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大学時代に気がついた苦手なこと。役に立たないと思った経験が25年後に。

私の苦手なことを書きます。さらに、苦手だったその体験が私の人生に役立つことなどないと思っていたのに、25年後、社会福祉士として関わる中で意味を持った話、そして社会福祉士の醍醐味について書きます。


社会福祉士の可能性を探求し、社会福祉士自身が元気であることを望み、世の人々の心が軽くなり、そして私の収入もアップすることを考え続けて23年、フリーの社会福祉士(2001年開業)柳田明子です。


昨日と一昨日は「当時も今も変わらない私」の得意なことを書きました。


今日は「苦手なこと」についてお話しします。

私は立体的にモノを認識することがとても苦手です。
平面→立体 も 立体→平面 も  立体→立体も です。

2次元⇔3次元の変換をしようとすると、脳内がてんやんわんやになります。

だから、
地図を読む(地図という平面を現実世界として立体的に見る)
裁縫(布という平面を立体に仕立てる)
運転(車という立体を、立体である空間で、見えない部分も想像して操る)→50代にして免許返納しました
・・・などは超絶へたくそです。

さて。

そんな私の苦手に気が付いたのは大学のサークル活動でした。

私が入ったサークルは「考古学」。

私、埴輪とか古墳とか、発掘とか、大好きなんです♪

ロマンありますよね。

そんな気持ちで加入した考古学のサークル、だけどそれは私の思っていたのとは違いました。

そのサークルの主な活動は、

古墳の測量

だったんです。

大学周辺にある未調査の古墳を、測量器具を手に歩き回って地道に測り、図面に落としていく。

踏査中に拾った土器片なども実測して図面にする。

・・・私の思っていたのよりかなり地味。

ま、いいかと思っていたのですが、やればやるほど私には向いてないということが分かりました。

私、センスがないです。

測量も実測も。

算数で例えると、足し算も引き算もできないレベル。足手まとい。他の部員の実測図はまるで写真のようでほれぼれするのに、私のは見るに堪えない幼稚なもの。

どんなに頑張ってもできないことがあると実感しました。
(※今ならIT技術で3D実測も簡単かも知れませんが、当時はようやくワープロが登場したくらいの時代です)

私が古墳や埴輪が好きなのは、そういう「物体」としての関わりではなくて、
・この土器はどう使われたんだろう…
・この埴輪を作った人はどういう気持ちだったんだろう…
・この古墳を人々はどんな思いで作ったんだろう…
・どうやってコミュニケーションをとっていたんだろう…
・当時の言語はどんなふうだったんだろう…

といった暮らしぶりに興味がそそられるから。

求めるものと活動内容が違いましたね。

そう気づきながらもなんやかんやで4年間(サークルの雰囲気は居心地が良かったので)在籍し、私は古墳の測量にいそしんだのでした(たまに発掘もしました。発掘は好きですが、出土したモノの実測はイヤでした💧接合はまぁまぁ好き😊)

4年かかっても私の測量技術は上達せず、拾った土器片を見てそれが須恵器か土師器かの区別はつくスキルは身につけましたが、他の(全員ではないですが一部の)部員のように埋蔵文化財研究の仕事につくこともないだろうし、古墳の測量の経験は今後の私の人生に何の役にも立たないだろうと思っていました。

そして25年が経過したある日。

私はフリーの社会福祉士としてあるグループに関わっていました。

そこには1人の「厄介な」高齢の男性がいました。「厄介な」というのは他のメンバーが彼をそう称するのですが、何といいましょうか、かなりマイペースで、周囲の空気になじまず、他のメンバーたちは彼を敬遠し、彼に話しかけられても困惑してその場を離れるような、そんな存在でした。

一定期間、彼らはある目的のために、定期的に集まることが決まっています。

私は社会福祉士という職務と立場上、もちろんその男性と積極的に関わろうとしました。

だけど、なかなか会話のキャッチボールができません。ラリーが続かないんです。

そんなかみ合わないやりとりの中で、その男性がかつて「測量」の仕事に就いていたことが分かりました。

測量

私、分かる!

私はその男性に「測量って大変ですよね〰。レベルを覗いて水平な地点を探したり、ハコを持って移動する時も目安をつけたり…」とかつての古墳測量の経験を元に話を向けると、その男性は、

「あんた、よう知っとるな」

と思いがけず花咲く測量談義。

それ以来、その男性は私のことを受け入れてくださり、グループもなんとかまとまっていったのでした。

まさかあの古墳の測量体験がこんな形で役立つ日がこようとは!

人生にムダはないと感じたことでした。

さて。

私は3次元が本当に苦手です。製図とか実測とか見取り図とか、そういうのはまったくダメです。

もし私が何かの間違いで設計事務所のようなところで働くことになったら(採用されないでしょうけど、仮に、です)、私は役立たずの烙印を押され、なんでこれができないんだと叱られ、すっかり自信を喪失していたことでしょう。

幸いにも私は今、自分の得意な世界に身をおくことができています。

ありがたいです。

私が社会福祉士の仕事が性に合っていると思うのは、

医療のように「治す」ことが目的ではなく、
司法のように「白黒つける」ことが着地点ではなく、
教育のように「教え導く」ことが役目ではなく、

絡み合った糸をほぐすように整理し、いろんなことを調整しながら、折り合いをつけていくところ

醍醐味で、

その営みは複雑で予測不能な有機体で目にみえず、だから(私の苦手な)実測や計測はできなくて、(むしろ私の得意な)調整や情報収集などが力になる

というところです。

さらには、今、私はそれをフリーというスタイルで仕事ができているというのはありがたいことで、これまでの流れに感謝です。

今日は、私の苦手なことと、人生にムダはないということと、私には社会福祉士という仕事が合っているということと、フリーという仕事スタイルに感謝しているということを書きました。



社会福祉士が独立を考える時のワンポイント5選
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本日は以上です。

今日も気持ちの良い一日を!

柳田明子社会福祉士事務所
〜聴く・伝える・ともに考える〜
(2001年開業)

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