クールでウィットに富んだ会話
昨日の記事で書いた「最初からそう言ってるじゃないか」もそうですが、
魔夜峰央先生の名作、「パタリロ!」には印象的な会話が登場します。
たとえば、主人公のパタリロとイギリス諜報部のバンコランとの電話。
バンコラン:「パタリロか?」
パタリロ:「その声はバンコランだな。仔馬は元気か?」
バンコラン:「仔馬なんて飼ってないぞ」
パタリロ:「そんなの知ってるわ。なんの用だ?」
バンコラン:「……」
この会話は、のちの展開にはまったく関係することのない純粋な『くすぐり』です。
読者は笑えばヨイ。意味を考える必要もありません。
でありながら、実にクールなくだりです。
その回はどんな事件がおきたのか、まったく覚えていないのですが、この会話だけが印象深い。
こういう会話を自分でもしてみたいものです。
ですが実際には、こういう諧謔はなかなか発動できません。
言われた相手は、まずついて来られない。
気まずい白けた雰囲気になってしまうでしょう。
今風に言うと「スベッた」状態、というのかしら?
パタリロ的会話だけでなく、落語的な言い回しも相手にその素養がないと通じません。
教養と言ってもいいでしょう。
香炉峰の雪みたいなものです。
マンガと白居易の詩は違う、という人もいるかも知れませんが、そんなことは些細なことです。
知識という点では変わりありません。
ところで皆さん、仔馬は元気ですか?