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自己紹介が決められない

会社を作って半年が経とうとしている。I am your fanという会社。ありがたいことに忙しい日々を過ごさせていただいてるけど、ホームページも名刺もない。というのも、自己紹介を決められずにいる。

サラリーマンを辞めて、肩書きがなくなった。自分が何者であるかを説明するとき「スマニューでTVCM作ってました」が1番伝わる。
吉岡里帆さん、千鳥さん、乃木坂46さん、ダウンタウンさん。なんだか楽しそうで派手な世界。けど、私ひとりで作ったわけじゃない。

クリエイターやコピーライター、監督やプロデューサー。営業のみなさん。信頼を積み重ねた、最高のチームだから成し遂げられた仕事だと思ってる。なので「TVCMを作る人」という自己紹介に気分が乗らず、もともと「マーケター」もしっくりきてない。

先日、三茶のジンギスカン屋の店長が、コロナ禍で心が折れていると言っていた。お客さんを店にパンパンに詰めて「うまい!」と喜んでもらえる。そのパワーの源がないと、助成金でキャッシュフローを工夫できても、心が折れてしまうと。しかも自分の店だけの問題じゃなくて、街全体にある閉塞感が新しいチャレンジの気力を削っていくと。痛いほど伝わった。

店長の自己紹介は「うまいジンギスカンを提供する人」「うまいと喜ぶお客様を見たい人」だと思った。仕入れから提供までの全ては、その瞬間のために頑張られていて。行動の動機付けは必ずその瞬間にあるんだなと。

となると、外出自粛ならECやりましょう。では片付けられなくて。テクノロジーで解決すべきは単に販売機能じゃなくて「お客様の笑顔を感じる仕組み」「社会を明るく変えていく仕掛け」まで必要だ。店長にとってECが最適解とは限らないのと同様に、TVCMやデジタル広告が何かの特効薬であるように振舞うことは私にはできない。

私にとって自己紹介は、仕事のスタンス。何のために仕事をするか。何に喜びを感じるか。が重要なことで、自己紹介と動機付けが強く紐づいているようだ。コロナ禍で少し立ち止まって考えた人も多いんじゃないかな。

スキルセットを整理すると、デジタルとマスどちらも得意なのを褒めてもらえることが多い。たしかに自信ある。けどそれはスマニューを世に広げたいから頑張っただけで、マーケティングを主語にしたことはない。ハンターハンターのクラピカじゃないけど「心からファンである」制限がないと発動できないらしい。

となると私は「ファン」というキーワードがやっぱりよくて。ファンになる瞬間を振り返ると、雷に打たれるように衝動的なことが多い。触れた瞬間に良いなって心に響くような。そこにしか正義はないし、その瞬間を大切にしたいと思う。いまご一緒できてる皆様にとにかく感謝している。とはいえ「ファン」と名乗るのは怪しすぎる。

まだ自己紹介は決められそうにない。

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