「販促の立役者〜めくるめくPOPの世界」
スーパーや小売店に行くと、店内には様々な販促物があることに気づく。大きなポスター、店内放送、リーフレットetc. 個別の商品を売り込みたい時、店側はそこに目を引く『POP』を掲示する。
目についてナンボ、手に取ってもらってナンボの世界、何万点もある商品の中でも常時売れる(回転する)商品は一握りである。
さてこの「商品POP」、ドンキなどではそれ自体が評判となる様な「傑作」さえある。業界では「全国POPコンテスト」なるものまであり、受賞者はマイスター(または神)と崇められる。
近年は人手を介さず、誰でもパソコンソフトで作れたり、本部から各店舗へ同じPOPがデータ配布されることが多い。逆に言えば「各店舗で勝手なことをする!」ということでもある。
個人によってスキルが問われる「POP作成」、点でバラバラになるより、全店で統一した方がコストも下がる。しかしそうなると「POPマイスター達」も居場所がなくなってくる…。
私の住む山梨県の片田舎のショッピングモール(アピタ→今やドンキの子会社)で、数年前に「POP大賞」を受賞した女性が、全国の秀逸な作品を集めて展示会を開催したと聞いて行ってみた。(店を説き伏せてイベント開催)
写真でお分かりの通り、POPはもはや「芸術」の域に達するほどの出来栄えである。全国のマイスター達が、POPの存続をかけて作品を持ち寄ったのである。
ちなみに主催者の彼女が全国優勝した時のPOPは、賞味期限切れ間近の「値引きコーナー」に掲示した『僕たちに明日はない!』というものだった(笑)
この様にキャッチフレーズや商品説明をイラストと共に表現したものを「POP」、陳列棚にある(名刺サイズほどの)商品名と値段だけ表示した「プライスカード」と区別される。
近年はPOPもプライスカードも「デジタル化」され、マンパワーで手書きしたり、季節や値上げ時期に一斉に付け替えたりすることも減ってきた。
「POP」が過去の遺産になる日も近いかも知れない。確かにコストを考えたら高いものだ。大作なら一日がかり、それなら商品を安く売って欲しいお客さんも出てくるだろうし…。
皆さんもスーパーに行った時、店内のPOPをよく観察してみると面白いですよ!「上手く書くなぁ〜」と感心したそのPOP、結構「AI作成」だったりして(^_−)−☆