見出し画像

裙本理人『ミレニアム・スタートアップ 新しい価値観で動く社会と会社』BOW BOOKS(中央経済グループパブリッシング)

1982年生まれ、セルロース株式会社を創業3年11ヵ月でマザーズ上場させた社長の初の著書である。ミレニアム世代の新しい価値観による経営手法や考え方について書いた本である。

「幸せと成功」を定義し直すことから始めたという。そして、それは、次の3つの自由を得ることだと定義したと言う。                1 経済的自由                             2 空間的自由                              3 人間関係の自由

この3つの自由を手に入れるために起業したと言う。ある程度、自分のやりたいことができる経済的な余裕がある状態。好きなときに好きな場所に行ける時間的な自由。尊敬できる仲間たちとだけで時間を過ごす自由。そのため再生医療の分野で、世の中の課題解決のため創業した。

リーダーは、ビジョンを示し、意味のある仕事だけ選別し、すべての仕事の意味を伝えていく必要があると言う。まず目標が完全に明確になっていなければならない。

組織や人間関係においていちばん大事なのは、お互いに対するリスペクトとコミュニケーションだと言う。また、組織において、フラット化、変幻自在、透明化を大切にしている。全員が透明性のある組織の中で、同じ目標に向かい、すべて共有されていることが重要とも言う。

今のリーダーは、強いビジョンを打ち出して共感を呼び起こすのが仕事。ここで重要になってくるのが、メンバーを正しく評価することであり、その正しい評価の大前提に、正しい目標設定があると言う。

よい会社の定義は、「すべてのステークホルダーから愛される会社」だと言う。そして、何より大切なことは、しっかり世の中に価値を提供して、その対価として売上を立て、利益を上げることだという。

最後に、仕事も人生もうまくいく4つの考え方を示している。        1 幸せを定義する
2 すべては自分の責任である
3 適切な反省と最速なリスタート
4 社会全体の幸福を考える

若き創業者のすばらしい考え方には共感できるし、GAFAの創業者の考え方と不思遇い相通じるものがあるように思える。日本のイーロンマスクと褒め称える方もいるらしいが、本人は極めて冷静かつ謙虚である。物事を分析し、見通す力に優れていると思う。

本書の中には、考えるためのワークシートも挟まれている。若い人が、これからの人生を考えるために役立つであろう。また、会社組織について考える場合のヒントを示していると思う。




いいなと思ったら応援しよう!