフたち大人も不安を感じながら過ごしていました。

神奈川県・田園都市線沿線の住宅街の、あるKids Duoスクールでは、「私たちが不安な顔を見せてはいけない」「できることは何でもやろう」と行動開始。教室責任者(スクールディレクター)のKさんはまず、すべてのスタッフに対してポジティブなメッセージを発信し続け、スタッフ一同が現在の状況や対策をしっかり把握し、心の動きも含めよく話し合うことで、コロナ禍でも不安を感じないような明るい教室の雰囲気作づくりに努力しました。

Kids Duoの本部からは細かい対応を記載した感染対策マニュアルが配布され、教室のマスクや消毒液の補充も行われました。教室ではこれをもとに感染対策を徹底しながら、さらに、生徒が分かりやすいようにカラフルなテープを貼ってソーシャルディスタンスを保ったり、おやつの時間を段階的にずらして実施するなど、細かい対策を考えて実行。逆にこのように独自で行った対策を本部に提案したこともありました。

最初の緊急事態宣言が発出されたのはちょうど4月。小学校新1年生が多く入会する時期でした。ただでさえ、初めてのことだらけの小学1年生にとっては、学校にも登校できず、集団生活や新しい友達との交流もほとんど経験がない状態。教室でも例年に比べて子どもたちがかなり不安そうだと感じることが多かったそうです。

さらに、小学校新1年生の保護者にとっては、親と離れたくない子どもを大勢の生徒の中に送り出すことや、Kids Duoのオールイングリッシュの環境に馴染ませることは、ただでさえ不安。そこに新型コロナウイルスの不安も加わり、これを理由に「今は無理に頑張らなくてもいいか」と踏み出せなかったり、リモートワークで親が家にいる時に「行きたくない」と甘えられると送り出すことができなかったりと、休みがちの生徒もいました。

教室では、不安を感じている子どもたちや保護者をサポートするために、ご家庭への連絡を徹底。スクールディレクターからの連絡だけではなく、ティーチャーと一緒に行うなど、スタッフ全員で対応しました。電話口では、保護者から生徒に電話を代わってもらい、最初はバイリンガルティーチャー、その後はネイティブティーチャーに代わって、英語で覚えた単語やフレーズで話し、電話を通じたミニレッスンで英語から離れない工夫もしました。

生徒や保護者だけでなく、コロナ下ではスタッフも精神的に不安定になりがち。でもこの教室ではまず、スタッフがその不安に飲み込まれないこと、次に子どもたちや保護者が陥りやすい不安や妥協から脱するべきサポートをしたことによって、最初の緊急事態宣言を乗り切りました。

「コミュニケーションは、ネガティブな気持ちをポジティブに替えられる」。 

この教室が、緊急時代宣言下の教室運営で学んだことは、基本的で当たり前なことかもしれませんが、不安定な状況でこれを実行できるかどうか。できる確信を持てたことは、今後の危機管理においても、おおいに役立つ経験でした。

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