【武術談義】一般人が護身術で使うのなら正拳突きよりも合理的な手技がある!

この記事は昨日公開した【武術談義】一般人の護身術で使えそうで使えないのが空手の正拳突きという基本技法!の続編となっています。

昨日の記事をお読みで無い方は、前編にあたるこちらの記事を先に読んでおくと話が分かりやすいと思います。


さて昨日の記事では、護身術として自分の身を護るために闘う必要が生じたときでも、空手の正拳突きを格闘に使用することは、一般人にとっては推奨できないですよ、ということを理由を挙げて説明いたしました。

では一般人が護身術で有効な打撃を与えるのに使える手技って、いったいどういったものがあるのか?

そこについてお話ししておきたいと思う。

正拳突きは拳(こぶし)を傷めやすいし、何より手首が強くないと手首を挫いてしまいやすいのですね。

これは正拳突きというよりボクシングのストレートパンチや、フックパンチでも同じことなんだけど、普段からサンドバッグを叩いて手首を強くしていない限り、当てたときに手首をグリッと傷めてしまうんですよ。

それに握りこぶしを強く固めて繰り出すパンチは、力感は出てもスピーディーなパンチにはなりにくいということも、昨日の記事でお伝えしたとおりなんですよね。

では、護身術で用いるべき適切な手技としてどんなものを用いればいいのかというと、手のひらを握りこまずに開いた状態(開手)で軽く指先を曲げた形の手(指を開いた手刀)が、相手の攻撃を捌きやすく掴みやすいのでもっとも有効です。

開手だと顔面も防ぎやすいし、受けやすく払いやすいので防御にはもってこいの手技になるんですね。

それに何よりもメリットがあるのが、手のひらを開いていることで前腕が硬直しないので、相手の攻撃に対して素早く反応できるんですよ。

これが握りこぶしを固めていたら、ガチガチになって動きも鈍くなってしまいます。(^_^;)

なので最善の手技は手のひらを開いた手刀の状態ということですね。
これだと訓練する必要もないし、一般人でも常に使っている手の先の働きをそのまま活用するだけなので、難易度が相当低い割りに効果は抜群ですよ。

またパンチを相手の顔面に当てることの難しさやパンチを当てたときの威力を比較すると、バラ手(開いた手のひら)で相手の顔面を殴ったほうが意表も突けるし目潰しにもなるので、平手(手刀)の有効性は高いんですよね。

武術的にも平手打ちは有効な手技になるので、防御を重視した格闘術ではとても使える技になるんですよ。

競技空手では有効打と見なされにくいためにあまり使われないけど、一般人の護身術にはもってこいの手技ということです。

そのうえに平手での受け(手刀受け)や払い、手のひらの根元部分(掌底)を正拳がわりに突き出したり、相手の攻撃を抑えることに使ったりと、平手からの応用手技も使いやすいのですよ。

そして威力という点でも平手からの突きで、正拳突きの欠点を補うことも可能なんですね。

それが、平手から突き出すときに、指先の第2関節だけを曲げて指先を手のひらに密着させる平拳(ひらけん)という突きです。

鍛錬も不要で一般人にも有効な打撃用の突きとして効果もあるし、鍛える必要もそれほど無いので護身術で使うには、最も威力を発揮する手技になりますね。

手の指を伸ばした状態から第2関節を曲げ、親指を人差し指の第1関節部分に添えて一体化させた形が平拳で開甲拳とも呼ばれますが、正拳突きのままの形から指の第3関節を伸ばして平たくした状態ですね。

正拳突きの形から第3関節を伸ばすことで、固まっていた腕がすっと伸びる感覚がつかめると思うので、実際にやってみると分かりますがリーチも伸びるんですよ。

実際にリーチは第2関節と第3関節の間の長さ分だけ伸びるんだけど、握りこんでいた拳が解放されることで、もっと腕も伸びやかになるのが実感できると思いますよ。

この突きが一般人に推奨できる、いざという護身術格闘における場での、もっとも効果的な突きになる、ということですね。

肩甲骨から肩を通り、肘から先の指までが伸びやかな一本の槍と化すように突くのだけど、先端部が鋭利になる分だけ突いた時の威力があるのですよ。(^_^)b

空手には指先を伸ばした貫手(ぬきて)という手技があるけど、こちらは一般人どころか空手修行者にとっても、習得するのがとても難しい手技になりますので使えないのだけど、平拳は使えると思います。

貫手を極めるには、箱に入れた浜砂の中に貫手で指を突き入れるという、相当な指先鍛錬が必要になるから、護身術として使う場合は貫手より指先を折り曲げた平拳のほうが、打撃の効果も高いし使いよいですね。

特に空手のような競技試合ではなく、護身術の場合は相手の急所にピンポイントで痛撃を与えられるほうが有効なので、正拳突きより手刀打ちや手のひらを開いたバラ手や、平拳のほうが使い勝手が良いのでオススメです。

ここまで護身術に有効な手技と言うことで説明してきましたけど、何も闘うことを前提にしているわけじゃなりませんよ。(^_^)b

あくまでも逃げるが勝ち、被害を最小限に抑えるための窮余の策として、この記事でお伝えしたことを格闘せざるを得ない状況にまでもつれ込んだときの参考にしてくだされば嬉しいです。

君子危うきに近寄らず!
三十六計逃げるにしかず!

そして万一の備えのためには、こちら。



ってことで、今回は
【武術談義】一般人が護身術で使うのなら正拳突きよりも合理的な手技がある!という前回に続く護身術で使える手技の話でした。


では!

波風立てずに  のほほんと。



この記事をわざわざ読んでいただいたご縁に感謝します! これからもクリエーター活動にがんばります!サポートを心の支えとクリエーター活動に活かしますので、よろしかったら応援よろしくお願いします。