【入門編】令和のライブアイドル界隈のカルチャーを紹介する《後編》
▼前回の記事
①楽曲について
一言でいうと「思ってた100倍全体的なクオリティが高い」です。
僕がイメージしていたのがそもそも2010年より前くらいのアイドルなので、そこから比べたらそりゃレベルも上がるだろって話ではあるのですが、それにしても品質が高い。
推測ですが、背景には一世代前のバンドブームやボカロPの台頭などがあると思います。
個人活動では食えずに職業作曲家になる(あるいは兼業する)人が増え、昔よりも良質な曲を安価に制作する人が増えたことにより、自然とアイドルの楽曲レベルが上がっていったのかと。
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曲調としては、大きく分けると2系統あり、「キラキラ系」と「ロック系」に分けられます。
キラキラ系はいわゆる王道のかわいくてキャッチーなアイドルソング。スウィートでポップな歌詞がついています。
一方でロック系は、パンクやヘヴィに寄ったものが多いです。前を向いた力強いメッセージソングである傾向があります。
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曲調はどうあれ、割と多くのグループは「まぁ量産っぽい感じの曲かな」と感じることが通常なのですが、一部のグループは「これは確実に楽曲の質にこだわっているな」という人たちもいます。
そういうグループのことを「楽曲派」と呼ぶようです。
最近のグループだとCYNHN(スウィーニー)、fishbowl、タイトル未定などが楽曲派と呼ばれています。
わかりやすく楽曲派を知りたい場合は、「アイドル楽曲大賞」というコンテストが毎年開催されているので、そこで大賞を取った曲を聴いてみるとわかりやすいと思います。
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余談ですが、歌唱力についてはCDだとゴリゴリにボーカルをいじってあるので誰がうまいとかの差が出にくくなっていますが、ライブに行くとめちゃめちゃ残酷なくらい実力がはっきりとわかります。
なので、CDでの歌声は実力とは別物として考えていた方がライブで落ち込まずに済むかと思います。
②特典会の様子
vol.1でも触れましたが、特典会こそがアイドルの主たる収入源です。
バンドカルチャーで生きてきた僕にとっては目を疑うような光景でした。なにせ物販スペースではCDとかタオルなどのグッズなんて売っていないところがほとんどなんですから。
基本的に物販では特典会の参加券(ほぼチェキ券)のみが売られていて、誰のものを何枚買うか尋ねられます。また、サインなしかサインありかで値段が変わってきます。
相場としては、サインなしが1,500円でサインありが2,000円。僕の体感ではほとんどの人がサインありを購入していました。(調べてみると、サインありだとトークできる時間がちょっと長いらしい)
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チェキ券を購入したら、各メンバーごとの列に並びます。といっても列の最後尾をスタッフが案内しているわけではなく、最後尾にいるお客さんがプラカードを持つというシステムです。次の人にどんどんバトンタッチしていくんですね。
なるほどこれなら人件費を削減できますよね。(初参加の時はシステムがよくわからず戸惑いましたが)
で、自分の番が来たらチケットもぎりをやっているスタッフさんにチケットを渡すと「ソロかツーショットか」を尋ねられます。(口頭で尋ねられることもあれば、指の数で尋ねられることもあります)
ソロはメンバー単体でポーズを指定して撮るもので、ツーショットでは一緒にポーズを取って撮ってもらえます。ツーショの時はこちらが先行してポーズを取ると合わせてくれますし、ためらっていると向こうから「じゃあこのポーズねー!」と誘導してくれます。
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チェキ撮影後は、サインありの場合はメンバーがマジックでチェキにお客さんの名前・日付・サイン・一言を書いてくれます。
その間60秒ほどおしゃべりが出来るわけで、ファンのメインの目的はココにあるわけですね。
僕はまだ気になったアイドルさん5人と1回ずつチェキを撮っただけなので、はじめましての60秒しか経験したことがありません。回を重ねることでどう会話が進化していくかは未知数なのですが、はじめましての場合はメンバーさんがあれこれと質問をしてくれます。
その中でほぼ共通しているのは、みんな友だちのようにタメ口でフランクに話しかけてくれるということ。ファンからしたら、かわいくて愛嬌たっぷりの女の子がそんな風に接してくれるんだから、ハマってしまう人が続出するのも納得です。
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そして、特典会(だいたい60分)の最後には、メンバー揃って挨拶をします。それをファンの方々が盛大に拍手をして終了となります。
ファンの方々が散って帰っていくのを最後まで目線で見送ってくれるメンバーなどもいて、「さすがだなぁ」と感心したりすることも。
③人気ライブアイドル・おすすめグループ
▼人気ライブアイドル
さて、お次は「具体的にどのグループが人気なの?」というのを紹介していきます。
あくまでライブアイドル界隈をかじり始めた僕が一部を抜粋して紹介するだけなので、漏れがあったり至らぬ部分は多いはずですが大目に見てください。(人気順で選んだわけじゃなくて、あくまで有名どころの紹介です)
もうね、グループがいすぎて抜粋するのすら難しいです。「人気のパンクロックバンドは?」とかの方が1000倍楽です。
でもまぁ、抜粋で挙げたグループが人気であることは間違ってないと思うので、とりあえずそのグループのMVなどを観てみてください。
▼おすすめグループ
そして、僕が個人的に自信をもって推せるグループをいくつか紹介します。(基本的な僕の好みは、楽曲が良いのとパフォーマンスが良いのを兼ね備えているグループです)
①C;ONは、楽器奏者と実力派ボーカルによる編成という変わったスタイルのグループです。
楽曲はシックでR&Bとかファンクとかの要素をポップに落とし込んだような感じで、フィロソフィーのダンスと系統が似ていると思います。
特筆したいのは、グループのツインボーカルのうちの一人、絹井愛佳さん。抜群の歌唱力に加えダンスのキレもピカイチで、ルックスも大人びた華やかさも備えています。
何よりそれらの要素を持ちながらまだ17歳である(2024.2.19時点)というのが最強の武器です。
もうひとりのボーカルも非常に歌唱力が高いですし、グループとしてのダンスも良い感じです。(生演奏を聴いたことがないので楽器組のポテンシャルは未知数なのですが)
3月にメジャーデビューも控えており、今後はキャッチーなキラーチューンが一曲できればバーンと行くんじゃないかと思っています。
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②タイトル未定は、北海道が活動拠点のローカルアイドルです。
前述のアイドル楽曲大賞の界隈では有名な存在で、僕もそれをきっかけにグループのことを知りました。
ただ、曲の路線が僕の好みとは違ったのでそんなに注目していなかったのですが、たまたまライブを観たときに思わず見惚れてしまったのが彼女たちなんです。
その中でも特に冨樫優花さんのパフォーマンスがひと際目を引いて、ダイナミックさと繊細さを兼ね備えたダンスに感情が伝わる歌唱力とものすごく高い表現力でした。(後でミュージカル出身ということを知り合点がいきました)
この感動を本人に伝えねばと、人生初めての特典会に参加してチェキを撮ったくらいです。
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③RAYは、楽曲がロック調なのですが、その中でもシューゲイザーやオルタナというジャンルに特化しているのが特徴的なグループです。
楽曲の音楽性が非常に高く、個人的にはアイドルの中では一番楽曲的にハマっています。
だからこそライブを観るのが怖かった(パフォーマンスが伴っていなかったらどうしようという不安)のですが、見事にその不安をかき消してくれる舞台を披露してくれました。
全体としてレベルが高いなと感じたので、もっと評価されても良いグループじゃないかなと思います。
他にもNEO JAPONISM、INUWASI、九州女子翼、かすみ草とステラあたりもパフォーマンス力が高くて僕は好きだったりします。
おわりに
vol.2はサクッとと思ったらまたそれなりのボリュームになってしまいました。
これだけ書いたものの、僕がアイドルを掘り出したのなんてまだ3ヶ月くらいなので、全然上澄みしか知らない程度だと思います。
それだけライブアイドル界隈は面白い!ということです。
なかなか足を踏み入れる機会のない界隈かもしれませんが、ぜひ一度足を運んでみてください。
きっと新しい世界が開けると思います。(僕自身もまだまだ開いていない扉がたくさんあることでしょう)
以上、最後までお読みいただきどうもありがとうございました!
(おわり)