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【連載】30歳小説家、ブスとして生きる①

(画像)だれか、私を美しく写してほしい。

こんにちは、矢御あやせです。
私は30歳であり小説家であり、ブスです。
今回は自分を紹介する記事として、このような記事を書かせて頂きました。

人生30年、まぁまぁ謂れのない誹謗中傷を受けてきました。

学生時代、私が周りから批判され続けたのは
ブスだっただけでなくASD(いわゆるアスペルガー症候群です)由来の奇抜で、周りに溶け込めない行動だった訳なんですが(ASDは大人になってから見つかりました)
それでも顔へのコンプレックスの問題は常々付きまとっていました。

大学生の頃、童貞を卒業したばかりの男(当時は片想いの相手でした)に
どうにか深夜のファミレスに誘い出すことに成功したのですが
「お前は綺麗:ブス=3:7のブスの方だ」とブスの烙印を押されて
その人が嫌いになりました。

昔付き合ってた彼は容姿(体型)を理由にセックスを拒否され続けました。
(この話は自分ではまだ処理できていないのですが、いつか面白おかしく書いて出版してやろうと目論んでいます。)

さて、これは完全に私の想像なのですが、
ブスの進路は大きく三つだと思います。

繰り返しますが、ソースは私の妄想です。

最初の二つは
 
 ・ブスだけど自分を磨く人

 ・ブスを受け入れて好きに生きる人

もうお分かりだと思います、前者はかなり早い段階でブスではなくなります。お化粧が上手、オシャレ、知識も豊富etc…普通に綺麗な人です。高嶺の花です。
最初から綺麗な人も凄いですが、これはこれでとても尊いお方です。
彼女は絶対に努力家です。大事にして欲しいです。

実は、後者も好きに生きているため、何にも縛られない人間としてのオーラが滲み、とても魅力的な人になります。とっくにブスなんかじゃありません。幸福が顔ににじみ出ているお母さんがこのタイプです。羨ましい。
全国のお子様、作文で母ちゃんのことを自慢してあげてください。

さて、三つ目のブスですが、これが厄介なのです。
それは、

 ・自分の進路を決められないブス

そう、何者にもなれないブスです。

このタイプのブスは自分磨きも中途半端だし、
とにかく自分のことをブスだと認めたくありません。

普段自分をブスだと忘れて生きているのです。
結局、進路の決まらないブスはブスのままです。

この状態を私は勝手に「ブストリアム」と呼んでいます。

私はがっつりこの3つ目のブス・「ブストリアム」タイプに当てはまります。

ブストリアムは厄介です。
ブスを飼いならす事ができなず、散々ブスに振り回されるのです。

オタク的に言えば、左手に封印された邪竜のように
ブスの心を蝕んでいきます。

ブスである事実に耐えられず、発狂することもしばしばです。
自信がないからどんどん猫背になっていき
自信がない故にうっかり空気を読まずに「私ブスだから」と言葉を発して自分も周りもブルーになる。

もう、人生のどこかでブスと決別しなければならないのです。

私は勝手に30代になれば、ブスであることと決別できると思っていました。しかし、それは半分しか当たりではなかったのです。

10代、20代と毎日傷ついていたあの頃より、随分と楽になりました。
そこには私がフリーランスとして転身し、飲み会でのブスいじりのようなことが無くなったというのも大きいかもしれません。

そして、20代が終わりに近づいた頃の人付き合いは、そういった容姿の格差とは無縁の世界にあったようにも思えます。
前述のクソ彼氏とも別れましたし、同僚の女にニヤニヤと薄気味悪い笑みを浮かべながら「矢御さんって彼氏いるの?」と言われることもなくなりました。

しかし、それでも。
鏡がある限り、ブスと決別することはできませんでした。
私は鏡が嫌いですし、写真も得意ではありません。
申し訳ないけど集合写真に写ろうとしないことが多いです。
自分の出版記念パーティを開いてくれた友人に隠し撮りされ、それがすごく嫌で疎遠になったこともありました。

それでも皮肉にも顔出し作家をやってますが、いつかブスの話を書く機会を虎視眈々と狙っていたのです。
いや、そういう訳でもなく、なんとなーく新聞取材で写真をお願いされてOKしちゃっただけなんですが。
今でも「コイツ、ほんとにかわいくねーな」と思いながら記事を見てます。
話すときは口が曲がるという新たなコンプレックスも見つけました。

あ、誤解されてはいけないのですが、取材自体は舞い上がるほど嬉しかったんです。この写真、遺影に使いたいくらいです。

さて、このシリーズは、私がブスと決別する。
その決意表明でもあります。ここが私の夜明けです。
何回かに分けて、自分が三十年付き合い続けている「ブス」の正体に迫り、
ブスの苦しみやおかしさをほどほどに楽しくお伝えできればと思います。

どうか、数回お付き合いいただけると嬉しいです。

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私は、この容姿と一緒に明日を生きてもいいのでしょうか。

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