Eurovision Song Contest 2023 準決勝1の感想
今年も無事開催されているEurovision Song Contest 2023。早速準決勝1(First Semi-Final)が楽しかったので、以前こちらの記事で取り上げたアーティストを中心に感想を走り書きしたいと思います。
オープニングムービー
まさか、チャールズ国王とカミラ王妃が2022年のノルウェー代表Subwoolferと一瞬共演するとは思わなかった……。戴冠式、拝見しました……。
Subwoolferについてはこちら。
アーティスト登場ムービー
本来であれば、2022年の優勝国ウクライナで開催されるはずだった2023年のEurovision。しかし、社会情勢に鑑みて今回は2022年2位のイギリスにて開催されました。
そういった事情もあって、アーティストがライブパフォーマンスを始める際の登場ムービーも、「ウクライナの景色→それに似たイギリスの景色→それに似た出場者の国の景色と出場者」という構成でした。イギリスの配慮とウクライナへの敬意を感じる、よい演出ですね。
例えばこんな感じで。
準決勝1の感想 ※登場順
前々から気になっていたアーティストや、今回ライブを見て気になった楽曲を取り上げました。
(決勝進出が決定したアーティストの文末に✨を付けていますので、ネタバレ注意)
The Busker "Dance"(マルタ共和国)
個人的に、マルタ共和国は行ったことがある国で、CD屋さんが楽しかったので思い入れがある国です。デンマーク代表Reiley "Breaking My Heart"の曲と似てるなと思ったのですが、ライブだとまた印象が変わりますね。
おまけ:マルタ共和国のCD屋さんの思い出はこちら。
Sudden Lights "Aijā"(ラトビア)
誰でも爽やかに撮る登場ムービーで、雪が残る海辺でニッコニコしてるので心穏やかに見ていたら、いきなり服脱いで泳ぎ出したので驚きました。その後も特に顔色悪くなってないしすごい……。生き物として寒さに強い。
そんなインパクトはありつつも、正統派オルタナティブ・ロック・バンドとしてのパフォーマンスに徹していたのは素敵でした。曲調がメロウなシューゲイザー・エモロックと言った感じなので、会場を盛り上げるのは大変だったかと思いますが、私は好きです本当に。
決勝進出出来なかったのは本当に残念……。でも、その分これからの彼らを応援したいと思います。来日して……。
Wild Youth "We Are One"(アイルランド)
まさにアイルランドのお酒好きな若者、といった登場ムービーからこちらもベーシックなロック・バンド……と言うか、もはやポップスターのライブのクライマックスのようなキラキラ衣装と火柱演出にびっくり。そのおかげか、MVで観た時よりも楽曲が明るく感じました。
Remo Forrer "Watergun"(スイス)
歌が……歌が上手い……。MVではどこか純朴な青年と言った雰囲気でしたが、舞台に立つとエンターテイナーとして輝くの本当にすごい。聞き惚れてしまいました。生で聴いたら泣くか浄化されそうな歌声。
ダンスというか振り付けがあるとは思わなかったし、60-80年代みたいな肩パット強めの衣装だったのも意外でした。✨
Pasha Parfeni "O Mie"(モルドバ)
なんとなく2022年の優勝者Kalush Orchestra "Stefania (Стефанія)"を思い出す、存在感のある笛の音や民族衣装(なのかな)モチーフのステージ衣装が目を引きました。
彼自身は2012年大会にも参加しているとか。すごいな……。✨
Noa Kirel "Unicorn"(イスラエル)
サビの高音が印象的なパワフルな楽曲。この場で初見だったとしても、次のサビでは一生に歌えるくらいインパクトがあるフレーズの曲って、こういうコンテストの場では強いと思います。
個人的にはこういう「力強い歌声の女性ボーカル」が大好きなので、こう、グッと来ました……。モノトーンに近い、色数を落としたステージ演出も素敵。✨
Loreen "Tattoo"(スウェーデン)
寝転がって登場する人は歌が上手くて強者オーラがある。私の中でそういう法則があるんですが、彼女もまさにその一人。なんなら音源よりずっと声色にパワーがあって、ライブの方が上手いのでは? なんて思いました。何でその姿勢でその声量が出せるの……?
なんかこの人優勝しそうなオーラがあるんだよなあ……どうしてそう思うんだろう。長い爪もかっこいいです。✨
TuralTuranX "Tell Me More"(アゼルバイジャン)
彼らのことは、楽曲が最初に出た段階ではノーマークだったのですが、Eurovision公式であれこれ見かけるようになってから気になっていました。顔も髪型もそっくりな双子で、ストリートミュージシャンとして活動していたこともあるそうです。
のんびり聞けるフォークソング寄りな音楽、こういうコンテストではインパクトを残して投票してもらうのが重要だと思いますが、「穏やかな楽曲を横並びで演奏する双子」という見た目は結構印象深いですね。
Mia Nicolai & Dion Cooper "Burning Daylight"(オランダ)
オランダも、CD屋さんの思い出があるので思い入れがある国の一つ。この男女デュオのことは、今回のライブを見て気になりました。
Eurovision 2019の優勝者、Duncan Laurenceと彼のパートナーであるJordan Garfieldに引き合わされたデュオだとか。ですが、音楽のパートナーとして相性抜群に、力強く美しい楽曲を披露していましたね。
おまけ:オランダのCD屋さんの思い出はこちら。
Käärijä "Cha Cha Cha"(フィンランド)
登場ムービーで観覧車みたいなサウナに入っていたかと思えば、ステージでもサウナみたいな箱から出て来てまさにフィンランド。キャッチーなサビの"Cha Cha Cha"のくだりは、その後のVote Timeで登場したMC陣の耳にも残っていたみたいですね。何度か、この曲を思わせる振り付けで踊っている姿が見受けられました。
フィンランドは2022年の代表The Rasmus "Jezebel"もサビが特徴的で、今も覚えているくらいなので、そういう楽曲がEurovisionの選考では支持されやすいのかもしれないですね。
決勝進出が決まった時の会場の盛り上がりすごかったですね。鳴り止まない歓声……!✨
おまけ:フィンランドのCD屋さんの思い出はこちら。
準決勝1を振り返って……
視聴者投票があるイベント、かつ各国1曲ずつテンポよく進行するコンテストですから、決勝進出が決まった楽曲は「見た目やメロディーのインパクト」や「アーティスト自身にカリスマ性を感じるもの」、そして「あまり耳馴染みがない新鮮さ」があるもののように感じました。
例えば、決勝進出が決まったクロアチア代表のLet 3 "Mama ŠČ!"。派手な船乗り衣装と悪趣味なまでに派手なメイクのおじさんたち、という独自の世界観をユーロヴィジョンの場でやり切ったのがもうすごい。
そういう意味では、私が好きだと思った Sudden Lights "Aijā"やWild Youth "We Are One"は「聴いたことがあるようなかっこいいロック」だったのかもしれません。
片や、楽曲だけではどちらかと言えば地味かもしれないRemo Forrer "Watergun"は、パフォーマンスの見せ方でユニークな印象付けに成功した印象があります。
でも、正直に言ってどの音楽だって素晴らしいんですよ。ありがとう音楽。存在してくれてありがとう……。
そして、先述したアーティスト登場ムービーで2022年の優勝国ウクライナの景色が映る度に切なくなりますね。本当は美しい国なのに……。
例えば、こんな可愛らしい街並みも。
贅沢かもしれないけど、ウクライナで開催されるEurovision2023が見たかった。早く平和になって欲しいです。
今後のEurovision2023
ひとまず、準決勝1はここまで。今後出場するアーティストの中で特に注目している人たちはこちら。
● Joker Out "Carpe Diem"(スロベニア)
● Teya & Salena "Who The Hell Is Edgar?"(オーストリア)
● Reiley "Breaking My Heart"(デンマーク)
● Lord Of The Lost "Blood & Glitter"(ドイツ)
そして、決勝では2021年のアイスランド代表、Daði & GagnamagniðのフロントマンDaði Freyrがパフォーマンスをするのも楽しみです。
準決勝2はCEST 2023年5月11日 / JST 2023年5月12日ですね。ワクワクするなあ~。引き続き、楽しいお祭りになりますように!
それでは、私はラトビアのSudden Lightsの曲を探す旅に出ます。
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