全日本新人王　人生上がったり下がったり

本日は沖縄にて、プロボクシング全日本新人王、西部日本ボクシングジムvs中日本ボクシングジム代表対抗戦の日であった。

YANAGIHARAジムからは、西部日本チャンピオンとして、ライトフライ級、フライ級と二階級続けての出場。

結果を下記に記す。

アマチュアからプロ入りした、濱村悠太郎は打ち合いの末、判定負け。

ジュニア時代、アンダー15で日本一を獲り損ねた、楢崎錬は1ラウンドに倒したものの、判定勝ち。

いきなりだが、話は変わる。
私は多くの人から、しょっちゅう聞かれる事が２つある。

１つ目は「今まで怖いと思った事、ありますか？」。
２つ目は「今まで緊張した事、ありますか？」。

２つの答えは「小学生以来、ほぼ記憶にない」。

しかし、である。
実は今朝、何と緊張したのである！

前夜から沖縄で滞在したホテルに今朝、大型バスが着き、本日出場するジムの会長、選手数十人、当然私も乗せた。

バスは緊張する私を、無慈悲にも石川多目的ホールへと連行する。

まるで護送車の様であった

ジェットコースターに乗るとピースをして笑い、バンジージャンプではVサイン、お化け屋敷では、お化け役を逆に脅す。

地震がきても眉ひとつ動かさず、ジムに道場破りが来た時も、道場破りを破る。

私の性格はこの様な性格である。

しかし今朝だけは、緊張もさる事ながら、畏怖を感じた。
要するに怖いのである。

理由は１つ。
選手が負ける！という予感。

私はバスに乗り、恐怖を感じた。

そう言えば「チャクラが７個開いてます」と、言われた事を思い出し、ネガティヴな事は口に出さず、静かにバスで眠った。

因みに昨夜、協会の会長達に、飲み会に誘われたが「哲学を勉強します」などと言い、夜20時過ぎには眠った。

朝は7時起床。
と言う事は、11時間寝てるのに更にバスで眠った私の行為は、緊急避難だと思う。

本日の試合は1人が勝ち、1人が負けた。

儒教を勉強し出して、勝負はリングに上がる時に決まってる、と言う事を知った事は、過去の記事で書いた。

https://note.com/yanagihara_gym/n/n614b01e4cd03

それまでの準備や心構え。如何に泰然とし、物事を捉えてるか、なんて事を考える上、実は自分の選手の勝ち負けも、昔から殆ど外した事がない私。

試合が終わり、護送車ではない立派なバスで、那覇空港迄送って頂いた。

レストランで試合の結果を振り返っていると、我が社の優秀な社長秘書兼、ジムマネージャー中野貴哉の時間ミスにより、何と帰りの飛行機に乗り遅れる、という泣きたくなる事態が起きた。

beachの冷徹な女性社員との交渉に負け、帰りの飛行機代を返してもらえず、泣きながら3人分の59,000円を新たに支払い、JALに乗り、大人しくこの文章を書いている私は、誰も誉めてくれないので自分で言うが、絶対に偉いと思う。

人は間違いを起こし、ミスをし、勉強や仕事をし、遊んだり笑ったりして生きていく。

勝ち負けも然り。

歳を取れば取るほど、物事をかなり先まで読める様にはなる。

私は北九州の開発とボクシング。
この２つを当面まだ続けていく。

今日勝った子、負けた子もまだ若い。
負けて得る事はあまり多くない、勝った時こそ得ろ、と昔から選手に教えて来た。

全国ネットのテレビで平気で喋り倒し、緊張一つしない私が、今日、緊張した。

理由は最近、家とジムの往来ばかりで、人間が横着になったからかもしれない。
物事が遅いけれど、滞りなく進んでいる事への警告かもしれない。

敬愛する安岡正篤先生は、浅い事を深く見ろ、愚かな者は深い事を浅く見る、と説く。

今日勝った者も負けた者も、JALで大金払わせた社員も同じYANAGIHARAジムの家族。

分からない事があれば、いつでも聞いてこい。

聞いてこない者には此方から何も言わない。

世の中は下がるから上がる。
上がったり下がったり、まるで飛行機の様に。

さて。
そろそろ福岡空港に着陸する。

この飛行機代は、社員の給料から引くべきであろうか。
人生、考える事は尽きぬ。