Fly to the 水平線――道明寺ここあの「未来」を考える
どうもヤンです。
本記事は私が主催している、「RIOT MUSIC アドベントカレンダー2021」への投稿記事となっております!参加はまだまだ受け付けておりますので、ぜひ奮ってご参加ください!
それでは記事の方に入っていきたいと思います!ぜひ最後までご覧ください〜
「Horizon」 -楽曲概要-
2021年10月20日、道明寺ここあさんの3曲目となるオリジナル曲、「Horizon」が発表されました。
「Horizon」は、「道明寺ここあというアーティストを象徴する、いわゆる「聴くアー写」を目指した楽曲」であり、「重厚感のあるストリングスと生音のロックサウンドをまとめたシンフォニックな編成」(PR TIMES記事より引用)となっています。楽曲をプロデュースしたのは、ここあさんが今までにカバーしたことのある「ETERNAL BLAZE」や「Synchrogazer」などといった曲を制作したクリエイター集団Elements Gardenです。まさにここあさんにとって最も相応しい、アニソンロック調の楽曲であると言えるでしょう。
道明寺ここあの「過去」、そして「現在」
しかし、私は「Horizon」に対し強い「ここあさんらしさ」を感じつつも、どことなく「新しさ」も感じておりました。それはなぜかと考えた時に、真っ先に思いついたのが「ここあさんの今までのオリジナル曲とは方向性が異なるのでは?」という点です。
ここあさんにとって初めてのオリジナル曲、「Fall in Sunset」はみきとPさんによるシティポップ調の落ち着いたメロディ、そしてここあさんの「過去」から生まれ変わった「現在」の姿について歌った歌詞が特徴であります。
「Fall in Sunset」の歌詞では、「生まれ変わったその瞬間に」、「さよなら色のりぼん」、「昨日までの自分自身」、「変れるの 変わっていくよ」などと言ったように、「過去の自分」を意識した表現が多用されています。RIOT MUSICに所属する「過去」の自分に対して別れを告げ、そして自分の思うがままに活動できるように生まれ変わった「現在」の自分自身の力でファンに歌声を届けたい、そんな真っ直ぐなここあさんの想いが伝わってくる名曲ですね。
メジャーデビュー曲となった2曲目のオリジナル曲「スターチス」は、ポップなメロディと明るいバンドサウンドが魅力的なアニソン風の曲になっております。こちらは「Fall in Sunset」とは打って変わり、ここあさんにとって「過去」と「現在」で共通して変わらないものについて歌っています。
「スターチス」の歌詞の大きな特徴は「変わらないよ 変えられない」という、「Fall in Sunset」の「変れるの 変わっていくよ」とは真逆の表現とも取れるフレーズでしょう。ではここあさんにとって「変わらないよ 変えられない」ものとは何でしょう。それは、歌うことが「好き」であるという「ひとつ」の想い、そして「君の願い」を叶えるという、「この強い想いを届けたい」という想いでしょう。これは、ここあさんがRIOT MUSICに所属する以前、「過去」の時点から「現在」までずっと変わらず持ち続けている一つの信念であると言えるでしょう。
道明寺ここあの「未来」を描く歌、「Horizon」
さて、ここあさんの2つのオリジナル曲を振り返ったところで、ここからは新曲「Horizon」の歌詞を深掘りしていきましょう。
1番Aメロはここあさんにしては重苦しい感じがあります。また、「水底」や「波」、「tide」(英語で「潮」の意味)といった「水の流れ」を想像させる表現を用いて、「ゆらり揺れるいびつの心」というフレーズを導き、ここあさんの心理が揺れ動いている様を暗示していますね。「Fall in Sunset」や「スターチス」から感じられた強い意志が鳴りを潜めているように感じられます。
1番Bメロでも「誰も私を見てない 星は私を照らさない」と、再びネガティブな表現が登場しますが、「それでもまた君に逢いたいよ」と、前を向くポジティブな表現に切り替わります。そして、「私を映す銀幕」、つまりはライブステージの場において「いまは泣かない 君をこの手で救えるのなら」という強い決意を表明しています。
そして印象的で力強いサビが待っています。「Fly to the 水平線」、「いまからどこへでも」、「ここから旅立とう」、「今はただ進め」と、全力で「未来」を追うようなフレーズが連続していますね。また、「顔に跳ねるしぶきはもう 涙の代わりよ」と、「過去」や「未来」を振り返らないとも受け取れるフレーズも耳に残ろますね。
2番も一見すると、概ね1番と似たような構成のように思われます。しかし、1番はAメロBメロにおいて「現在」の心が揺れ動く姿を描いているのに対し、2番は苦しく半ばトラウマのようにもなっている「過去」を思い出しているのでは、と私は考えました。しかしそれでも、最終的には1番と同様の力強く「未来」を見据えたサビに戻ってくることで、「現在」や「過去」に翻弄されることなく「未来」を目指す一直線なここあさんの想いが伝わってきますね。
しかしそれでも、ここあさんが見据える「未来」においても、「過去」や「現在」と変わらずあり続けることがCメロの最後のフレーズで明かされます。
「今は泣かない 君にもう一度唄えるのなら」
そう、ここあさんにとって、自分ができることは「歌」しかないのです。自分の歌で、誰かを勇気づけること。これがここあさんが常に変わらず持ち続けている想いなのかな、と私は思います。
そして、ラスサビもほとんど今までのサビと同じ歌詞で力強く表現されていますが、たった一つだけ、変化があります。
「水平線の先へ」
私たちは、今いる地点から水平線の先の世界を覗くことはできません。水平線の先の世界を見に行くには、自ら行動して大海を渡っていくしかないのです。自分の力で、自分の歌で、より多くの人々を勇気づけたい。そんなここあさんの静かな決意をこの一フレーズから感じられます。
道明寺ここあの活動テーマ「勇気」
最後に、私がこのnoteを通じて考えたことを述べさせていただきます。
先日、凪原涼菜さん初のオンラインライブ「Okeanos」が発表された「Geek & Music」#0にて、涼菜さんが興味深いことを話されていました(←リンクから直接その場面に飛べます)。
「実は、RIOT MUSIC所属のメンバーはみんなそれぞれテーマをもって活動してます。ここあちゃんの「勇気」ってのはみんなご存知だと思うんですけれども、(以下略)」
私にとっては、「RIOT MUSIC所属のメンバーはみんなそれぞれテーマをもって活動している」こと、そして「ここあさんの活動テーマは「勇気」であること」は全く知らなかったので寝耳に水の気分でした。と同時に、今までのここあさんのオリジナル曲、そして「Horizon」からは共通して「勇気」というエモーションが感じられるな、と改めて見つめ直すきっかけになったお言葉でもあります。
現代の世の中は、色々と生きづらい世の中でもあるかと思われます。それでも、一日一日と向き合い、「未来」に向かって足を進めていくことの重要性を最近つくづく感じるのです。私はここあさんのオリジナル曲を通して、この些細な、されども重要な気づきに出会えたように思います。皆さんもぜひ、道明寺ここあさんの歌を聴いて、明日も勇気をもって元気に活動していきましょうね!!
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