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京都の「一見さんお断り」の真実
京都の「一見さんお断り」の真実
この誤解も多いようなので、解いておきたい。
京都の「一見(いちげん)さんお断り」は「京都だから、プライドが高く、敷居を高くしている」ってか、とんでもない誤解である。
・写真(お茶屋での遊び)
祇園や花街では、昔から、お客さんには、お金のことは気にせず、存分に踊りを見ながら、飲み食いして遊んでほしい。という、おもてなしの心から生まれたことで、お代のことを気にせず遊んでもらうには、当然、お互いの信頼関係がなければ成立しない。
ゆえに、信頼関係があるお得意様からの紹介がなければ、遊べないシステムになっているのだ。
お茶屋での踊り鑑賞代や飲食代、舞妓や芸子とのお遊び代、帰りのタクシー代まで、とにかく経費の一切を、そのお茶屋がまず立て替えて、後日、請求されることになっている。
決して、その日に請求するようなヤボなことはせず、一昔前までは、半年ぐらいたってやっと、請求するぐらい、徹底していたのである。
・写真(1804年~ある老舗の「富見代=とみしろ」。ここは、「女将は結婚せず、養女をもうけて店を継がせよ!という絶対家訓がある。舞妓は地方の子の方が多いから、言葉がちょっとな~)
おわかりかな?
店の都合で、偉そうにしているのではないのだ。
最近はちょいと不景気であまり間をあけると危ないので、月締めの請求が多くなっている。
好景気の時は1回平均100万ぐらいと言われていたが、最近では、そうも言ってられないので、かなり格安で遊べるようだ。
旅行会社のオプションプランもあるので、利用しやすい。
また、舞妓の写真のお店など、一見さんでもokの店も出てきた。
高いようだが、決してボっているわけではない。
店は「その金額にふさわしい、踊りや食事を心を込めて提供している」と自負があり、客も、これなら「そのくらいは払っても惜しくない」という、暗黙の料金が設定される。
そこらの、ボッタくりバーのような、また、格式だけで、中身がないのに高額請求するようなことは絶対にない。
客も絶対に値切るような、無粋なことはしない。
余談:本来信頼関係というのは、そういうものだ。「取れそうだからといって、上乗せして請求する」ようなゲスなこと絶対にしない!
「適正な利益」を乗せて、「適正価格」で取引する。お互いに長く取引する気があれば、自然にそうなる。だから、値引きも申し出ないし、値引きもしない。これが、信頼関係だ!