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【倒産後記〜今だから言えること、言いたいこと】

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創業105年の老舗スーパーの社長が「倒産」してからの出来事や心情を綴ります。
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記事一覧

【TKC出版「経営者の四季」連載完結】

私のしくじり経験を4回に渡って連載していただいた「TKC出版」発行の月刊紙『経営者の四季』が早くも最終回の掲載となりました。 第1回 【どんぶり勘定がたたり経営判断を誤った】 第2回 【自社のピンチに気づけない裸の王様になっていた】 第3回 【切羽詰まって目先の解決策に飛びついた】 最終回(今回) 【過去の成功体験にとらわれ柔軟に対応できなかった】 こんな感じで、中小企業経営者の皆様が、私と同じような大きなミスを犯さないための心掛けを、実例と「こうするべきだった」の

【TKC出版『経営者の四季』しくじり社長の回顧録】

「TKC全国会」の顧問先企業様に配布される月刊誌『経営者の四季』の連載も早3回目(全4回)。今回のテーマは「切羽詰まって目先の解決策に飛びついた話」 自分のダメさ加減を振り返って自らを分析することは、学校で悪さをして先生に「反省文」を書かされる悪ガキの境地にも近い。 振り返ってから「あの時こうすればよかった」と悔やむことは誰でもできること。その時は判断力も鈍るものです。最悪の状態になる前に、自分で(仲間やスタッフでも)気がついて早く手を打てば、私のように本まで出すほどの大

【TKC月刊誌『経営者の四季』連載第2回目発行です】

全国の会計士・税理士が加盟する「TKC全国会」、その出版社が発行し、各会計事務所が顧問先に提供している月刊誌『経営者の四季』 私の「しくじり話」を参考事例(悪い見本)に、全国の中小企業経営者の皆さまが同じ轍を踏まないように、会社をダメにした事例を恥を忍んで綴っています(^^; 先月から始まった連載も2回目、10月号がめでたく発行となりました。 権利の関係で本文は載せられませんが、機会がありましたらお近くのTKC所属の税理士か、お付き合いのある会社様にお尋ねください。 第

【TKC出版「経営者の四季」連載スタートします!】

こうして毎日コツコツ感じたことを書き留めていると、自分の過去の振り返りや、人生の「棚卸し」みたいな整理がつくものである。 ありがたいことに、そんな私的な思い出や仕事にまつわる失敗談を読んで、執筆のご依頼をいただくことがある。今回はそんな中でも顧問税理士の関係でご存じの方も多い「TKC出版」様からのご依頼である。 私のしくじり体験を月刊紙「経営者の四季」において4回シリーズ(各2,000字)で掲載したいとのありがたいお話である。 ☝️編集担当者との打ち合わせの際、私は執筆

読後感想文をいただきましたm(__)m

SNSで交流のある田中康雄さんから、拙著『こうして店は潰れた』の感想をいただきました。嬉しかったのでシェアさせてください。 (書籍は無料でダウンロードできます) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 数カ月前に買ったのに、積ん読になっていた本を思い出しました。 ようやく読みました。そんな私が言うのもナンですが…絶対、読んで欲しいと、今さらながら思いました。 ともかく泣ける… 泣いたし、結構、へえぇ~と勉強になる それで、読書感想文を書こ

【八方塞がり…崖っぷちの経営者】

(やや重めの話で🙏🏻) 夏休みで世間が浮かれている間も、いやそんな時期だからこそ、私の元には様々な方からSOSが届く。ホームページ経由だったり、SNSのDMを通じて「助けてください」「もうダメです」と切羽詰まった内容のものが多い(^^; 知り合いを通じての紹介など、面識のある方もたまには居るが、大体はほぼそれまで面識のない方からの連絡だ。知り合いには相談しづらいのも分かる。 週末や夜間に自分の窮状を訴えたくても、顧問税理士や銀行は休みで対応してくれるはずもない。コンサルや

【胃カメラの時、背中をさする看護師さん】

今の私の仕事は、自分の倒産経験を基に、悩める中小企業の経営者や後継者に話をしたり、直接当事者の相談に乗ること。そしてその事例を顧問先の指導に活かすことである。 私に届く相談やSOSは、あまり表には出て来ない切実な内容が多いのは仕方のないことだ。 そんなやり取りをしている中で、経営が悪化する社長には「ある傾向」があることに今さらながら気づく。そして私の講演会の内容にもそれが加わることになる。 世間の専門家が言う「会社をダメにする社長の特徴」とは少し違うかも知れないが、あく

【➁自己破産時の実務マニュアル】

前回の『①会社倒産時の実務』に続いて、連帯保証人である経営者が「自己破産」する際の実務です。重ねて皆さんはご参考にされません様に(^_−)−☆ 会社への融資の「連帯保証人」となっている社長も、現実的に返せなくなれば「自己破産」を選択せざるを得ない。「死んでお詫びをしろ!」とか「お天道様の下を歩くな!」という問題では無く、ここでは破産処理の段取りを説明していく。 ①代理人弁護士に対して、債権者と債権額、自分の資産の中から換金して債権者に払える(配当できる)ものをリストアップ

【①会社倒産時の実務マニュアル】

私の経験から得た「もしもの時」のマニュアルを書いてみます。 できれば皆さんはご参考・ご活用されることのないようにお祈りします(^^ゞ (ここでは債権者と債務者の意思は考慮せず、一般的な流れを説明します) ①『諸般の事情』で会社の営業停止を社長が決断🙇🏻♂️💦 株式会社の場合「臨時役員会」でそのことを決議→この時点で事実上『倒産』 ②それから従業員に告知するか(事前告知)、従業員も後から知るか(経営者の雲隠れ)は、社長の判断次第。 ③代理人弁護士を通じ、裁判所に「破産」

【教えて小林さん!】

私はよくSNSを通じて質問を頂くことがある。 「いつも興味深く読んでいるが、核心まで全部は書いてないでしょ?そこんとこ教えて🙏🏻」などとストレートに(^^ゞ という訳で、裏ではこんな会話をしているということをご質問者の了解を得て共有します(そりゃSNSにすべては書けませんからね) ※ あくまでも私個人の勝手な見解なのでご容赦を🙏🏻 ✅Q. 小林さん、一連の投稿大変興味深く拝見しています。いきなり変な質問して申し訳ないのですが、倒産から復活されて再び活動されている小林さん

【社長!困った時は誰に相談するつもり?】

👤最近の私の投稿は、 「社会保険料を滞納すると、容赦なく差押えされるよ!」 「路頭に迷う前に(廃業の)決断をすれば、自己破産を避けて再チャレンジできる施策ができたよ!」 などの(どちらかと言えば憂うつな)テーマが続いた。しかしいつにも増して、皆様のスマホやPCの画面に表示されたようだ。やはりそれだけ興味がある話題なのかも知れない。 「心機一転」新年度を迎えたと言っても、借入金の返済はなかなか好転しない。「一転」より「一変」した現実に悩む経営者のご苦労は痛いほど分かる。社

【講演会での質問 〜 痛っ!(><)】

経済団体(商工会議所・法人会・中央会などの青年部)で講演を頼まれると、先に紹介した【私の会社が潰れた5つの理由】を紹介して「皆さんは気をつけてね!」とエラそうに説明する🎤 『倒産社長本人が目の前にいる+その割にはこのオヤジ元気じゃん!』との珍しさもあって、講演会も盛り上がって終了する。 話した後はだいたい「質疑応答」の時間が用意されているが、私がマシンガントークで話し切った後質問などしたら、返って怒られるんじゃないか?💦との印象か、質疑もないまま終わることも多い。よしよし

【倒産記念日(七回忌)m(__)m】

(以下は今日、私のFacebookに載せたメッセージです。「note」に比べて地元山梨の方との繋がりが多いので、毎年この日に思いを届けていますm(_ _)m) 【御礼と近況報告】 先日の私の誕生日には、たくさんのお祝いメッセージを頂き、誠にありがとうございました。本来なら、お一人ずつ返信をすべき所ですが、普段のご無礼ついでにお許しを頂ければ幸いです。おかげさまで家族全員、健康に過ごすことができています。 ちょうど6年前の今日、「スーパーやまと」は倒産し、105年の歴史に

【クリスマスケーキの思い出】

私がまだスーパーを経営していた頃、12月に入ると店頭にツリーを飾り、クリスマスシーズン(売り上げ爆上がり)に向けて、従業員全員でクリスマスケーキの予約を競ったことを思い出す。 厳しいノルマもない我がスーパーも、年に一度だけ従業員にノルマを課した。 👤「一人最低1個でいいからケーキの予約をしてね!そして多くの予約を獲得した個人は表彰するから」 まあ最後は全店に社長の私から僅かばかりの報奨金を出すのだが、「あの店には負けたくない!」とのライバル心から、結構白熱して楽しかった