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11/11はベースの日なので
4弦ベースを思わせる11/11はベースの日。ベース大好きな私にとってはとても嬉しい日です。
そこで今回はベタですが、ベースがかっこいいバンドやアーティストについて書き残したいと思います。
1.スピッツ
皆さんご存知のスピッツ、どんなイメージがあるでしょうか。爽やかエモポップ? 平成のノスタルジー? 青春の記憶? お母さんが好きなバンド?
彼らの音楽に出逢ったタイミングに応じてそのイメージは様々かと思います。が、私は敢えてこう申し上げましょう。スピッツは、ベースがとんでもないロックバンドです。
スピッツの音楽を普通に聴くと、透き通るような切ないボーカルや歌詞の世界観、神がかったギターのアルペジオに意識が向きがちです。
しかし、一度でもスピッツのコピーバンドを組んだベーシスト(かつての私もその一人)、ライブを観たことのあるファンであれば、あのバンドの中で一番わけがわからないのはベースだとわかるはずです。
彼らの楽曲はどちらかと言えばスローなテンポや穏やかな曲調が多い一方、ベースラインだけはまるで独立した旋律のようにうねっています。ボーカルのメロディラインに寄り添うようでさっぱり寄り添わず、しかし楽曲を支えるリズム帯としての存在感がある。
例えば、1994年リリースの名曲「空も飛べるはず」をよく聴いてみましょう。
こののんびりした雰囲気の曲にあって、ベースラインはほとんどじっとしていません。サビに至っては、どこ行くの……? と言わんばかりの踊り様。ベースラインだけは空を飛んでるんだよなぁ。
私はこの曲のベースをコピーしたことがあります。「なんでそんなベースラインにしようと思ったの……?」と必死になって練習しました。だけど、覚えてしまえばしっくり馴染んで弾きやすいという不思議。
どの曲でも自由奔放なベースラインを弾くのは田村氏ですが、ライブの様子をご覧になったことがある方は、彼がベースラインよろしく全くじっとしていないあの光景をご存知かと思います。
なんであんなフラフラ飛び回りながらこのベースが弾けるんでしょうねぇ……。
2. Thundercat
ロサンゼルス出身、11/11では表現出来ないほどの多弦ベースを操りながらハイトーンのボーカルを聴かせる超絶技巧のアーティスト。
日本のアニメが大好きで、ライブではドラゴンボールのキャラクターのコスプレを披露したり、渡辺信一郎監督のアニメ『キャロル&チューズデイ』に楽曲提供をしただけでなく自身もアニメに登場したりと、なかなか面白い人です。
Skip’s singing voice will be performed by Thundercat. In the upcoming episode, he will be performing a song called “unrequited Love” by Flying Lotus and Thundercat.#CandT #caroleandtuesday pic.twitter.com/OV3E0TNIXO
— TVアニメ「キャロル&チューズデイ」(公式) (@carole_tuesday) May 15, 2019
2022年にジャンプでインタビューが掲載されたので、そちらから知った方もいらっしゃるかもしれませんね。
IM IN THE NEW @shonenjump FIRST MUSICIAN INTERVIEWED EVER!!! Keep reading! keep buying!!keep reading!! pic.twitter.com/rc0mGowk9n
— ashy daddy (@Thundercat) August 8, 2022
以前私は、Thundercatの兄貴分(と言っていいでしょう)Flying Lotusのアルバム『Yasuke』(こちらも日本が舞台のアニメですね)のリスニングパーティーに参加しました。
その際渡辺信一郎監督が「Flying LotusとThundercatは何かとつけて“次は何をやるんだ”と連絡してきて、自分たちが当然(渡辺信一郎監督作品の)音楽担当をするもんだと思っている節がある」なんてエピソードを話していらっしゃいました。
『キャロル&チューズデイ』も、監督が「テイラー・スイフトみたいな曲作れる?」なんて言って話をかわしていたものの結局参加したそうで、才能と才能が国境や分野を超えて惹かれ合っているんだなーなんて、嬉しく思いました。
さてさて。Thundercatの出世作と呼び声高いアルバム『Drunk』(2017)は、どこを切り取っても彼の超絶技巧が楽しめる名盤です。
R&Bやジャズ、ファンクといったリズム重視の音楽のかっこいいところどり。例えば、「猫になりたいな」という気持ちを歌うこちら。(アルバム音源では、イントロで彼が猫の鳴きまねをしています)
アルバム全体として、何度聴いても「このベース、このボーカル歌いながら演奏してるって本気……?」と思う曲ばかり。頭にたくさんの疑問符を浮かべながら、最高にかっこいい彼の音楽をご堪能ください。
3.Royal Blood
イングランドのロック・デュオ、ベースボーカルとドラムという変わった編成です。
かなりストイックな編成ですが、とにかく音がぎゅっと詰まっていて重ため、だけどダンサブルでもある。私は2021年リリースのアルバム『TYPHOONS』で初めて彼らの音楽に触れ、その骨太な音に惚れ込んでしまいました。
特に印象深いのは、かなり歪んだギターのような音作りをしたベース。それでいて、結構着実にリズムを刻んでいます。存在感はめちゃめちゃあるのに、あくまで“リズム帯”の役割に徹している感じがして、ストイックさを覚えます。
例えば、先述のスピッツの楽曲のベースはメロディラインを食うほどに自由にうねる天才肌の雰囲気がありますが、Royal Bloodはその逆。まるで楽曲のツボを的確に突いていくような、どちらかと言うと職人気質なベースラインです。(それをあの音で演奏するのがまたすごい)
ただTab譜をなぞるだけなら簡単かもしれません。だけど、Royal Bloodのベースはメロディラインと密接に交わっていて、まさにベースボーカルのなせる技。そして音の作り方も相まって存在感がある。それ故、Royal Bloodのベースは唯一無二だな……と思う次第です。
【まとめ】正直言ってキリがない
ベースがかっこいいバンド、取り上げ始めたら本当にキリがありません。
ジョン・フルシアンテが帰ってきたRed Hot Chili Peppers、言わずと知れたレジェンドバンドChic、今聴いてもかっこいいJamiroquai、私の中で“謎の組織が経営するバーで演奏していて欲しいバンド No.1”のKhruangbin、過去も今もこれからも旬であり続けそうなKing Gnu……。
キリがないので今年のベースの日はこの辺りで。あなたの好きなベースがかっこいいアーティストやバンド、どこかしらで教えて頂けると嬉しいです。
そして、普段あまりベースを意識せず音楽を聴いているかたは、ぜひこれを機会に低音強めで音楽を聴いてみてください。新たな世界が開けると思います。
それでは、よいベースの日を〜。
※この記事は、以下を元に作成しました。
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© 2022 Aki Yamukai
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