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【クリスマスケーキ予約獲得大作戦!】

👤元スーパーの社長だった私は、毎年この時期になると、従業員総出で「クリスマスケーキ」の予約獲得のために飛び回ったことを思い出す。

最近はケーキ材料(粉や乳製品・イチゴ)や配送コストの高騰で、どんなパンフレットを見ても5インチのケーキが5,000円近くする(@_@)。
一昔前なら3,000円も出せば立派なケーキが手に入り、チキン込みでも5,000円のパーティが出来たのに。

スーパーにとってこのクリスマスから年末年始の期間は「お盆商戦」と並ぶ待ちに待った「稼ぎどき」である。お客さんはケーキを買う店でその他の食材も買っていくため、ケーキの予約を取ることはお客さんの
の意味合いが大きい。

そのため早くケーキを予約してくれたお客さんには「割引」や「ポイント◯◯倍」「◯◯プレゼント」などの特典をつけることが多い。


(去年も書いたからネタバレになりますが)
一般的なスーパーが予約を取って売るケーキは、いわゆる『パン屋さん』が製造するケーキである。ヤマ◯キとかパ◯コなどお馴染みのメーカーだ。

私のスーパーは当時この「ヤマ◯キ」のクリスマスケーキの販売量が山梨県でNo.1だった。従業員全員に報奨金を出し(最終的にはみんなを褒めますがw)、その予約獲得数を競わせた。

☝️パン屋のケーキの納入原価は「定価の70%」、それを予約客に対して「2割引」で販売した。5,000円のケーキなら4,000円で買える。そりゃ売れるわけだ。

そうなると店の利益は10%と低くなる。

しかしここにもカラクリがあって、メーカーとの年間取引額に応じて、「総売り上げの◯%」が『販売奨励金』としてキャッシュバックされる商習慣があるのである。しかるにスーパーはクリスマスケーキ自体の利益を落としても、それで当日お客さんを取り込んで、他の商材で利益を稼げば良いということだ。(内緒でお願いします🙏🏻)

☝️一般の方は知る由もないが、店とメーカー(問屋でも)は年間取引額に応じてキャッシュバック契約(部戻しという)をしていることがある。

契約書最低金額をクリアするために、同じメーカーの商品ばかり特売しているのを見ると、「今月が契約の締め月か?売り上げが足りないんだな…」と匂うのである(笑)

生鮮市場の取り引きでも、酒でもパンでもありとあらゆる取引で、「沢山売ってくれる店には贔屓しまっせ!」と仕組みだ。私の店はその最低ランクに位置していたのでメリットもあったが、大手チェーンなどどれくらいの『部戻し』があるのか想像もつかない。


☝️話をクリスマスケーキに戻しましょう。

去年末、デパートのケーキが家に届いて、箱を開けたら無惨に崩れてしまいクリスマスが台無し(><)というニュースがあった。

大量のケーキをクリスマスイブに販売するために、目下メーカーや専門店は土台となるスポンジの部分を作り置きして「冷凍保存」している真っ最中である。

生クリームも「軽くて甘さひかえめ」が人気である。そのため泡立てる際にたくさん空気を入れて、そのままキープできる製造方法がある。もちろん冷凍に耐え得る生クリームも。

専門店は、パンメーカーのケーキの中身を知っているため、独自色を出すことに専念する。さしずめ「土用丑の日」のうなぎをスーパーで買うかうなぎ屋で食べるか?に近い。(価格は違うが)どちらにも価値があり、どちらも美味しい。

さて、売れ残ったクリスマスケーキが当日半額になる時代は終わりました。店側もほぼ予約制にして販売ロスを防ぎます。

私なら、
当日の朝、コンビニに大量に並ぶ「2個入り」のショートケーキを選びます(^_−)−☆
#メリークリスマス!



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