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日本仏像史概説

今回は仏像について語ってみる。おおよそ日本彫刻史といった内容だが、かなり主観が入っているので注意されたし。

彫刻とは木や石、金属などで作られた立体造形物で、工芸との違いは純粋に眺めるための芸術作品であるという点であろうか(工芸は器であったり箱であったりと、目的別の用途がある)。ただ、歴史上において、彫刻は長く礼拝や顕彰等の対象であり、仏像をはじめ宗教等と関わりの深いものが多い。
日本では縄文時代の土偶や古墳時代の埴輪が彫刻として扱えるが、一般に日本美術史では仏教伝来以降の仏教彫刻、すなわち仏像と、その影響で生まれた神像を対象とすることが多い。
仏教が伝来したのは欽明天皇の時代とされる。史料によって複数の説があり、538年説と552年説が有力だが、近年は前者を採る傾向が強い。ただ、これは百済の聖明王が仏教を日本に伝えた年代を指し、国家交流の過程で公に仏教が伝えられたとして「仏教公伝」と呼ぶ。実際は、それ以前から渡来人の間で仏教の崇拝が始まっていたようである。
この時代を代表する仏像は、何と言っても法隆寺釈迦三尊像である。渡来人の子孫で金工技術者であった鞍作鳥が主導して造立したもので、面長な顔と動きが少ない硬い姿勢が特徴で、中国・北魏の様式を伝えるものとされる。

法隆寺釈迦三尊像

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