投資縮小こそマーケターの実力が問われる
今年を振り返ろうとnoteを開いた矢先。そんな言葉が頭をよぎりました。誰に言われたでもないのですが、なんかふと。
2013年新卒の私。いま思えば好景気のサラリーマン人生でしたが、ここ数年は教科書でしか読んだことがないような市場環境が続いてます。コロナ対策で進められた金融緩和によって、サプライチェーンが混乱。消費が戻るかと思いきや、ウクライナ戦争におけるロシアへの制裁を通じて資源価格が高騰しました。結果として世界的なインフレが始まり、消費者が大きなダメージを受けています。
インフレに対応すべく金利を引き上げると、株価への影響が出始めました。業績は伸びてるのに株価が下がっていくケースをたくさん見ましたし、投資家のリスクに対するスタンスが大きく変わる1年だった印象です。
そんななか、社会インフラを提供するストアーズは何ができるだろうか。原材料費のコスト増加と消費の冷え込みへの悩みの声をたくさん聞きます。この経済環境が続いても安定してサービスを提供できるように。採用やマーケティングコストの大幅減を決めました。急成長よりも課題解決。
さて、何をしよう
マーケティング予算に紐づく獲得チャネルは2つ。テレビCMとデジマ。得意の2つを封じて私は何ができるだろうか。予算が減っても心理的な混乱はほとんどなく、むしろストアーズを利用するオーナーさんのほうが大変だろうし、こんな時こそ頑張ろうと自然と思えました。
まずは「トップラインを伸ばす」ことから「1%の改善を何個積み上げれるか」に頭を切り替えました。SaaS事業はリード数が減ったとしても、NRRを維持できれば成長継続は可能です。
獲得最大化は左側のリード総数、グレーの部分をいかに大きくするかを考えます。今回はブルーの部分。複数組織を横断して、商談→受注→継続のクオリティを上げられるか。組織を超えてじわじわ効くような、資産となる打ち手を考えました。
写真撮影チーム
ストアーズを説明するとき、MacやiPhoneにサービス画像を埋め込むことが多い。けどこれを多用すると「Apple製品一覧」みたいになってきて、らしさを出しにくい。
全てのチームがストアーズをもっと説明しやすくなるように、写真撮影チームを立ち上げました。とくに問い合わせが多くて説明コストが高いものからケアします。
例えば、決済レジ。単体写真はそんな必要なくて、テーブル決済への持ち運びなどシチュエーションが重要です。どんな場所でどう使えるのか。視覚的にイメージできるカットを切ります。
撮影した写真はセールス資料やメルマガはもちろんのこと、サービスサイトや広告LPまで広く活用されました。
改めて振り返るとマーケティング、デザイン、セールス、プロダクトなどチームを横断して「どう見せたら伝わるか」議論する時間そのものが有意義でした。来年さらに回数を重ねてクオリティを上げていきたいな。
ストアーズのトップページもこれを機にアップデートしました。Apple製品一覧感はすこし減らせたかも、、、?
https://stores.jp/
狭く深いコミュニティ
マス投資を通じて認知率も上がり、知ってるけど使ったことがない人がたくさんいます。そんな時こそ狭く深いコミュニティへ。ストアーズをリアル体験できる機会を増やしました。
例えば、ハンドメイド作家さん。コロナ禍のDIYブームを背景にハンドメイド関連イベントがたくさん開催されてます。イベント用に小銭を用意するよりキャッシュレス対応のが楽ですし、ECモールで値下げ交渉されるより自分だけのオンラインストアのが気が楽だったり。
イベントでは現地にサポートデスクを設置して、普段オフィスで電話サポートしているメンバーを呼びました。イベントにあわせて様々なメンバーに協力してもらいましたが、学びがたくさんあったようです。
オフィスでの電話サポートはトラブル時に応答することが多いので、いかに解決策を提示するかが重要です。一方でお商売にまつわるリアルの場は、自分の好きなものや、表現したいものがあって、それを好きだから購入したいお客様が集まる。その流れをスムーズにするのがストアーズの役割であること。そんなことを肌で体験できたり、手助けしている実感を持てたと。熱量あるコメントを聞きました。
ネットショップ、決済、レジ、予約システム。使い始めこそ取っ付きにくいですが、ローカルテレビ局のお祭りや、ラジオ局のイベントなど。これを機に使い始めた多くの皆様に、継続利用いただいてます。口コミが広がり同業者からの問い合わせも増えているようです。献身的なサポートがあるおかげで安心して使えることを、深く感じる機会となりました。
そういえば。家電量販店や展示会への出展もたくさんトライしたのですが、苦い結果となりました笑
何か別の理由があって来訪した場所で、導入を決めるのはハードルが高いようです。それよりはイベントでネットショップを使うとか、マルシェで決済レジを使うとか。意思決定のデッドが決まってる瞬間に出会えるかの勝負だと感じました。加えて、コミュニティまるごとストアーズに興味を持つような口コミ設計になっているか。まだまだチャレンジの余地がありそうです。
今年もお疲れ様でした
なんだか急に寒さも増してきましたね。「得意な技だけをやるんじゃなくて、技を増やしなさい」と師匠に言われたのを思い出しました。それではみなさん良いお年を、来年も楽しい1年になりますように。
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