甲賀三大仏「櫟野寺」比叡山と三十三間堂!坂上田村麻呂!破損仏「阿弥陀寺」神護寺・薬師如来立像風味!【甲賀シリーズ】
2016年に東京国立博物館で行われた「擽野寺展」に4カ月で21万人が集めた仏像寺!この甲賀は忍者だけではなく神社仏閣の地でもある!その代表作はココだ!甲賀三大仏の1つで、比叡山延暦寺建立のための木材供給地だったようです。なるほど!金が集まり、良い仏像の予算ができる!ということですかね。また櫟野寺から200~300mほど東に「阿弥陀寺」があり、この寺にも平安前期に造られた本尊・阿弥陀如来坐像が安置されている。(※要事前予約)
変更履歴
2022/05/22 初版
▼HP
▽櫟野寺(いちいの観音様)
▽阿弥陀寺
なし
▼アクセス
▽櫟野寺 :滋賀県甲賀市甲賀町櫟野1359
▽阿弥陀寺:滋賀県甲賀市甲賀町櫟野1173
▼本尊
※後述「▼見どころ」参照
▼見どころ
▽櫟野寺(らくやじ。いちいの観音様)
2016年6月1日から2018年10月まで拝観を休止していた「いっくさん」。その間、東京国立博物館へ出開帳し特別展で21万人集めた。この数はあの京都有名寺「仁和寺展」と同じ来館者数。ということで、修復終了し、33年に一度の御開帳!!参拝しました!!
2018年は2回目の見仏ですね。今回は東京国立博物館の展示説明を譲り受けたようで、宝物館が美術館風味になっていた!!大報恩寺もそうなればよいなと思いつつ。
→本堂:秘仏「十一面観音坐像@重文」
数年前から春と秋に秘仏公開しています!!秘仏「十一面観音坐像@重文」は平安末期の一木造り。丈六の十一面観音坐像は珍しく、京都・三十三間堂など作例が限られている認識。小さい坐像や立像は多いのだが、これだけの大きな仏像があるかというと、ここ周辺が用材の宝庫だったかららしい。
さて、本尊と2年ぶりの再会です。私にはやさしく微笑んでいる仏像に見える。相変わらず独特の作風で、定朝・慶派・円派・院派とは違う作風に見える。ちょっと達身寺(私のNOTE)につながりを感じる仏像でもある。
↑本堂:脇侍は左「地蔵菩薩坐像@重文」と右・甲賀三大仏「薬師如来坐像@重文」
落ち着いた仏像だが、平安時代作でありながら保存状態の良さに驚かされつつ、この地域仏師のレベルの高さを感じた。本尊十一面観音は近江系の仏像を感じ、薬師と地蔵は京・奈良風味で有名仏師作だろうと思わせる代物である。公式HP(仏像の写真あり)より櫟野寺末寺の油日岳奥の院・詮住寺の本尊のよう。
→本堂:弥勒如来坐像
2018年は東京国立博物館など寄贈している仏像が帰郷しており、すべてが揃うのは80年ぶり!!注目は「弥勒如来坐像」で、降魔印を久しぶりに見た。顔は京都・清凉寺の「清凉寺式釈迦如来立像@国宝」に似ており、宋風の作例となっている。このことから元々は違う寺の本尊だったと推測されている。その寺は大鳥神社の神宮寺であった「河合寺」を指す!!
→本堂:平安時代の十一面観音破損仏@重文×3、聖観音立像@重文×7、木造吉祥天立像@重文×3、木造地蔵菩薩立像@重文×2
残念ながら破損している平安時代「聖観音立像@重文」と「十一面観音立像@重文」が安置されている。それぞれ保存状態は悪く、唐招提寺や達身寺と同様に腕の部分は喪失している。それでも重文なのは顔だ!!鼻がシュッとしており、口元ぷっくりしている。これを『甲賀式様式』という説明があった。最近のトーハクの”仏像流行らせ作戦”が凄いな(笑)。
最後に、兵庫・丹波&丹波篠山地域の達身寺に工房があったように、この地域にも工房があったと思われる。
→本堂:弥勒菩薩坐像
ちなみに一番のお気に入りは県重文ですが「弥勒菩薩座像」。久しぶりに仏像はがき@150円を買ってしまうほど良い感じで、はじめは清凉寺式釈迦如来で座像!?と思ったぐらい驚かされた。
→本堂:「田村毘沙門天」と「薬師如来坐像@重文」
この田村毘沙門天(公式HP(仏像の写真あり))は体型がズングリムックリで斜めを向いている、面白い仏像なのだが、坂上田村麻呂作という噂が。。この薬師の目線は上向きで目が合う場所はない。。どういう想定で安置するつもりだったのだろうか・・。
→境内
最後に、写真の通り土俵が寺内にあるが、基本、相撲は神社にあるんですがね。昔は神仏習合の場所だったのでしょうか?破損した仏像は廃仏毀釈の名残??
やはり、神社があったようですね。その名は「若一王子祇園社」なので、スサノオ。今は白鳥神社に合祀された。
→2018年参拝記録
最後に、今回は境内に店が多く出されていた。ひとまず、名物「新サンマ寿司@1000円」と「マッタケおにぎり@500円」GET!!その後は歩いてすぐある事前予約必須の「阿弥陀寺」で「阿弥陀如来@重文」を見仏。
▽阿弥陀寺
事前予約必須!!櫟野寺近くにあります。重文「阿弥陀如来」の顔は京都の神護寺の薬師如来立像風味で、定印などは定朝様式と時代の移り変わりを感じられる仏像!ちょっと堂内で騒ぐと怒ってきそうな雰囲気です。歴史的には近江最古級の定印の仏像なのだそうな。
そして神護寺風味と答えたが、実際に「薬師如来立像」が安置されている。延暦寺などに大木を供給した地域なので、それなりの仏師を招いて仏像を作ることもできたかと思う。
▼旅行記
▼セットで行くところ
▼仏像展
▽東京国立博物館 特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」
▽2019年 MIHOMUSEUMで「紫香楽宮と甲賀神仏」
MIHOMUSEUM「紫香楽宮と甲賀神仏」に重文の櫟野寺式仏像たちが出展。トーハク大盛況で有名寺になり、存在がある「十一面観音立像@重文」「聖観音立像@重文」「地蔵菩薩立像@重文」が展示されていた。さすが!と同時に元塔頭「阿弥陀寺」から「金剛誕生釈迦仏立像」と「薬師如来立像@重文」も出展。
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