【胃カメラの時、背中をさする看護師さん】
今の私の仕事は、自分の倒産経験を基に、悩める中小企業の経営者や後継者に話をしたり、直接当事者の相談に乗ること。そしてその事例を顧問先の指導に活かすことである。
私に届く相談やSOSは、あまり表には出て来ない切実な内容が多いのは仕方のないことだ。
そんなやり取りをしている中で、経営が悪化する社長には「ある傾向」があることに今さらながら気づく。そして私の講演会の内容にもそれが加わることになる。
世間の専門家が言う「会社をダメにする社長の特徴」とは少し違うかも知れないが、あくまでも私の勝手なイメージで書いてみる。
👤【お人好し】
周りにいい顔ばかりしてなんでも安請け合い。利益は度外視で骨折り損ばかり。
好きな言葉は「情けは人の為ならず」
👤【見栄っ張り】
成功体験が忘れられない。弱みを見せたくないから人に相談しない。
好きな言葉は「痩せても枯れても」「腐っても鯛」
👤【責任感が強い】
一人で全部背負ってしまう、そして心が折れる。
好きな言葉は「リーダーシップ」「尊師の兵法」
(全部私が当てはまる(><))
☝️そしてもし困難な状況において、厳しい経営状況から脱却する【復活できる社長】の特徴を挙げるなら、
・冷静に自社の現状分析ができ、スピーディに対応ができる人
・自らが先頭に立って、嫌なことや恥ずかしいことでも率先して動く人
・これまでのミスを反省し、対応を素直に相談できる人
こんな感じだろうか。いわゆる「なりふり構わず」やる人だ。抽象的だが「目つき」で分かる。
☝️では一方、【回復に時間が掛かるor 復活出来ない社長】に見られる特徴とは?
👤現実逃避している間に判断力が鈍り、自分に有利で都合のいい情報ばかりに期待する→正常化バイアス
→もちろんそれは思った通りにはいかず状況が悪化する
→本人は動けなくなるし、この時点で眠れなくなって病院のお世話になる
→そうしている間に打つ手がなくなり、自分が本音では「そうなったら嫌だ」と思っていた「最悪の事態」になる(手遅れ)
この過程を経て、『どん底』からまた再スタートする→初めて目が覚める!
☝️ここからが「本当の試練」の始まりなのだ。当事者はここまでが「どん底」だと勘違いしている。ご経験のある方ならお分かりだろう。「まだはもうなり、もうはまだなり」なのである。
👤当事者はその境地に至るまでは何を言っても聞かない。私は嫌われることもあるが、そばで寄り添う→「局部麻酔」
もし最悪の状況になるなら、今後の段取りを説明し、経験者として希望を伝える→「全身麻酔」
(人を救うのはノウハウではなくて希望)
債権者集会までは、いつでも質問に答えて、を取り除く
→底を打てば日々回復してくるものだ。そして破産処理が終われば、私になど連絡も来ない (笑)
さしずめ人間ドックで胃カメラを飲む時、不安な自分の背中を「大丈夫ですよ!」「ちょっと我慢してくださいね」「もうすぐ終わりますよ」と優しく背中をさする看護師さんみたいなものか…。いやそんなに優しくもないかw
居なくてもいいし、居たら居たで何かの役には立つ程度。
『事実は小説より奇なり』 ドラマは現場で起こっている。
まだ一人も最悪の状況になった人がいないのが救いである。
小林久 新宿講演会(7/23(火) 17:30〜)
会場参加・オンライン共、参加者募集中です!
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