ワイン移住の決め手〜40以上の市町村を回って気づいたこと〜
移住先を決めるまで、40以上の市町村を回りました。葡萄栽培、特に醸造用葡萄を育てたかったので、当初の本命は北海道。
一般的に産地としては山梨や長野が有名ですが、気候変動の影響で、醸造用葡萄栽培の適地は北に移動しています。暖かいと病害に遭いやすかったり、完熟早くて酸が残りにくく、栽培が難しいようです。
北海道では、10以上のワイナリーや葡萄畑を訪問し、生産者さんのお話を伺いました。リタファームさん、ドメーヌ・タカヒコさん、登醸造さん、ドメーヌ・ユイさん、ル・レーヴさん、10Rさん、などなど。現地で直接話を聞かなければわからないことがほとんどでした。
ただ、最終的に移住先として選んだのは、北海道ではありません。余市に次いで今後盛り上がりが期待される仁木町が大本命だったのですが、残念ながら良い農地と出会えなかったこと、車なしでは成立しない積雪地の暮らしへの不安、葡萄中心のライフスタイルへの迷いなど、いくつか踏ん切りのつかない理由がありました。(ちなみに、仁木町の役場の方は神対応です!)
北海道半周を経て、気づいたのは、今すぐに欲しいのは業として成立する広さの栽培適地や技術ではないということ。まずは、畑とワイン、自然と文化のある暮らしなのだということ。
そんな中、パートナーが自治体の運営する滞在型農園を見つけてきてくれました。期待せずに訪問したところ、あまりの景色の美しさに秒で魅了されました。
山並みを臨む素晴らしい眺望と果樹栽培の歴史のある土地。車で少し走れば、沢や棚田、美味しいレストラン、美術館、ワインショップがあります。東京へのアクセスも良い。まさに自然と文化のある暮らし。行政の方の対応もしっかりしていたのも好印象でした。
唯一の欠点は、農園の利用が期限付きということ…葡萄を含めた樹木の地植えができないので、そこはとりあえずプランターで我慢することにします。
こんなふうにして、移住先は決まりました。