故郷6
昨日から双子座に火星が入った。
火星は大体1ヶ月半から2ヶ月で1つの星座を移動する。
やる気と行動力の火星は、良くも悪くも行動力を駆り立てる。
前へ前へと進もうとするエネルギーの強い天体だ。
その火星が、自分のプライベートな部分、精神的に内側に篭もりやすかった感情
や、肉体、五感を満たしたい欲求が強い牡牛座からこのたび双子座に移動したのだ。
この火星双子座期は長い。来年2023年3月まで続く。
双子座の特徴としては、基本的な思考として「全体像が見たい」「全体を把握したい」ということが有る。
又、何かを始めようとする時に、きちんと終わらせてから次に進みたいと考える。
双子座は春から夏へと移る時の星座だ。
春を終わらせて夏を迎えようとする星座。
春を終わらせて夏を迎える。
春のなんとも言えない悶々とする霞がかかった雰囲気を終わらせて、回復させようというエネルギーが強まる。それが双子座だ。
#星読みテラス
#かげしたまゆこ
*
「明日までに持ってきなさいって先生が、、」
「無いって言いなさいよ」
「みんなが持ってくるのに、、って言われる、、」
「無いものは無いんだからしょうがないでしょっ!しつこい!」
「なによどうしたの」
「、、、給食費」
「給食費がどうしたの」
「足りないの」
「3人は払ったの?」
「払った」
「いつもどうしてyamoのぶんだけ、、」
「全く無いの?」
「あしたまでにって先生が、、」
「yamoちゃん少し黙っててっ!」
とか
「お母さんだって一生懸命あんた達のために頑張っているのよ!」
とかと、この人の語気が強くなることは珍しかった。
極めて穏やかな人だった。
4人いるうちの後1人分の給食費が払えないと言っている自分の娘にショックを受けていたのだろうか。
ショックだったとして、そこでもミチヨではなくてyamoが怒られるのはどうしてなのだろう?
無いのはたしかにそうだったのかもしれない。
でもじゃあなぜyamoが怒られるのか?
本当に今更だが納得がいかない。
「ミツオさんは?知ってるの?」
この質問に対してミチヨがどう答えていたかを思い出せない。
義祖母はオロオロしている印象だった。
今思えば、「そんなことになっていただなんて」という感じだ。
もう夜はだいぶ遅い時間だった。
義祖母もユウコ(仮)(ミチヨの連れ子(下))の隣で寝ていた。
寝ていたら台所からミチヨとyamoの話し声が聞こえてきて起きてきたのだ。
義祖母は当時よく来ていた。
確か長くは居ない。一泊か二泊して自宅の千葉県船橋市に帰る。
ミチヨは船橋のそこがいわゆる実家で、yamoのお父さんと結婚するまではそこに居候させてもらっていた。
ミチヨにはお兄さんが居て、その人がその実家を継いで家族で暮らしていたし、義祖母もそこで長男家族と暮らしていた。
「もう部屋だって無いし、今度こそ上手くやれよ」
と、ミチヨのお兄さんだという男性がミチヨにコソコソ言っているのを聞いたことがある。
何度かミチヨとお父さんと家族で船橋に行った時だった。
yamoは当時はそれがどういう意味なのかは理解していない。
ただ憶えているというだけだ。
ミカとユウコは父親が違う。
実家に出戻ったことが2度有るということだ。
ミツオとの結婚話しが持ち上がった時にミチヨは本当にきっと今度こそ」と、思って実家を出たのだろうな。
ミカも母親同様、「今度こそ」と思って居ただろうなと思う。
その実家には従兄弟達(年上の女の子1人男の子1人)も居たし、それほど広い一軒家ではなかった印象だったから、きっと多分本当に前回の離婚からしぶしぶ間借りさせてもらっていたのだろう。
ミチヨはもちろんだけど、ミカやユウコも居心地は決して良くなかったはずだ。
義祖母にとってはでもかわいい娘に違いないわけで、なんとか今度の結婚生活は上手くいけばいいな〜というよりは、娘にちゃんと幸せになって欲しいと願っていたのではないだろうか、、と思い出す。
なぜなら、割としょっちゅう来てた印象だったし、それは娘親子が心配だったからだろうなと思うし、とにかくyamoに対しても本当に優しい穏やかなおばあちゃんという印象だったから、なんとなくだけど、そう思う。
母親の前ではミチヨは良い娘良い母親でいようとしていた感じは窺えたし、きっと今度こそちゃんとしなきゃとは思って取り繕っていただろうなと思う。
母親にも兄にもそうして釘を刺されてきたのだろうなと想像する。
しかしミチヨにとって、今度も「上手くやる」のは難しかった。
団地から隣町の小さい平家に引っ越すまでの数年間、割と定期的に義祖母は来ていたと思う。
来る時には色々と4人分のお土産が有って、それはyamoも楽しみにしていた。
お菓子のセットだったり、ちょっとした風船やらシャボン玉やらのおもちゃも嬉しかった。
みんなで分けなさい」という形ではなくて、それぞれの分を1つずつ用意されていたことが嬉しかった。
そして何よりも、この人が来るとミチヨの意地悪が無い。
ミカ(仮)(ミチヨの連れ子(上))もユウコもyamoへの視線が優しくなる。
yamoだけおやつが無いということも無いし、食事の皿にはみんなと同等の量が盛られていた。
そういう事をしてはいけない」という倫理観は有ったということか。
それをしている事を母親や実家には知られたくない事情がミチヨ親子には有ったということか。
しかしなぜyamoはこの日のこの時間にミチヨに給食費が欲しいと言っているのだろう。
集金期限はとっくに過ぎていた。
いつもそうだからそれは憶えている。
いつもyamoだけすぐには持たせてもらえなかった。
明日にはぜひ給食費を持って行きたいと思っていたとして、学校から帰ってきたら優しいおばあちゃんが来ていて、いつも通りお土産をもらって嬉しくて忘れていたのだろうか。
、、だったとしてだ。
でも、
夜みんなが寝てから、台所でタバコを吸ってるミチヨに意を決するように言ったことを憶えている。
今日なら言っても大丈夫かもと思ったような気がする。怖いのは怖いけどという感じだ。
「しつこい!無いものは無い!」とキレているミチヨに義祖母は驚いて起きてくる。
yamoは、いつもならそれ以上言わないのに、その日は「いつもどうしてyamoだけ無いの?」とか「払わないと給食が食べられなくなっちゃう」とかと言ったのだ。
ねえねえねえねえねえ、、ミチヨさあああん?
ねえーーー!どうしてどうしてどうしてーー!?ねええってば!
(こんなふうには絶対言ってない)
つまり、子供ながらに機会を窺っていたのだろうなと思う。
どんな機会か?いったい何の機会か?
*
最初にも言ったけど、8月20日から双子座火星期に入った。
色々な情報が世界内外から出てきて、どれが有害か無害かが分からずに困乱を招くと読む占星術家も居る。
#AYUKA
そしてこの時期は普通の火星期よりも長く続く。特殊なのだ。
次から次へと、今まで別に当たり前だと思ってきたことが本当は全然当たり前じゃなかったと知らされる情報が氾濫するとされている。
当たり前にこれが自分の正義だと思ってきたことが覆される。
世界的な政治的な混乱は何を招くのか?
その時日本は本当に大丈夫なのか?
安倍元首相の国葬を反対する人たちはなぜ反対なのか。
(私はぜひやったらいいと思っている)
まあそれはいい。
私の手にも思考にも負えない。
星読み的にはそういう時期だということだ。
それよりyamoの給食費は結局どうなったか?だ。
双子座には、「私は考える」というキーワードがまずは大きく占める。
双子座は、調べて学んで考えて結果を出そうとする星座なのだ。
その結果を踏まえて回復を図ろうとする。
「人に合わせて自分を変えられる」「秘めた負けん気」「低次元と高次元を結ぶ」という特徴も有る。
#かげしたまゆこ
私が今また「過去」に大きく影響されて、振り返り、思い出し、自分で自分を救済しようと試みているのは、こうした双子座に火星が入ったパワーの恩恵(あえて恩恵)ではないかと思ったりする。
私は双子座に水星を持っている。
双子座は深く考えることを良しとはしないのだが、私は蟹座に太陽を持っているのでどうしても内面の傷を無視出来ない。
そして、どうして?とまた考えてしまっているのだ。
どうして自分はいじめられたのか?と考えてしまうのだ。
それはだから単に「yamoちゃんかわいそうだったね」では回復出来ない次元のことだったと理解した。
これは、私が双子座に水星を持つせいで、少し前の牡牛座火星から現在の双子座火星期の影響をモロに受けている結果だと言える。
過去と現在。
現在と未来。
天と地。空間。
そこを行ったり来たりすることが得意な星座。
深くというより浅く広く。
本当に行ったり来たり忙しい。
*
給食費は翌日おばあちゃんが手渡してくれた。
「お母さんだって一生懸命やってるんだからyamoちゃんお母さんにあんな言い方ひどい」
確かそんなことをまた言われた。
yamoは何のことを言われているのか分からなかった。
でも、優しいおばあちゃんにそんな冷たいことを言われて、少なからず傷ついたことを憶えている。
そして、又、その日は図工で確か絵の具が必要だった。
使って足りなくなっていた絵の具の12色を、言ってもやっぱり買ってもらえていなかったyamoは、もらったお金で絵の具を買った。
残ったお金を先生に渡した。
帰りに、当然yamoは先生に「足りない」」と言われる。
それをそのままミチヨに帰ってから伝える。
「なんで足りないのよ!」と怒られる。
知らない」とまずはとぼける。
おばあちゃんにもらったでしょ!何で足りないのよ!と怒っているミチヨに、yamoはとりあえずとぼける。
当然、長く立たされる。
殴られるし蹴られる。
何かに使ったんだろ!と、ミチヨはキレている。
最終的には「絵の具を買った」と白状する。
こんなことがしょっちゅうだった。
繰り返しだった。
給食費がもらえない。
給食費以外でも学校で何か必要なものがあって、集金が有るたびにyamoは持っていけない。国語だったか算数だったかのドリル代とか遠足の時の写真代とか、給食費を遅れてやっともらうと、yamoはそっちの支払いを先にした。
鉛筆だったり消しゴムだったりは万引きをすることを覚えていた。
クラスのみんなと同等のものを欲しいと思うようになっていた。
(万引きについてはまた別の話し)
絵の具やリコーダーも、少し成長すると彫刻刀も、家庭で買って用意してくださいと言われる類のものは本当にみんなと一緒にスタート出来たことが無い。
また忘れました」と言っている惨めな気持ちが思い出されてうんざりする。
結局、ミチヨは給食費から使った足りない絵の具代の数百円をyamoに投げつけた。
そのお金を拾っているyamoに対して、「お父さんには黙ってなさいよ!」とミチヨは怒鳴った。
ミチヨはいつも「お父さんには黙っていなさい」と言った。
言いっぱなしではなくて、必ずその後で、「言えばアンタがお父さんにもっと怒られるんだからね」と、念押しされたのをよく憶えている。
yamoはこの言いつけを長く守り続ける。
子供だった。
仕方がない。
でも思う。
たくましく生きてきた。
たかが数百円とはいえ、賢く得る方法を見つけて耐え抜いて、それこそ双子座水星のパワーだと思う。
こずるくて良い。
*
ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。
あなた様の過去にも、現在のあなた様を癒す何かが隠されています。
最近、なぜかフと思い出すことが増えた過去の記憶が有るとすれば、それは、今後本格的に風の時代に入っていく中で、生き抜くためにあなた様に必要で表面に出てくる記憶かもしれません。
お心の隅にでも憶えておいていただけると幸いです。
また次回。
別のエピソードで。