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今さらながら『わんだふるぷりきゅあ!』とプリキュアについて語る
この記事は2025年1月26日にTwitter(X)の読書垢に投稿した長文ツイートの転載である。
『わんだふるぷりきゅあ!(以下「わんぷり」)』、無事に完走しましたね。
個人的に、今回はスピリチュアルな部分を丁寧に描いていた印象である。特に、日本古来の自然観や動物観、霊魂観などが色濃く表れ、それを子供向けファンタジーアニメとしてうまく昇華していたと思う。
最後については怨霊と鎮魂(癒し&鎮め)の関係で説明できるのではないだろうか。
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それ以外にも、自然と人間、人間とペットという2つの「人と動物の関係」をバランスよく取り上げ、直接的には肯定も否定もせず、しかし良い部分だけをピックアップするようなこともなく、そのあたりのさじ加減も絶妙だったと思う。主人公がイヌで、メンバーの半分が動物という点に目が行きがちな「わんぷり」だったが、ここ数年のプリキュアではテーマに最も奥行きがあったような気がする。多文化共生(スタプリ)、病気と人間(ヒープリ)など、時にデリケートなテーマを取り上げながらも、小難しくせず、かといって女児向けアニメだからと安直な纏め方をしないところにプリキュアの良さがあるように思う。
元々「戦う女の子」が好きだったが、ただそれだけでここまでプリキュアにのめり込んだだろうか。意識して全編を見たのは実は『ドキドキ!プリキュア』だけなのだが、断続的であっても意識的にプリキュアは(興味を持った『スマイルプリキュア!』以降は)追いかけてきた。
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毎回、「次のテーマは何だろう」とワクワクしながら、一方では一年間追ってきたプリキュアを惜しみながら、次作を待つというのを毎年やっているが、30代半ばの男を捕らえて離さない魅力がどこかにある。その魅力は何か、意識して今まで考えてこなかったが、どうもテーマに対する文化史・民俗学的な関心らしい。そもそも、プリキュアに興味を持った理由の一つが、「プリキュアが持つシャーマン的性格」について論じてみたいと思ったからだった。これについてはいまだに構想がまとまっていないのだが、戦闘において「癒し」と「鎮め」の役割を果たしているのが、彼女たちがただの戦士ではないことを示していると思う。荒ぶる神を鎮め、怨霊を癒し、邪気を払うというのは極めてシャーマン的ではないだろうか。
もしかしたらすでにそうした視点で研究されているかもしれない。それでも、自分の手で論考にしてみたい。
〔手引きになりそうな本〕