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【京都】五山の送り火!天国or地獄?「引接寺(通称:千本ゑんま堂)」閻魔様と小野篁
この世とあの世を自由に行き来できるという歌人・小野篁所縁の寺。閻魔三尊が安置され、願い出れば開扉していただける。GWの5月1日からは「ゑんま堂狂言 」が行われるので、狂言好きは壬生寺とここをハシゴするとよいかも。ちなみに、個人的な閻魔三尊の第一位は奈良・白毫寺です。
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変更履歴
2022/08/13 文章追加(「2022/08/13」でページ内検索)
2021/08/02 初版
HP
セットで行くところ
北野天満宮、大報恩寺(千本釈迦堂)、大将軍八神社、石像寺
本尊と脇時
▽本尊
閻魔法王。
▽脇時
司命尊(しめいそん)、司録尊(しろくそん)
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司命尊は検事役で、司録尊は書記役。司命尊は死者の生前を閻魔帳に記録する重要な役割を持ち、司録尊はゑんま様の裁判の様子をしっかりと記録する役目。約1週間の公正な裁判によって、死者は天国か地獄行きかが決められる。
そして、その仕事をアルバイトをしていたのが小野篁である。小野篁が現世とあの世を行き来した井戸がある寺が「六道珍皇寺」である。
みどころ
死んでしまった人間を、あの世のどこへ送るかを決める裁判長の役目をする「ゑんま」は、人間を三悪道には行かせたくない為に、怒りの表情で、地獄の恐ろしさを語り、嘘つきは舌を抜くと説いて下さる。
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↓-----2022/08/13追加
人間を三悪道には行かせたくない
閻魔様の顔は、どこか怖さと優しさを持つ。これは、閻魔様は地獄に送りたいわけではなく、天国に送りたいそうな。実は地獄に送ると自らも痛みを伴う行動をするそうな。という表情である。
「五山の送り火」は、お盆に先祖をお迎えし、送り出しをする京都の伝統である。この寺に来て、無事にあの世へ帰られるように願う人もいるようだ。
境内には石仏「舟形地蔵」が安置されているのだが、これも船に乗って無事に戻れるようにという意味があるようだ。鐘楼は、突く日により意味が違うようで、この世にお迎えし、あの世に送ることを意味する。
↑-----2022/08/13追加
ちなみに送られた先で助けてくれるのが変化六観音(造語)で、
・地獄道は聖観音
・餓鬼道は千手観音
・畜生道は馬頭観音
・修羅道は十一面観音
・人道は、真言宗は准胝観音で天台宗は不空羂索観音
・天道は如意輪観音
となっている。
変化六観音をコンプリートしたのが「千本釈迦堂」で、運慶三男坊次男坊とされる肥後定慶の美仏である。