殺し文句の嘘に騙されて失意の中で働きつつも退職を決断した若気の理由!【回顧④】
この話はマトモな人のはずがないでしょ!こんな仕事しか出来ないのに!聞こえた看護師の陰口が世間の目!【回顧③】の続きです。
若いからゆえの正義感で、発注先との馴れ合い癒着が許せないと言う思いを胸にしまい込んだままで、退職したところで他の仕事の当てもなく生活のために、晴れない気持ちで何とかビル清掃会社の勤務を続けていたんですよ。
前回の話を読んでおられない方は、こちらを先にお読みくだされば話が分かりやすいかと。
ビル清掃会社で働き始めたばかりのときに聞かされた、先輩社員たち全員が「専務の片腕に」という言葉で誘われていたっていう、笑うしかないような話がきっかけで、先輩の古参社員たちとも溶け込めたんですね。
ただどうしても、そんな狡い経営者親子の会社で働き続けるのが嫌になっていたんですよ。
社長と、社長そっくりな瓢箪みたいな頭(けっこうデカい)をした専務の言うことやることを観察していると、尊敬できる点を探す前にがっかりするような点だけが、やたらと目に付くようになったんですよ。
パートさんやアルバイトという立場で、仕事が立て込んだときに臨時で手伝ってくれる数人の方たちを除いた6人の中では、目をかけてもらったほうなんだけど、どうも期待に応えたいという気力が沸かないわけなんですよね。
人って、この人のためなら・・・っていうような尊敬できる上司や先輩だから私利私欲を放り出してでも、夢中でがんばれるんだと思うのよね。(^_^)b
そう言う点で器のちっぽけさを露呈してしまった社長と専務の親子を、自分の上司として尊敬できるはずもなく、けっこう悶々モヤモヤした毎日を過ごしていたんです。
そのビル清掃会社の経営母体は酒販店だったんだけど、その経営を社長がしきって、別会社の清掃会社を専務が仕切るという分担で経営していました。
ある日のこと、社長が出動作業中の駐車場にやって来てこう言ったのです。
「誰か、ちょっと来てくれんか、誰でもよかから一人来てくれんか」
古参社員が私に合図を送ってきたもんだから、社長の後をついて行くと酒販店の奥にある事務所に入って、キーボックスから車のキーを取ると入り口に立っていた私に投げてよこしました。
突然の行為に危うく取り落としそうになりながらも、なんとか両手でキャッチして受け取り、その後の指示を待っていると
「今日は出かけるから、車を洗車しといてくれ!傷を付けるなよ」
そう言うではないの。
事務所のソファには専務が背もたれに頭を乗っけたままで、テレビを見ているのが見えるけど、何も言わずに煎餅をかじっているわけです。
「あの・・・いつ洗えばいいんですか?」
「今からよ、早うせんと間に合わんぞ、朝のうちに済ませんか!」
「わかりました・・・あの、今日の現場へは・・・。」
「行かんでよかから、終わったらここに戻ってきて!」
そう言ってきた専務の声で、洗車作業に取りかかったんですが、何か釈然としないのよね。
酒販店社長の運転手でもないのに、なんで洗車をさせられるんだろうかっていう理不尽さをこらえながら、丁寧に丁寧に洗車をしてきれいに拭き上げました。
早めに洗車を終えて報告がてらキーを戻しに事務所に行くと、待っていた社長と専務が顔を見合わせてから、専務が私に伝えてきたのが
「今日の君の仕事は配達だから、副社長の指示に従ってくれんか・・・」っていうお願いの体裁をとった命令で、始めて登場する副社長の存在に(誰よ、副社長って?)そう怪訝な顔をしているところに、ご本人の副社長が登場です。
「あら、若くて元気そうで、助かるわ!」
そう言ってご登場されたのは、社長の奥さんじゃないの!
あんたが、副社長かい!
もしかして会長がおって、その会長が認知症の寝たきりジイサンっちゅうのじゃないやろな!
なんて、心の中でツッコミながら、会社とは名ばかりの家族経営の企業ごっこかいって思っていました。
仕方がないので、副社長こと奥さんの命令するままに配達開始です。
50CCの原チャリバイクの荷台に大きめの板を敷いて、一升瓶6本入りのケースを2個縛り付けて、注文の届け先に配達を始めました。
ゆっくり運転で左折や右折をすると、荷台の重さでこけそうになるもんだから、そこそこのスピードでコーナーを曲がり慣れてくると、もう御用聞きのお兄ちゃんに早変わりですよ。
ただね、酒販店の従業員でもないのに、なんで配達せにゃならんのよ、っていう不満が配達している間にたっぷり溜め込まれたんですよね。
それに副社長こと、奥さんのっていうか、オバサンの人使いの荒いこと荒いこと、このままじゃ炊事洗濯に晩ご飯までつくらされるんじゃないの、って不安になるくらい、公私混同の極み、キワミのたくみ(匠)なのよね。
配達のはずが、買い物に行かされたり、町内会の回覧板を届けたり、お手紙をポストに投函したり、パンクした自転車を修理のために預けに行って、修理が終わってからまた取りに行って、持ち帰るということまでフルコース。
そんな雑用を配達の合間に押しつけてくるわけですが、まぁ1日だけだから我慢しようと思ったんですね。
ところがどっこい!
お気に入りにマークされちゃって、しょっちゅうお呼びがかかるようになったんですよ。
こうなってくると、どっちの仕事が本業なのか分からなくなるし、古参社員たちとの間にも、微妙な空気が漂うようになったんですよね。
依怙贔屓されてるというか、専務の片腕同盟から一人だけ抜け駆けをしようとしているんじゃ無いかって、猜疑の目で見られるようになったのよ。
ちゃんと聞かれたら、無い無い絶対に無い、そもそも辞めるつもりだからって答えられたんだけど、聞かれもしないままで日にちも経過して古参社員たちの空気感が変わってきたんですよね。
そういう和やかさのかけらも無い職場に愛想が尽きて、ついに退職することにしました。
それで、専務に退職を申し出たんですが
「いや、いや困るなぁ・・・そう突然辞めるって言われてもねぇ、何が不満なの?まだ給料もこれから上げようと思っていたのに・・・裏切るつもり?」
そう言ってなだめたり脅したりで、最後は
「ま、よく考えて、あんたも奥さんに相談してからのことだね・・・」ってはぐらかされそうになったんだけど、断固として退職は撤回しなかったもんだから、給料の締め切り日までは働くことで話が付いたんですよ。
だいたい、何が不満なの?って・・・不満だらけじゃい!
それからの私に対する、社長と専務と副社長の態度の激変ぶりに驚くばかりで・・・あぁこんな人たちだったのよねって、やっぱり辞めることにして正解だったわと、逆にさっぱりした気分で辞めることができました。
ちなみに、私が退職することを知った古参社員たちは、それから後は手のひらを返したように親しく語りかけてくるようになり、退職する日までの作業現場でも笑いが絶えなかったのがひとつの救いでした。
さて、そうやって退職を決めたことを彼女に報告したんですが、反対されるどころか「あの会社には、もったいないよ、あなたは!」と言って、また無職に戻ることに不満も漏らさずに笑顔でいてくれました。(^^ゞ
次の仕事の予定も無いままに、無計画で決めてしまった退職でしたが、捨てる神あれば拾う神ありの諺を地で行くような、願っても無いウマい話が飛び込んで来たのは、退職する数日前のことでした。
まさにタイミング良く舞い込んできたのが、自営独立の話でして以前にも記事にしたことがある、観光ホテルの売店コーナーの運営を引き受けないかという話でした。
今回の記事から繋がる話で、空き巣に入られたエピソードの頃の話になるっていうことなんですが、笑えるかどうかはともかくとして、こちらの話もできたら読んでくださいね。
さて、長い話になってきましたが、今回の話は退職をするところまででいったん締めたいと思います。
続きはまた、スキの具合を見たうえで、飽きられていないようなら書こうと思います。(^_^)b
ってことで、今回は
殺し文句の嘘に騙されて失意の中で働きつつも退職を決断した若気の理由!【回顧④】 という若い頃の回顧録でした。
サブアカウントのほうもこれまでの数字とともに、振り返り記事を公開しました。
では!
無職になろうが のほほんと。