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芸人と愛猫。―パンサー・菅良太郎とアン―


人々を笑いで包み込んでくれる芸人たちと、人々を癒しパワーで覆ってくれる猫たち。そんな2人がタッグを組んだら最高に決まっている!ということで、クロネコみっけでは芸人たちが飼っている愛猫を特集することにしました。
3回目のゲストは、パンサーの菅良太郎さん。ロシアンブルーのアンとの暮らしや、猫を同時に3匹も飼い始めた経緯などをたっぷり話してもらいました。

実家へ3匹の猫を連れて帰ったら……まさかの勘当。
 昔から猫は好きで、一人暮らしをしたら一緒に住みたいと思っていました。けれど、東京に実家があるので一人暮らししなくても全然良かったんです。でも、どうしても猫が飼いたくなって、ある日突然、実家に猫を3匹連れて帰ったんですよ。そしたら、親に「家を出て行け」って言われて、猫を飼い始めたことをきっかけに、勘当に近い感じで追い出されましたね。

 勘当っていうほどでもないんですけど、「ルール違反ですよね? 猫は一人暮らししてからっていう約束でしたよね?」ということで、家を出ることになりました。とはいえ、家が見つかるまでしばくの間は実家で3匹とともに暮らしていました。


気がついたら1匹になっていた、猫。

 一人暮らしの家が決まっていざ出ていくことになったら、「一人暮らしで3匹なんて無理だから、この子は私が預かってあげる」と言い、母親が一番お気に入りだった、ラグドールの子を奪っていって……。もう1匹は、姉が飼っていた犬がちょうど亡くなったタイミングでペットロスになってしまって、姉にも「この子を譲ってくれないか?」と言われて、そういう理由ならということでノルウェージャンを譲ったんです。姉も比較的性格が穏やかな子を引き取っていって、うちに来ることになったのが一番暴れん坊な子でした。今はその猫、ロシアンブルーのアンと一緒に暮らしています。

名前の由来はペットショップの呼び名。

 もともと家に連れて帰った3匹は、ラグドールとノルウェージャンフォレストキャットとロシアンブルーです。名前はそれぞれ、ラグドールの「ラグ」、ノルウェージャンの「ノル」、それとロシアンブルーのロシが言いにくかったので「アン」です。

 名前の由来は、ペットショップで店員さんが呼んでいた呼び名です。ノルウェージャンフォレストキャットなら「ノルちゃん」、ラグドールなら「ラグちゃん」って呼んでいたので、それで猫たちも覚えてるんじゃないかなって思って。そのまま行きました。

 猫を突然連れて帰ったのには理由があって、僕ずっと猫を飼うためにお金を貯めていたんですよ。どうやって買えばいいわからないから、とりあえず50万円くらい貯めていて。それを名古屋で昔やっていたレギュラー番組のディレクターさんに話したら、次に収録へ行ったときには「菅が猫を飼う」っていう企画になっていたんですよ。それで、その番組内でペットショップに行って、3匹を飼いました。あと色々と重なって、向井の姉がそのペットショップで働いていたっていうのもあったんですよね。


寂しいと思って3匹にしたのに、結局1匹飼いに。

 飼い始めた3匹は好きな種類でしたね。ぼやっと、デカい猫っていいなって思っていたのがあって、ノルウェージャンは決めました。それに、ラグドールは目がキレイだし、ロシアンブルーは飄々としている感じが好きだな、と思っていましたね。

 もともと1匹だと寂しいと思って、でも2匹で仲が悪いとどうしようもないなって思って3匹にしたんですけど、結局全員一緒にいないですね。増やすことも考えたんですけど、今もう11歳とかなので、今増やしたらどうなるんだろうっていうリアクションがわからないんですよね。でも、ノルウェージャンを譲った姉はラグドールも飼いたかったようで、ノルを飼い始めたあとに増やしていました。

食べものにまったく興味のない、子猫サイズのアン。

 アンは変わっていて、餌とか全然食べないし、人間の食べ物にもまったく興味を示さないんです。猫の餌もカリカリしか食わないんですけど、たくさん盛っても2〜3粒くらい食べるとどこかに行っちゃうんですよ。だから1泊くらいの出張であれば、余裕で留守番させられますね。食い意地がまったくない。

 それもあってうちの猫が痩せすぎていて、3キロないんですよ。それで一つだけ困るのが、トイレが自動なんですけど猫の重さで判断しているやつなので、アンが出た後に、僕が手でトイレを押さないと反応しないんですよ。アンが軽すぎて、重さで判断できないみたいで。だからロケ先の猫カフェとかでたまにロシアンブルーを見ると、「デカっ!」って驚きます。うちの猫の倍くらいある。大人になっても、ずっと1歳くらいのサイズのままでめちゃくちゃ小さいんですけど、体は健康です。

 性格は寂しがりやってことはないですね。なので家に帰って玄関を開けたときに目の前にいたら、何かが足りていないっていう合図です。すべて満たされている場合は、ガチャって開けてもいないですね。

 アンは結構猫らしい性格をしているので、お互いがお互いにあんまり興味がない感じが気持ちいいです。実家ではずっと犬を飼っていたので、犬の「好き好きかまって!」という感じも可愛いんですけど、疲れるときもあるし、こっちが集中しているときにやった反応を遊びだと勘違いして、ずっとかまってくることもあるし。それも可愛いけど、猫は犬と違って表情が読めない感じとかも好きですね。机からものをめちゃくちゃ落としても見下してくる感じとか(笑)。ああいうのが好きなんですよ。個体によってはずっとついてくる子もいるとは思うのですが、アンはどちらかというとクールなタイプかもしれないです。


猫から学んだ、気にするな精神。

 幼い頃、姉が拾ってきた鍵尻尾の黒猫を飼っていた時期があって、その頃から猫は好きでしたね。僕の父は海外に住んでいたんですけど、昔は犬と猫を10匹以上飼っていて、家の車の助手席を改造して犬専用にしていたくらいでした。その影響もあってか、家族全員動物好きですね。




 ちなみに黒猫はめっちゃ頭が良かったんですよ。人のトイレでトイレをする子でした。猫用の入り口をノコギリで開けておいていたので、そこから入って洋式で普通にしていました。最初は猫砂のトイレを置いていたら、勝手に覚えたんですよね。頭は良かったんですけど結構短命で、6~7年くらいしか一緒に暮らせなかったです。

 それ以来、猫はずっと好きなのですが、アンと暮らすようになって「気にするな精神」を学んだと思いますね。猫って何も気にしないから、そういうのですかね。生き方、ライフスタイルとして、気にするなっていう。マイペースに生きるということを学びました。

菅良太郎(かん・りょうたろう)
吉本興業所属のお笑いトリオ「パンサー」のメンバーで、ボケとネタ作りの担当をしている。ヒゲ&ロン毛がトレードマーク。特技はパラパラを踊ること。

スタッフクレジット:
photo:Yu Inohara edit&text:Makoto Tozuka
Produced by MCS(Magazine House Creative Studio)

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