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俳優・渡辺翔太さんを泣かせたい〜『ウソ婚』『先生さようなら』『青島くんはいじわる』3作品から考える俳優像〜

お誕生日が近いというのを目にして、まとめようと思っていた渡辺さんのお芝居について書き記すことを決めました。

彼は泣き芝居になると色気と同時に幼さが垣間見えるような気がしていて、このタイトルになりました。そして、切なさ儚さを纏ったお芝居にあまりにも魅力を感じたのが『ウソ婚』で、この作品をきっかけに私は渡辺さんを役者さんとして好きになりました。

そのため、ここでは『ウソ婚』『先生さようなら』『青島くんはいじわる』の3作品に触れています。3作品全てのネタバレがありますので、ご留意の上読み進めて頂ければ幸いです。


『ウソ婚』で魅せた、揺れ動く進藤の心

原作を読んでいた私は、進藤という人間がドラマでこのような描かれ方をしたことに驚きました。渡辺さんが演じる進藤という男性は、主人公・匠(as 菊池風磨さん)に対して恋愛感情を持っています。

彼は決して匠に気持ちを伝えることはしません。そして、回想であっても直接的に恋愛感情を吐露するセリフはありません。だからこそ、セリフ以外の表現で進藤が持つ匠への想いを表現し切らなくてはならない。それをやり抜いた渡辺さんは相当にすごいと思います。

匠といる時は常におちゃらけて、仲の良い"友達感"があるのに、回想では弱さや儚さ、気持ちのやり場がない彼の感情を見せる。

何より進藤は泣くキャラクターではなく、常に飄々とした強さのある人間です。ですが、それは進藤が匠の幸せを願ったが故の"ウソ"でもあるわけです。ふとした瞬間に視聴者しか知り得ない場面で見せる儚さや切なさの表現がお上手だなあと思ったのが『ウソ婚』の進藤くんでした。

※めちゃくちゃ余談

https://x.com/usokon_ktv/status/1691404458520113152?s=46&t=PWWyV5W8LMIIRjeOhal8Rg

SNSに投稿されたこの写真を見て本当に胸がギュッとなりました。のちに菊池風磨さんと渡辺翔太さんがプライベートでも仲の良い友人であるということを知って納得しましたが、劇中の匠と進藤の想いとか関係性とかを踏まえるとあまりにも多幸感が溢れすぎていて…。というかプライベートで仲の良い友人同士だからこそ、逆にやりづらい部分もありそうだなあとか思いましたが。


『先生さようなら』 あなたと会えたから

この作品は、担任であった由美子に恋をした男子高校生・田邑拓郎、そんな彼が教師になって女子生徒(弥生)に恋をされた...切ないラブストーリー。そして渡辺さんは主演として高校時代・教師時代の2パートを演じられています。

由美子を亡くした拓郎はずっと泣けなかったけれど、弥生という一人の女子生徒のお陰で「泣けた」という描写。田邑自身が破った由美子先生との思い出が詰まったスケッチブックを、綺麗に直して持ってきてくれた弥生との場面。泣きながら想いを話す彼は、先生ではあるものの、弱みを見せる。それは弥生が特別であることの証。先生としてではなく人間としての田邑が見える瞬間。これがすごいと思いました。

そして最終話、幻のように現れた由美子(恐らくこれは田邑が自分で投影した)との対話のシーンです。最後に泣きながら由美子に縋る拓郎は、先生でもなく自立した大人でもない「幼い生徒の面影」が見えます。それは恐らく泣き方の表現の違い。静かに涙を流すのではなくて、嗚咽を漏らしながら泣く。そして漏れ出る声のトーンが高い。これは渡辺さん本人の声のトーンが高めというのもあるのだろうけれど、どこか幼さを感じました。行かないで側にいて、ずっと一緒がいい、愛してる。由美子の前だからこそ見える幼さは、どこか高校時代の拓郎が重なり合う。このシーンを見た時、1人で学生パートと教師パートを演じるということの意義を噛み締めました。

『青島くんはいじわる』青島は何のために動く?

青島くんは恋愛興味ゼロな人間...だけれど雪乃さんという女性に出逢って「恋とは何なのか」を知っていく物語。

彼は基本的に偽装彼氏になってから自分に得のある行動を選ぶことしかしていません。雪乃さんって変わってる、面白いかも、興味あるかも。ですが、青島くんには「これは恋ではないですか?」というセリフがありました。今の時代にこんなベタなラブコメが!?と思いましたが、実はかなり大切だなと。恋だと理解した瞬間から青島くんの行動基準が変わるからです。

青島くんのこの感覚をフラットに演じられていたのは素敵でした。雪乃さんって面白い!という感覚や意地悪して揶揄う素振りは幼さを、ちゃんと雪乃さんを大切に見ている瞬間には大人の余裕を感じられる、その切り替えがあるからこそ「王道ラブコメ」を楽しめたのかなと思います。

俳優・渡辺翔太さんを泣かせたい

最後にこの3作品をまとめて私が考えたことは、渡辺さんは『幼さと大人の余裕の2面やハイブリッド』を魅せる表現がお上手だということ。進藤も田邑も青島も、全てがその範疇ある役柄だと思います。 そして、涙を流したり儚さのある表現では、その幼さと大人の余裕感(色気)の2つが内混ぜになった感覚があり、そこに惹きつけられる何かがあると思っています。そして、これだけの恋愛ドラマを背負ってきた渡辺さんは『本当に愛おしい人を見る目・視線』のお芝居がすごく魅力的になっていっているように思います。特に感じたのは『先生さようなら』以降なのですが「あなたが大好きなんだ、大切なんだ」と本当に愛おしさが溢れている優しい視線を相手に送るんですよね。これが本当に素晴らしいな、と思います。それが存分に生かされていたのは『青島くんはいじわる』で、雪乃さんが面白い人から好きな人に変わっていく瞬間、どんどん雪乃さんへの視線の向け方が変わっていって…その表現がすごかったです。

ここまで長々と書きましたが、私は「叶わぬ恋の役柄やりませんか?」と心で叫んでいます。(ヒロインの幼馴染で好きな人がいるの知ってるのに勢いで告白しちゃう、みたいなTBS火10の当て馬ポジション...それか進藤くんみたいな役が見たいですね)

SnowManの中では本当にラブストーリー・少女漫画な役柄がずば抜けて多いように思いますが、ぜひ他のジャンルの作品でも見てみたい!これからも色々な作品で活躍を拝見できたらと思います。最後に...お誕生日おめでとうございました!

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