コンチェルトの朝。

風にそよぐ若葉が
まるで空に向かって
飛び立とうとしている雛鳥に見えるとき

寒い冬を乗り越えて樹木の若葉も芽吹き
風にそよぐ姿が目に飛び込んできた、朝

ほかの葉色と異なって赤みを帯びた枝先の葉が
風が吹くたびにカラダを揺らし
何ごとかを訴えかけてくるようだ

その様はまるで、親鳥に
餌をねだる雛鳥にも見えるね

今まさに飛び立とうとして羽を大きく広げ
羽ばたきしているようにも見えるのは
シマトネリコの若葉

横風が強く吹くと
まるでいやいやをしているような仕草で
風の嫌がらせのようなちょっかいから
カラダをねじらせ身をよける

何本もの枝先が風に揺れるたびに
一斉に騒ぎ出す様子はまるで
幼稚園の園児たちのお遊戯会にも見えるよね

朝露の光をまき散らすように動き回る葉先は
風とのコンチェルトを奏でているのかな

そうだね、風と枝葉の協奏曲というよりは
風と枝葉の競颯曲が似つかわしい

コンチェルト
協奏曲はかつて競奏曲と呼ばれていたこともある
競い合うことと、協調することは矛盾しない

協調することや同調することと
馴れ合いとは違う

競い合うことも
相手を蹴落とすことが目的では無い

競い合いながら、ともに高みを目指すことが
ライバルの存在価値であり、だからこそ好敵手と
読み替えられるのだよね

風と枝葉のコンチェルトを感じながら迎えた朝

風は枝葉のそよぐ姿で、その存在を教えてくれる
何も見えない風景で、風を見つけることはできない

吹き渡る風も
心地よく感じられるひとときをもたらすけど
ときには嵐となって恐怖をもたらすときもある

そんないろいろな風が
誰の心の中にも吹いているのだね

どうせ吹く風だったなら
爽やかな朝の風のように
心を洗う心地よい風に吹かれたいものだ

そんなコンチェルトを感じた、朝。

ってことで　今回は　
「コンチェルトの朝。」というエッセイ。

では！

今日も　のほほんと。