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スマホを忘れて街まで出かけたら。
うっかりさん、ここに極まれり。
本日は祝日。天皇の誕生日を盛大に祝うために妻と一泊の温泉旅行へ。
妻は現在妊娠8ヶ月に突入し、5月には待望の第一子が生まれる予定だ。
二人きりで行ける最後の旅行をしようと年始くらいから話をしていたのだが、要領が悪いせいで仕事に追われまくってしまい、この時期までずれ込んでしまった。
そんな昨日の予定は、仕事を1時間早く切り上げて、帰宅。
妻と合流し、旅館へ向かって出発。
18時からは貸切温泉でまったり、というプラン。だった。
こういうときに限って、急なものが飛び込んでくる。
16時。帰り支度を整え、「そろそろ帰ますー」とワクワクソワソワを職場に振り撒いていたタイミングで電話がかかってきた。
その後の報告を含めると結局30分かかった。帰ながら飲もうと思っていたコーヒーは一口も飲まれぬままに生ぬるくなっていた。
やるべきことをやっと済ませて急いで退勤。
すでに遅刻確定なのだが事故をしては元も子もないので、気持ちを落ち着かせながら運転した。Audibleで聴いている小説がシリアスな場面になってきたので一旦ラジオに切り替えた。今こんなの聴いてたら心がもたぬ。
結論から言えば、この行動がミスだった。
帰宅&合流したのち、出発。
オーディオから流れてくるリリー・フランキーのスナックラジオの宣伝を聴きながら、「どこが甘酸っぱいんだよ、この前から『スキャン』の話しかしてねぇじゃんか!」とゲラゲラしつつ目的地へ向けて移動。
中間地に差し掛かり、旅館に連絡をいれとこうかと言う話になった。
必要はなくてもこういう一手間が良い関係をつくるのだ。
スマホを妻に渡そうとすると、ない。
おかしいな、どうしてだ、どこに行った。
脱ぎ捨てたスーツのポケットか、はたまた玄関の棚の上か。
とにもかくにもここではないどこかに行ってしまったスマホ。
妻にそのことを告げると笑い転げながら「そういうとこあるよね」と。
刺さる。
「肝心な時にいつもやらかす男」というレッテルを貼られた気がした。
そのうち初めの五文字も二重線で消されそうな予感しかしない。
そんなこんなでスマホなしのプチ旅行をしてきた。
温泉も、料理も、理想のもてなしをそのまま提供されたように素晴らしかった。仕事などで疲れていた心身にじっくりしっかり、染みわたった。
スマホ依存症の自分が丸一日手持ち無沙汰で過ごせるのか、手とか震えてきたらどうしようと、震える心配に震える状況だったが杞憂に終わった。
妻とのゆったりした時間も、ぼうっと脳を空にする時間も、今の自分に必要な時間だった。
写真を妻のスマホでしか撮れなかったため、記録に残っているのが自分がメインというのは残念極まりないが。
都合の悪いことは起きてほしくないときに起きるし、
焦りは思わぬミスを生む。
しかし、それもまた楽しんでいける。
人生は捉えようによっていかようにもなる。
さ、リフレッシュした脳みそをフル回転させて、うっかりの挽回をするための作戦会議をしようじゃないか。