出来るプロはやりたいことよりも、やるべきことをやる
週末に村上春樹の「ノルウェイの森」を読んでいたら、ある登場人物が自分の行動規範として紳士であることと言い、紳士とは「やりたいことよりも、やるべきことをやる」と述べていました。その登場人物が良い人物かどうかはさておいて、この行動指針は仕事で結果を出す人に共通するものだと感じました。
「プロジェクトメンバーに相性は考慮しません」(ある学校の先生の言葉)
そして、私はある先生の言葉を思い出しました。高校の保護者会で先生が生徒5名程で行うプロジェクトについて説明していた時の言葉を思い出しました。
高校1年の時だったと思いますが、こんなことを仰っていました。
「プロジェクトは5名前後のメンバーで行いますが、メンバーについてはお互いの相性は考慮しません。」
「本校ではお互いの相性や違いは協力しないことの理由にはなりません。」
「共通の目標に向かって、例え自分とは異なる個性のメンバーとも違いを超えて、協力して目標を達成することが紳士だと考えます。」
生徒達は自分と気の合う人とだけ組んでプロジェクトをやりたいと自然と考えるでしょうが、将来働くようになって仕事で成果を上げ、社会に貢献する人間になる為に必要な訓練ですから、上記のようにビシッと先生が仰っていたのでしょう。
やるべきことをやる
「やりたいことよりも、やるべきこと」というと少し極端かも知れませんが、成果を上げる人の特徴を上手に言い表しているように思います。
私も含めて、人は誰しも、やりたいことをやりたいです。ま、当たり前ですがw
しかし、その自然な感情をコントロールして、目的を達成する為にやるべきことをやることが結果(=目的の達成)を出すことに必要です。
私が知る優秀なプロの人々や成功している経営者などの多くは「やるべきことをやる」タイプの人々です。常に「目的は何か?」と意識して「その為にやるべきことは何か?」と考えて実行しています。起業してIPOを実現した友人もそれが板についています。
仕事の仲間
仕事仲間、職場の人々を思い浮かべてみて下さい。きっと色々な人々がいますよね。気の合う人もいれば、何となく苦手な人もいるでしょう。しかし、仕事の目的は何でしょうか?
それぞれの職場で目的があるでしょう。それを実現することが会社や職場に集まった者がやるべきことです。気が合うことにこしたことはないですが、人はそれぞれ違い、ゆがみ、欠点などが、強みや長所とともに混在しています。表面的な相性の違いもあるでしょう。
ですが、違いが見えてイラっとしても、その気持ちを追いかけないことが大切です。「あ、違うんだな」以上です。追いかけません。
そして、共通の目的に向けて協力して自分がやるべきことをやるのです。
そのようなチームは合理的で、当然結果を出しますよね。
自分だけの能力よりも大きな目的を達成する
同じ目的、同じビジョンに共感して集結する異なるタイプの仲間が一致団結すればどれだけの力を発揮するでしょうか。
目的が違うなら、それは仕方ありません。組めません。しかし、共通の目的を為したいという人々が連帯して、それぞれの強みを発揮してやるべきことをやれば、個人が一人一人だけで成し遂げることよりも遥かに大きなことを実現できるでしょう。
しかも、そんな大きな目的を実現する為に行動していく過程で、それぞれの個人に自信が生まれていくのだと思います。
(2024年6月3日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
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