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【本の記録】📚 辻村深月『傲慢と善良』📝 婚約者の失踪と愛の行方。善意と独りよがりの境界線を問う恋愛小説

『傲慢と善良』 著者:辻村深月
ジャンル:大衆小説・現代文学
発行元:朝日新聞出版・2019年3月初版刊行※文庫本は2022年出版。

Audible作品紹介&読書感想文
ナレーター:雨宮天・松岡禎丞

結婚式の日取りと式場まで決めていた婚約者の突然の失踪。彼女はなぜいなくなったのか?失踪した婚約者を探し求める主人公と、彼女自身の視点の二つの側面から語られる物語。

【作品紹介】
ストーカーを恐れていた彼女を守ると誓った婚約者の男の会話。そんな展開から始まる物語。
婚約者のマミが姿を消した。その居場所を探すため、カケルは彼女の家族や知人を訪ね、彼女の人生を辿る。さまざまな人々と関わりながら明らかになるのは、マミがずっと抱えていた“恐れ”や“本音”。
マミとストーカーの関係や、彼女自身が結婚に対して感じていた迷い。カケルにとっては突然の出来事が、マミにとっては長い間、静かに積み重ねられてきた問題だった。

この本がおすすめな人
・結婚や恋愛に対して考えを深めたい人
・人間関係の本質を知りたい人
・ミステリー要素のある心理小説が好きな人
・辻村深月作品が好きな人

【感想】
主人公は30代のハイスペック男子恋愛経験の少ない真面目女子。
マッチングアプリで出会った2人
が、結婚直前に巻き込まれた事件の深層を探る物語
結婚前に解消したい本音
心理がリアルに描かれ、それをミステリーチックな展開で追うのが面白かった。

「大丈夫じゃない。私はちっとも大丈夫じゃない。助けて。カケル君。」
物語は、第一部では、婚約者を探すために彼女の地元へ向かう彼氏の行動や思考を中心に進む。そこで出会う家族の体裁、結婚相談所のベテラン所長の話は特に、心理描写の緻密さを感じられて印象的だった。
一方、失踪した彼女の側の物語も展開される第二部。彼女がどこへ行き、なぜ姿を消したのか。彼女の視点から語られるそれまでの人間関係や彼女自身の葛藤、そして未来に繋がる助言。

登場人物の行動動線や心理描写の深さ、物語の伏線の回収が見事!

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オーディブル版で、1.5倍速で聴き終えた。朗読によるテンポの良さもあり、一気に聴き進めることができた。2人のナレーターが主人公たちにピッタリで、登場人物の感情や思考の変化が朗読によってさらにリアルに伝わり、物語に深く没入できた

それぞれのナレーターの声のトーンや間の取り方で、登場人物の周囲の描写や人間性、混乱や焦燥、苦悩がわかりやすく伝わってきて大変良かった。

『傲慢と善良』は、幸せの裏に潜む何気ない言葉や値踏み、嘘、そして自覚さえされない心の奥底を丁寧に描いた恋愛小説

恋愛だけではなく、結婚とは? 幸せとは? 私とは?そんな問いに向き合いたい人に、ぜひ読んでほしい作品。

聴いてよかった と思える一冊だった。
おすすめの作品があれば、ぜひ教えてください。
これからもいろいろな本を読んで、自分の視野を広げていきたいと思う。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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📚皆様の読書時間が充実し、豊かな人生の一ページとなるよう心より願っております

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