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【#0】『クラリスコミュサポ』とはどんなサービスなのか ~背景と詳細~

どうも、やのしんです。

今回は本業で開始する(している)新規事業『クラリスコミュサポ』についてのご説明です。

どんな想いで、どういう狙いをもってやっているのか。そしてどんな取り組みをしていくものなのかというのをお伝えできたらと思います。

【もくじ】
サービス概要
サービス開始の背景
サービス詳細
サービスの特徴
『議論メシ』での事例

◆サービス概要


クラリスコミュサポはざっくり言えば「コミュニティの活性化支援」を行うサービスです。ただ、活性化という言葉は非常にあいまいなものなのでもう少し嚙み砕くと、「コミュニティオーナーが創りたい世界を実現するための伴走」です。

◆サービス開始の背景


僕自身はこれまで5年近くコミュニティ界隈に参加者や運営の立場で出入りしていますが、コミュニティ運営やコミュニティ支援をしたりする会社や個人の方は多くおられるものの、様々な場において頻繁に「本当にコミュニティのことをわかってやっているかな?」と疑問に思う場面に遭遇してきました。

それは「ビジョンを描く人がそれを創造する能力も併せ持つとは限らない」ということだったり、あるいは「支援を行う人が理論やデータに偏重して現場での嗅覚を備えていない」ことが原因だったりします。

例示でひとつ確実に言えるとしたら、運営サイドの人の多くはそっちサイドになると「自分が参加者になることを怠る」という傾向があります。自分が参加者であることを怠る人は、得てして参加者の気持ちに寄り添えていない一方的な価値の提供をしがちです。

※ ※ ※

僕とコミュニティとの関わりは、少し運営もしていたりはするものの、基本的には参加者としての立ち位置の方に重心があります。(運営:参加=2:8くらい)

でも2割運営にも意識があるので、コミュニティやイベントに参加するときはいつも自然と運営の動きであったりとか全体のデザインについて参考にするのが習慣になっていました。良い部分は真似をして、悪い部分は反面教師として戒める、という感じで。

そうやって知見を溜めていくうちに気づいたこととして、先述の「運営が参加者の気持ち忘れがち」問題があったりするわけです。

また、コミュニティというものに慣れるほどに「いまこういう空気感か」とか「あそこが滞りの元で、そこをこうしたら全体の流れが良くなるな」という、なんか血行でいうならばコリや循環みたいなものがわかってきたんですね。

コリをなくすことが大事だし、巡りを良くしてそもそもコリを作らない体づくりが大切。みたいに、そんなアプローチがコミュニティにも必要だと思ったのですが、周りでそれを実践している人がほぼ見受けられなかったこともあり、また、その勘どころをちゃんと持つのもそれなりの適性がないと出来ないことだと感じたため、自社の事業として取り組むことにしました。

※ ※ ※

正直いえばコミュニティ関連の事業はマネタイズしづらい分野なので採算が取れるかはやってみないと分からない感じですが、トライしたときに、関わってくれた方には正の遺産を絶対残せるという自負もあったのでチャレンジとして事業開始にこぎつけています。

◆サービス詳細

さて、ここまでで理念みたいなところは何となくおわかりいただけたかと思うので、『クラリスコミュサポ』が具体的にどんなものかの本題に入っていきます。(現状では担当が矢野だけの事業なので主語を「僕」として説明していきます)

大まかな順序としてはこのような感じになります。

①コミュニティが実現したい完成形についてヒアリング
  ↓
②メンバーとしてコミュニティに参加し、理想と現実のギャップをキャッチ
  ↓
③ギャップを運営に報告し、改善案を提案する
  ↓
④施策を実施して効果測定し、より良い現実を作っていく
  ↓
⑤ ②~④を絶えず繰り返す

【①完成形のヒアリング】


まずはコミュニティの完成形のすり合わせが一番大事なところなので、最初にしっかりヒアリングをさせてもらいますし、随時行っていきます。(時と共に完成形のビジョンが変わることもあるので)

繰り返しになりますが、クラリスコミュサポは「完成形の実現のために伴走する」サービスです。どんな完成形をイメージしているかによって道のりは変わってきますし、どんな現状かにも影響を受けます。明確な成功のメソッドを当て込むサービスではないというところをご理解ください。

【②メンバーとして参加】

まずは僕がいちメンバーとしてコミュニティに参加して、普通にメンバーとしてコミュニティを利用してみます。僕はこれがとても重要な取り組みだと思っていて、運営サイドが「参加者目線を忘れない」というのは鉄則だと考えています。

いちメンバーとしてコミュニティを俯瞰したときに、他のメンバーはそのコミュニティに居心地よさを感じているのか(一部の人だけの心地よい場になっていないか)、コミュニティ全体のベクトルが完成形の方向を向いているか、イベントは十分に全員が楽しめるクオリティか等々すごくたくさんのコミュニティの現状に関する情報をキャッチすることが出来ます

そのキャッチした情報と完成形をすり合わせながら、どの部分が順調でどこに課題があるか、どんな施策が打てるかなどを分析・検討していきます。

【③改善案の提案】

現状分析を行ったら、どのように改善すればいいかの提案を行います。

例えばイベントの中身(ファシリテーションの仕方、時間配分、コンテンツの見直し等)について言及することもあれば、メンバーの育成案(受け身気質の人が多ければそれを能動的に変えていくとか)だったり、運営の体制の見直しだったり。

それはそのコミュニティ毎にどこがポイントかは異なるので一概には言えませんが、それぞれのコミュニティに適切と思われるアイデアを提案していきます

【④施策の実施と効果測定】

僕は提案はしますが強行はしません。あくまでコミュニティオーナーの意向を最優先し、採用された改善案のみを実施していきます

なので、例えるとしたら、お医者さんみたいに僕が診断して主体的に治療していくというよりは、弁護士みたいな感じですかね。「こういう方針でいいですか?」という確認を取った上で、あくまで代理として実施していくようなイメージです。

そもそも実施するのが僕とは限らない場合もあると思います。運営の方がやった方が効果的な場合はそうして頂きますし、僕はあくまで僕がやった方が良いことだけを実施します。

具体的に僕が出来ることとしては、例えばヒアリングの実施、イベントの企画・運営、ファシリテーション、マニュアル作成、レポート執筆、動画編集などがあります。

いずれにせよ、何かしらの施策を打ったらそのあとにきちんと効果測定をすることが大事です。良い結果が出ようがいまいちな結果が出ようが、どちらも意味のあることです。どうしてそういう結果が出て、それは再現性があるのかなど、結果から新しい推論を生み出します。

現状から仮説を立てて実験し、結果を考察して新しい仮説を立てて実験…というのを延々と繰り返すのです。完成形までの道のりを一直線で進もうとするよりは、らせんを描きながら正しい方向へ進んでいくイメージでゴールを目指します

◆サービスの特徴

これまでの記述でも『クラリスコミュサポ』がそれなりに特徴を持ったものだとわかってもらえたかと思いますが、改めてサービスの特徴を整理いたします。

①定性的なアプローチ
②完成形を目指して伴走
③メンバーと運営の両方の目線
④実験的な改善の繰り返し

【①定性的なアプローチ】

ビジネスシーンは割と定量的に物事を測りがちな印象を僕は持っていますが、特にコミュニティにおいては定性的な捉え方をした方が上手くいきやすいんじゃないかなと思っています。

メンバーが何人増えたか、イベントを何回やったか、アクティブ率はどれくらいか、投稿数がどれくらいか等々、コミュニティのことを定量的に測ろうと思えばそれなりに出せる数字はあります。

でも僕は体感的に、それらは必ずしもメンバーのコミュニティに対する満足度には紐づかないと思っています。

変な話お金をかけまくって広告したり特典をつければメンバーは一時的に増やせますし、同様にイベント数を増やすこともできます。インセンティブを設ければ投稿数やアクティブ率とかも上げたり出来るでしょう。

実際それが指標として社内・内部で見せたりすればわかりやすく効果が出てるかどうかっぽいデータは出せるわけですが、僕はそれは高い確率で依存性の高いタバコみたいなものになりかねないと思っています。

※ ※ ※

どういうことかというと、一度データで周囲を納得させるという手法をメインで使ってしまうと、それ以降で周囲を納得させるときもデータが必要になってしまいます

そうなると目標に向かって進んでいるデータを示し続けなければならないプレッシャーが発生してしまうし、データが思わしくない数値の場合に言い訳を探してしまうようになってしまう。

そうなると、「より良いコミュニティを作りたい」という純度の高い「想い」の部分からどんどん思考が離れていってしまいます。(そういう会社・コミュニティをいくつも見てきました)

そういう知らないうちに負のスパイラルに入っちゃうことを避けたいので、僕はこのサービスにおいては定量性を必要以上に重視しません

※ ※ ※

逆に、定性的な評価はしっかりと行っていきます。メンバーがどれくらいコミュニティに満足しているかや、悪い影響を及ぼすものが内部に混ざっていたりしないかとか、全体的に良いムードかとか、そういうものを僕自身がメンバーとして中に入ることで感じ取ります

僕はそういった定性的な要素を感じ取る能力に優れているという自負があるのですが、「その根拠になるものはあるの?」と言われると提示できるものがないのが難しいところだなぁと思います。

いったら「感性」でしかないので数値化のしようがないですし、コミュニティや人に関わる資格を取ったところでそれはスキル・知識だしなんか違うんですよね。

そうなると現状は「権威ある人からの評価」に頼らざるを得ないわけですが、ありがたいことにオンラインサロン『議論メシ』の主宰で、コミューン・コミュニケーション・ラボ所長の黒田悠介さんからは高い評価をいただいています

実際にサービスを利用して下さった上でそういう評価をしてくださっています。そちらについて言及のある動画がこちらのインタビュー動画になりますので、よかったらご覧ください。

【②完成形を目指して伴走】

二つ目は、あくまで「伴走」であるということです。答えを明確に知っていて、ゴールに向かって導く存在ではありません。

運営の主宰(あるいは皆さん)が描く完成形を伺って、それに合った道のりはどういうものかというのをゴールからの逆算でどういうステップを踏んでいけばいいかを考えて提案して、ご納得いただいた上で皆で進んでいきます。

あくまで伴走という立場でいるのは意味があって、「いずれ僕らがいなくなっても機能する循環を作る」ためです。

そういった循環を作ることが出来れば、コミュニティは半永久的にしなやかに成長(あるいは円熟)を続けていけると思っています。

また、そういう方向を目指すこと自体が、全体の自律性を促すことへもつながっていくと考えています。

【③メンバーと運営の両方の目線】

これはかなり個性的な特徴だと思うのですが、僕らのサービスでは必ずサポートする人間がメンバーとしてもコミュニティに在籍し、いちメンバーとしてコミュニティを楽しむポジションも担います。

かなり確信を持って言いますが、メンバーの気持ちは自分自身がメンバーでないと十分に理解することはできません。運営側の視点だけでは見えない部分がかならずあります。

有機的なコミュニティを作る上では「現場の肌感」の察知は必要不可欠な要素で、それはメンバーとして場に降りない限り十分に察知することはできません。

運営の立場からアンケートやヒアリングでメンバーの意見を吸い上げることはできるでしょうが、それは結局他人の意見であって「自分の肌感でどう感じたか」ではありません

イベントにも運営側として参加もできるでしょうが、運営が感じる現場感と参加者が感じる現場感は絶対にイコールではありません

その「肌感」というのは数値化できない定性的なものですが、でも確実にあるのです。

※ ※ ※

例えば「味覚」なんかも数値化できないものですが、おんなじことだと思うのです。

例えば自分にとって究極の一杯となるラーメンを探すとき、口コミはある程度役に立つでしょう。ミシュラン的な評価も指標のひとつでしょう。

じゃあ自分の舌で味わうことなく、一番口コミが良くてミシュラン的な評価も高いところが究極の一杯だと決定できますか?

あるいは、お店を巡ってお客さんの食べてる時の反応を観察するだけで決定できますか?

できないですよね。口コミなどを参考にして実際に食べ比べて、自分の好みを知って、口コミの中でも自分と好みが合いそうな人の意見を参考にするようになったりしますよね。

あるいは、美味しいラーメンを作る店長にオススメの他店を聞いてみるという方法もあるかもしれません。

いずれにせよ実食して比較していくことで情報感度も徐々に高まって、どんどん究極の一杯の解像度が上がっていきます

つまり、それと同様のことをコミュニティでもやりましょうよ、という話なのです。

【④実験的な改善の繰り返し】

コミュニティをより良くしていく上で、改善を続けていくという要素は欠かせません。

でも、改善というのは難しいもので、変化を加えればそれが良い方向に行くとは限らないものです。さほど効果が出ないかもしれませんし、ネガティブに作用してしまうこともあります。

でも、それでも僕はそういう「改善案を試行する」というアプローチには十分な価値があると思います。

なぜなら、改善案に効果があろうがなかろうが、試行後に「結果」が得られるからです。それは貴重な分析材料になります。

仮説のもとに改善策が行われているので、その仮説のどの部分が正しそうでどの部分が間違っていそうかを分析します。一回でわかる場合もあればそうでない場合もあるので、どんな結論および新たな仮説を立てるかというのも丁寧に行う必要があります

試行が感性や考察による丁寧なものであればあるほど、結果から得られる分析は質・量ともに高まります。また、その繰り返しの中で運営の方たちの自力も高まっていくでしょう

そうなっていけば、もしかしたら僕が完成形まで伴走しなくとも、スキルアップした運営の方たちだけで完成形を目指せるようになるかもしれません

僕はそれはむしろ望ましいことであり、そうなったら嬉しいなと思います。

◆議論メシでの事例

現在クラリスコミュサポ利用して下さっている『議論メシ』でどんなことをしているかについてご紹介します。

いちメンバーとして活動するのはもちろんやっていることでこれまでも散々説明してきたので割愛し、それ以外の施策を紹介します。

①メンバーヒアリング
②イベント企画の相談・運営の補助
③主宰に提案や報告(随時)
④マニュアルの作成

【①メンバーヒアリング】

オンラインで1on1のヒアリングを1人1時間程度の時間をかけて行っています。(月5人程度)

ヒアリングにはアンケートでは届かないかゆいところに自分からアプローチすることができるのが良い点です。深堀りしたいところも自由に深ぼれますからね。

また、ちゃんとメンバーの意見を汲み取ったり、「あぁわかる〜」と共感したりできればメンバーとの関係性も良好なものになります

(でもヒアリングのセンスがない人が下手にヒアリングしちゃうと、逆にメンバーの気持ちが離れる危険性もはらんでいるので要注意です。ポイントは「温もりを持って接すること」です)

※ ※ ※

【②イベント企画の相談・運営の補助】

現在議論メシは、メンバー主体でイベント主催をする体制になっているのですが、昨年までは主宰の黒田さんがほぼ全て主催をしていました。

年明けからガラッと方針転換したわけですが、イベント運営に慣れていないメンバーがほとんどであるため、イベント促進のためにも企画段階からのフォローをしています

どういうテーマで、どんな日時で、どういう時間配分だとベターなのか。資料としてイベント主催マニュアルもあるのですが、少しでも不安を消すには1on1で話しながらやった方が良いと思って取組んでいます。

また、当日のファシリテーションについてもやり方のレクチャーをしますが、不慣れな方の場合は代わりに僕がファシリテーターを務めます

そういう経験を経ることが、一人でもイベントを回せるようになる上では必要なことだと思っています。

※ ※ ※

【③主宰に提案や報告(随時)】

現在議論メシ主宰の黒田さんは、今年からフリーランスから正社員に転身したことなどもあり、議論メシにほとんどリソースを割けない状態です。

そのままでは議論メシがどうなっているかをぼんやりとしか把握できない(イベントが何回行われているかとか、何人加入したなどの定量的なものしか汲み取れない)ので、それでは完成形に近づいているかがわからなくなります。

だから、僕が代わりに黒田さんの目になって、メンバー視点あるいは運営視点から議論メシではこんなことが起こっているという状況を随時報告しています

そして、それに何か対策が必要な場合は策を提案します。

目となって解像度を上げることもそうですが、黒田さんが対策を検討する時間が割けない分、脳みそとしての役割も果たさなければならないからです。(これは担当するコミュニティによって程度が変化するかもしれません)

これらのことを普段はシートに記入していくのですが、ある程度ボリュームが溜まったり、大きなアクションを伴う時は1on1でオンライン打合せすることもあります

【④マニュアルの作成】

議論メシ、というか主宰の黒田さんの性質なのですが、ある種の天才性のある方なので、僕がサポートする以前は黒田さんによって作られたマニュアルが簡素すぎるという状態でした。

決して質が低いわけではなく、経験やセンスのある人ならそのエッセンスからちゃんと意図を汲んで肉付けして上手な動きができるのですが、経験不足の人などには十分には伝わらないと僕はマニュアルを読んで感じました。

マニュアルの難易度の適切さはコミュニティメンバーの性質に左右されるものですが、誰もがメンバーになり得るものとして開かれている議論メシにおいては、誰もが再現できるところまで難易度を下げてあげる必要があると思ったのです。

なので、「誰が読んでもわかるように」というレベル感での様々なマニュアルを新たに作成しています。(たまたま僕が少し抽象度が高い文章をわかりやすく噛み砕くのが得意だったからできることですが)

もちろん独断でそれをやるのではなく、黒田さんに提案して許可をもらった上でやっています。

◆おわりに

長々とつづってきましたが、これでクラリスコミュサポについてはだいぶ理解してもらえたのではないかと思います。

いっそ細かすぎるくらいの気持ちで、ノウハウの開示だと思って書きました。なので、これを読むだけでもコミュニティ運営の参考になる要素は少なからずあるのではと思います。

とはいえ、これをただなぞってもそこまで効果がないと思います。それなりの肌感と実行力、性格等がマッチしないと成立しないでしょう。だからこそ開示しているわけです。

もしお読みになって少しでも興味を持って下さったら、ぜひ一度お問合せ下さい。サービスのご契約に至らなくとも何かしら有益な提案がきっとできると思うので。

最後までどうもありがとうございました!どうぞよろしくお願いいたします!

(おわり)

もしめちゃめちゃ満足して頂けるようなことがあれば!