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デビュー
◆散歩かエサか
エヴァンが我が家の仲間入りした当初、ある方から「犬はエサをくれる人よりも、散歩に連れて行ってくれる人になつく」と言われた。
真偽のほどは分からないが、犬はどちらも楽しみにしているのではないか。散歩の足取り、ドッグフードを食む勢いには、甲乙つけがたいものがある。いずれにしても、幸いにして、私は二役を兼ねているので、ひと先ず安心してよいだろう。
毎朝、夏季は六時過ぎ、冬季は七時前にエヴァンの散歩に出るのが日課である。二〇分ほど歩き、二〇分ちかくかけてブラッシング、それからお待ちかねの朝食タイムになる。
◆迷い道
大阪の日本ライトハウス・盲導犬訓練所で宿泊訓練を受けていた時、散歩の道順を家族に考えておいてもらった。
実際に歩いてみると、人家の庭に迷い込んだり、広場で右往左往したり。挙句の果ては側溝に足を突っ込んだり。誰かに道を尋ねようにも、ごくたまにしか人が歩いていない。
「どうしよう」
エヴァンと途方に暮れたこともあった。過疎地の過疎地たるゆえんだ。
この地へ移り住んで六年が経過していた。道を覚える前に視覚障害がすっかり進んでしまった。このため、エヴァンに右折左折などの指示を出したくても、私の頭の中に地図が描けないのだ。
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