「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら」
今から14年前に出版されて大流行した本。当時30代だった私は読書から遠ざかっていたことと、流行り物にのっかるのはダサいと勘違いをしていたので手に取ることはなかった。
現在はSUNABACOのDX講座の卒業制作真っ最中なのだが、講座で紹介されたことをきっかけに制作の合間にいっちょ読んでみるか!という気持ちで読了。
当時読んどきゃ良かったわ、これ。もちろん今からでも遅くはないと思いつつ、仕事の仕方や生き方変わってたかもしれない。(大げさ)
要約
知らない人はいないと思うが、概要をChatGPTさんにご紹介いただく。
要約にあるように物語形式なので読み進めるのに苦労はなかった。最後は物語として悲しい部分もあるんだけど、さっと読めるしオススメ。「マネジメント」かじったと言えるようになる、かどうかはわからないw
これより気になった点をつらつら書いていくのだが、各章と「マネジメント」の取り上げ箇所がズレているように感じると思う。これは前章で取り上げたものを次の章で実践のような物語の進行になっているので引用を間違えているわけではない。
第一章 みなみは「マネジメント」と出会った
マネージャーとして管理能力などの才能はあるに越したことはないが、真摯さが必要。人を扱う役割なのだから当然。能力高くても真摯さに欠ける人には誰もついて行かない。
組織の定義づけ。自分たちがどのような組織で何をするべきなのかを組織全体で共有していないと、そもそも何をしたらよいかわからなくなる。多様な人が集まるのが組織なのだから定義を明確にしないと同じ方向に向かうことはできない。
第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
提供側の都合でいくら良い製品やサービスを提供しても今の時代は特に相手にされない。顧客を満足させる事が大切。プロダクトアウトではなくマーケットインの考え方、ここにも出てくる。
第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ
成果を上げさせるためには働きがいが必要。意欲が湧かなければ良い仕事はできない。
自分事として当事者意識を持つには責任が伴っていないといけないことは同感。他人事だとどうしても仕事そのものに身が入らずおざなりな対応になる。また責任を持つことで、何とか役に立ちたいと思える。
エンジニアの端くれではあるが、もはや最前線ではない身としては最前線で活躍している彼らと現場の橋渡しをしている。このやり方については正しかったようだ。間に翻訳者が入らないと大抵の場合喧嘩になるので、地味だがとても重要な役割だと認識している。
第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした
仕事は準備が9割!来るチャンスに何も準備できなければ即応できない。そのためにもマーケティングを先におこなうことはとても重要。
人がいるからこその組織。顧客もまた人。最も大切なのは人なのである。行き過ぎた個人主義が横行している現代、人を大切にして活動できる組織は強い!
企業の目的は顧客への価値提供。それができずに顧客から要求されるようでは先が知れているということ。マーケティングは常に必要と認識。
第五章 みなみは専門家人の強みを活かそうとした
①は何をすべきかを決める目標設定。②③はPDCAのことと理解。④道具、自分の場合だとまともに動作するPCとかかな?
人に押し付けられるより自ら決めたことのほうが当然やる気出るよね?という理屈。ごもっとも。
まあ、中には人には決めてほしい層も一定いるので、それはそれで構わないと思う。ただし文句は言ってはいけない。
一人一人に役割と責任を与えるとと働きがいが生まれる。自分でやってしまった方が早いので人に任せなかった過去を反省。
顧客はもちろんのこと社会に対しても良い影響を与える価値がイノベーション。組織の中にいても外を見ていないとイノベーションは起こらない。
組織内に目を向けすぎず、外の世界との接点をなくさないことが大切と理解。
過去の成功体験に囚われず、接触的にマーケティングをおこない、新しい価値の創造に試行錯誤し続けることが必要。
会社単位で言えばCSR、社内で言えばセクショナリズムを排除して協力し合いなさいということか。
第六章 みなみは専門家人の強みを活かそうとした
適材適所だけにとどまらず、人の持っている強みを他者のために活かす。利他的に行動することで自己実現にもつながる。これを組織として実行できればかなり強いものになる。
新しい試みをすることを推進する。挑戦に失敗は付きものであるし、このVUCAの時代何が正解かわからないのだから試行錯誤するしかない。失敗を許す(むしろ称賛)文化を醸成しないと未来はない。
DX講座にも出てきたオルフェウスの原則におけるチームの考え方に近いと感じた。お互い自立して行動することで責任を分担できる。
能力云々、できるできないではなく、人や仕事に対して真面目で熱心に取り組んでいるかどうか、そこがとても重要。
信頼のない関係は何についても上手くいかない。
限りあるリソースをイノベーションの元になる新しいことへの取り組みに集中させるためにもとても重要。やらないことリストやトレードオフ・スライダーなどを使い、やることはもちろんだが、それよりやらない決断をすることこそ大切であることを知った。
第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ
努力そのものを否定することはないが、成果(アウトプット)なしには単なる自己満足で終わってしまうだろう。
組織の中においては特にだが評価が重要になる。それによる金銭的なリターンや権限の拡大が、行動に遥かに影響をあたえることは間違いない。
最後に
終盤にが悲しい結末を迎えつつも、無事甲子園への切符を手にしたって、それは小説ですからね。
ただ、最後の正義の言葉
「ぼくたちは、顧客からスタートしたいのです。」
ここにすべて回帰するのだなと。
顧客開発から始めよう!
SUNABACOのDX講座の直後ということもあり良い復習になった。
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