好きな恋愛映画を語る Vol.3 恋は雨上がりのように
こんにちは、ヤンパチーノです。『好きな恋愛映画を語るVol.3』。今回は邦画を紹介します。眉月じゅん原作の同名コミックの実写映画化作品『恋は雨上がりのように』です。(※ネタバレ有り)
Vol.3: 『恋は雨上がりのように』(2018年)
最初は飛行機の中で何となく視聴したのだけど、話の設定だけ聞いてファンタジー的な恋愛映画かなと舐めてたら、予想を裏切る内容でかなり好きな作品でした。
怪我で陸上を諦めてファミレスでバイトしている高校二年生あきら(小松菜奈)は、ある出来事をきっかけに45歳、バツイチ子持ちの冴えないバイト先の店長、近藤(大泉洋)に恋心を抱く。気持ちが抑えきれなくなったあきらは近藤に想いを伝える。しかし、28歳という年齢差に戸惑う近藤は気持ちをそのまま受け止めることはできない。
冒頭からあきらが走るシーンが多いのだけど、小松菜奈のスタイルの良さが際立って、とにかく美しく、若い生命力に溢れていて眩しい。人が走ってる姿ってそれだけで泣ける(『ジョーカー』で走るホアキン・フェニックスにも泣きそうになった)。
どうしたって、自分は近藤サイドの視点で、目標を見失った若者の苦悩とそれでも広がってる無限の可能性を応援する見方になる。あきらからの恋心も若さ故の誤解くらいに思える。とはいえ、小松菜奈に至近距離でジッと見つめられる場面には「可愛いな…」と心の中で何度も呟いてしまったけど。
ここから、年齢差を超えた恋愛に発展して行ったとしたら当初のイメージしたような軽い恋愛映画という印象だったかもしれないが、後半から、実は昔から小説家になることを夢見ていた近藤にも焦点が当てられる。原稿用紙を机の上に置きつつも文章が書けない近藤だったが、あきらの陸上や近藤への真っ直ぐな気持ちに接して忘れていた何かを刺激される。
更には、久々に再会した大学の文芸サークルの同級生で今は人気作家となった九条ちひろ(戸次重幸)からは、未だに夢を捨てられずに原稿用紙を机に置いている近藤に対して、「諦めずにあがいて前に進もうとするならそれは未練じゃなくて執着って言うんだ。」と背中を押される。
最終的には、近藤はあきらの気持ちを受け止めることはできないと告げつつ、刺激をもらったことへの感謝の気持ちを伝え、友人としてあきらの陸上復帰を応援する。また、近藤は再び原稿用紙に向かって小説を書き始める。
この映画、恋愛映画、青春映画でありながら、くすぶってる中年男性をも応援する全世代向けエンパワーメント映画だったという結末。当然、ボンクラ中年男性の私も背中押される大好きな一本となりました。いずれ原作漫画もチェックしたいです。
最後に、映画の中の近藤よろしく、私も忘れて来た何かを求めて小説を書いているので良かったら読んでみて下さい。
「好きな恋愛映画を語る」の別の記事はこちらのマガジンから↓