武蔵野うどんの街で輝く讃岐うどん【おのうどん @北与野】

今日僕が乗っている電車は埼京線。埼京線といえば埼玉。埼玉といえばうどん。うどんといえば武蔵野うどん。そう、埼玉はうどん大国なのだ。埼玉に行ったらマジでうどん屋を多く見かけるし、あの有名なローカルチェーン「山田うどん」はだって埼玉発祥であることは言うまでもないだろう。ちなみに山田うどんのオススメはモツ煮だ。

この日はそんな埼玉で有名らしい「おのうどん」といううどん屋さんに行くために、わざわざ大宮の近くまでやって来たというわけだ。大宮の1つ手前、北与野駅で降りる。Googleマップを開くと北与野駅からその「おのうどん」までは歩いて10分ぐらいかかるらしい。結構歩くなオイ。9月半ばになったとは思えないほど灼熱の日差しを浴びながら、うどんを目指して歩く。マジでいつまで続くんだこの暑さは。

お店に到着したのは11時半ごろ。お店の前には並んで待っているお客さんが6人ぐらいいる。ちょうど外に店員さんがいるタイミングだったので、僕は1人であることを伝え、他のお客さんに倣って外待ち用のイスに腰かけた。並んで待っている間にもお客さんはどんどん増えていき、僕を含めて10人くらいのお客さんが外で待っている状態になった。なかなかの人気店である。

並んでる間、外でメニューを眺めていた。先ほど僕は埼玉といえば武蔵野うどん、みたいことを書いた気がするが、この「おのうどん」で頂けるのはさぬきうどん。武蔵野うどんじゃないのかよ、というクレームは受け付けない。このお店の名物は讃岐うどんでは鉄板の「ぶっかけうどん」。とにかく暑くて早く店内に入れてもらいたかった僕はそのぶっかけうどんがとても魅力的に見えた。つめた〜いお出汁にキンキンの水で締められたうどんが入っている姿を想像したら、僕はもう他の選択肢を持てなくなりはじめていた。メニューの次のページにはお店のもう一つの名物であるおでんが載っていたが、暑すぎて眼中に入らなかった。

さて、何を頼むかは決めたのであとは量をどれくらいにするかが問題だ。このお店の並盛りは300g。多くも少なくもない、普通の量である。たぶんだけど、僕はこの並盛りでは到底満腹にはならないだろうと考えた。麺を大盛りにするか、それとも何かサイドメニューを追加するか…と悩んでいた時、ふと案が浮かんだ。それは、このお店でうどんを食べたあと、別のうどん屋さんに行く、という妙案だった。このうどん屋ハシゴを思いついたのは、数年前に一人旅で香川を訪れて以来である。香川はさすがうどん県といわんばかりにうどん屋さんの数が本当に多い。しかも一杯一杯もそこまで多くないため、よほど少食な人でない限りは容易にハシゴすることができる。しかしここは香川ではない。埼玉だ。埼玉のうどんといえば一杯一杯の盛りが良いお店が多い。武蔵野うどんのお店なんて特にそうだ。このお店はともかく、次のお店ではもっとすごいうどんが出てくる可能性だってある。そんな埼玉でうどん屋ハシゴなんてやって良いのだろうか…僕の頭の中で天使と悪魔が囁き始めた。

「食べて良いのよ。あなたならきっと食べ切れるわ」

優しい声で僕に語りかける天使。

「いやお前じゃ無理だ！やめとけ！大人しくうどん一杯食って帰れ！」

全力で僕を止めようとする悪魔。この時僕の消化器官たちは挙って悪魔を応援していたに違いない。この天使と悪魔の争いは、僕はここでうどんを食べたあとの腹の具合で決めるということで一旦決着がついた。

僕が店内に案内されたのは、並び始めてから15分ほど経った頃だった。お店の入り口にかかっているクマさんの模様の暖簾が可愛い。

この暖簾のセンス、めっちゃ好き。

店内は普通の民家を改装して作ったような内装で、よくここに厨房作ったなぁという感じだ。カウンター席に腰掛けると、目の前の厨房からはドン、ドンとうどんを切る力強い音が聞こえる。どんなうどんが出てくるのだろうとワクワクしながら、僕は並んでいたときに決めていた「スペシャルぶっかけ」を注文した。

今見返すとカレーうどんもめっちゃ気になるなぁ。

注文したうどんは10分ほどで僕のもとにやって来た。出汁の中に綺麗に盛られたうどんの上に、とろろと玉子、海老天が乗った素敵な見た目だ。

この写真、無加工。

ぶっかけうどんだがまずは混ぜずにいただいてみよう。麺を3本ぐらいつかんで啜ってみる。おお、思っていた以上に硬めでコシが強い。もう少し柔らかい麺を想像していたが、なかなか歯応えのある麺である。そんな麺に爽快感のあるつゆの味が良い具合に乗っていて、一口食べただけでこりゃ人気になるわけだ、と納得した。

噛みごたえのあるうどん。ネギも良いアクセント。

その後はぶっかけらしくすべてをかき混ぜていただいてみた。今度はとろろの食感や玉子のとろみもコラボしたことでさらに味わいが広がった。麺は相変わらずいつまででも食べていたくなる美味さ。僕の心はもう香川へ渡っていた。

とろろって身体に良いイメージあるうえに美味しいから最高だ。

うどんに添えられた海老天は片面だけがつゆに浸かっており、サクサク感とふわふわ感の両方が楽しめた。この絶妙な盛り付け方はお店の方たちの粋な心遣いだろうか。うめえ。

天ぷらもとても美味しい。ハシゴなんてことを思いつかなればきっと盛り合わせを頼んでいた。

食べ終わってしまうのがもったいないほど美味い。予想していたとおり、300gのうどんは僕にとっては大した量ではなかった。会計を終えて店を出る。この時の僕の満腹感は、50%ぐらいだった。僕は次のお店に行くことを決めた。争いに勝利したのは、天使の方だった。

今回行ったお店

おのうどん
●住所：埼玉県さいたま市中央区本町東5-13-21
●アクセス：北与野駅から徒歩8分
●営業時間：11時〜15時
●定休日：水曜・日曜
●支払い方法：現金、PayPay
●駐車場：あり（少し離れたところに2台）

頼んだメニュー

●ぶっかけうどん スペシャル ¥1000

ほかにもオススメのお店がある人はぜひコメントで教えてもらえると嬉しいです！