見出し画像

映画レビュー「リバー、流れないでよ」

面白い。
何度もクスクスと笑ってしまった。
そして途中からはウルっときたり。

ゲラゲラ笑ったり、感動して涙を流す映画ではない。
しかし、とても心地いい時間を送ることができた。

内容は全く違うが、近い作品でいえば5年前の「カメラを止めるな」
映画はアイデア勝負であることを教えてくれる。
きっと予算はない。
いや間違いなく使えるお金は少ない低予算映画。

知っている俳優は本上まなみと近藤芳正くらい。
ほぼ知らない俳優陣が映画内を駆け巡る。
それもそのはず。
メインは劇団「ヨーロッパ企画」の俳優陣。
人気のある劇団のようだが、
僕は劇団を主宰する上田誠も劇団名も初めて知った。

同時に機会があれば観たいとも思った。
奇想天外な演出で観客を喜ばすのだろう。
映画の内容から容易に想像できる。

その劇団の俳優陣が素晴らしい。
主役ミコト役の藤谷理子はとてもチャーミング。
彼女の動きを見ているだけで画面に吸い込まれていく。

映画の舞台は京都の貴船。
昨年お邪魔した場所が全面的なロケ地。
実在する老舗料理旅館「ふじや」で繰り広げられる。
雰囲気もよさよう。
誰が川床に連れてってくれないかな・・・。
とどうでもいいことも強烈に感じたり。

本作はそれほど大きな話題にはなっていない。
しかし、レビューを読むととても評判がいい。

解説には
「冬の京都・貴船を舞台に繰り返す2分間のタイムループから
抜け出せなくなった人々の混乱を描いた群像コメディ」

と紹介されているが、これでは何のことか分からない。

その方がいい。
ネタバレは面白さは半減させる。
ただこれをネタバレさせるのはとても難しい。
かなりの表現力が求められる。

だから僕はネタバレしない。
映画を観て、
「なるほど、2分間のタイムループって、こういうことなのね」
と感心してもらえばいい。
確かに納得してしまう。

映画はお金をかけなくてもいくらでも面白い作品はできる。
それを改めて教えてもらった。
こんな作品を多くの方に観てもらい、
新たな才能が注目され活躍の場が広がることを願いたい。

いいなと思ったら応援しよう!