山崎元・水瀬ケンイチ『全面改訂第3版 ほったらかし投資術』朝日新書
「プロが考える最善の運用に大きく劣らず、なるべく簡単に実行できる、個人にとっての資産運用の具体的方法」と、著者は「ほったらかし投資法」を定義しています。
「NISA」、「iDeCo」の導入や、2019年の通称「老後2000万円問題」、「人生100年時代」の言葉の流行があり、さらに近時の世界的な株価の急落、急反発などの情勢を考慮し、全面改訂を行ったものの、結果論として「ほったらかし投資」で良かったと著者は結論づけました。
本書によると、個別株投資より、投資のプロが選定するアクティブ運用投信より、インデックス投資を行う投信が一番成績が良いのだから、リスク資産はこれで運用するのがベストであることとなります。
本書による投資術は、次のようなものです。 ①3~6ヵ月の生活資金を確保し、普通預金に置き、それ以外を運用資金とします。 ②運用資金の中から、リスク資産の保有額を決めます。 ③無リスク資金は、10年もの個人向け国債か、銀行預金で持ちます。 ④リスク資産は、手数料の安いインデックス・ファンド(本書では「全世界株式インデックスファンド」を推奨しています。)で持ちます。 ⑤iDeCo、NISA、つみたてNISAなど税制上有利な運用口座を最大限利用します。 ⑥税制上有利な運用口座を活用しつつ、積立投資を追加するのも良いとします。
本書のとおりではなくても、iDeCoや、つみたてNISAを利用できる人は、老後資金を備えるために毎月5千円でもよいので、インデックス・ファンドをすぐに始めることが良いのではないかと思います。
また、本書を読んで勉強し、その理由を理解し納得することも必要と思います。投資は自己責任と言われますので、少し怖いと思うところもありますが、自分の余裕資金を充てるのが原則なのでしょう。
投資の専門家と言われている人も、自己資金の8割以上をインデックス・ファンドに投資していると聞きます。相場が上がろうが下がろうが、ほったらかしにしおくことで、自己資金を増やすことができるのではと思います。
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