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「おにぎりを通じて、新しいチャレンジをしていきたい」 おにぎり・とん汁 山太郎/新店主 森本 舞子
「こんにちは!」今日も山太郎から聞こえてくる元気な声。女将にも負けないほどハツラツとしたその声の持ち主は、森本舞子さん。海外生活が長く、お客さんとのコミュニケーションはフレンドリー。所作が美しく、流れるような手つきで次々とおにぎりを握っていきます。
2025年、山太郎は東京・世田谷区の二子玉川に2店舗目をオープンします。そして舞子さんが、新店舗の店主を務めることになりました。今回は新店舗のスタッフを募集するにともなって、新店主の舞子さんとはどんな人なのか、深掘りしていきたいと思います。なぜ山太郎で働こうと思ったのか、山太郎で働くことの醍醐味、そして新店舗に込める想いについて聞いていきます。
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── 舞子さんは海外生活が長かったんですよね。なぜ「おにぎり」に注目したのですか?
20歳のときにオーストラリアに行って、それからカナダ、南アフリカなどいろんな国を渡り歩きながら10年間ほど海外で過ごしてきました。オーストラリアでは調理の専門学校を卒業して、主にカフェでバリスタをやりながら、夜はレストランのスーシェフ(副料理長)として料理したり、他にもいろいろな仕事をしてきました。
ビザの関係で2019年頃に帰国して、友人が立ち上げたオンラインショップを管理運営する仕事を4年ほどやっていたのですが、2023年の夏、友達を訪ねてオーストラリアに遊びに行ったことが転機となりました。カフェで友達と話していたら、「舞子とここでおにぎりショップができたら楽しいだろうな」と言われて。そこで初めて自分のなかに「おにぎり」の存在がインプットされたんです。
たしかに海外の都市でお寿司屋さんはたくさんあるけど、おにぎりショップはあまり見かけない。斬新でおもしろそうだなと、少しづつ「いつか海外でおにぎり屋をやりたい」と考えるようになっていきました。
だけど、当時すでに日本で始まっていたおにぎりブームを私は全然認識していなくて。グーグルマップで検索をしていろんなおにぎり専門店の存在を知り、出てきたお店のひとつが山太郎でした。
偶然にも山太郎が新宿高島屋のイベントに出店していたので行ってみたのですが、そこで女将が握っている姿を見てすっかりやられてしまったんです。流れるような手捌きで、きれいなおにぎりが次々と出来ていく。味にも感動しました。
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握りたてを販売するスタイルで、連日行列ができていた。
すると、タイミングよく1週間後ぐらいにスタッフ募集があったので、思い切ってDMしてみることにしました。面談で(店主/女将の)潤さんと千恵さんに「いつか海外でおにぎり屋をやりたい」と率直に話したら、お二人も海外出店を視野に入れているということで私の想いに共感してもらえて。こうして、いま山太郎で働いています。
──実際に働き始めて、山太郎のどんなところに魅力を感じますか?
お店の雰囲気ですね。私自身、初めて訪れたとき、カジュアルで明るい空間でいいなと思いました。おにぎり屋さんというとちょっと昭和な渋いイメージがあったのですが、ここは若い人が気軽に立ち寄りやすい感じ。実際にお客さん同士の会話から「めっちゃかわいい」「おしゃれだね」という声が聞こえてきます。
とはいえ気取った感じはなくて、若い人だけじゃなく年配のお客さんもたくさんいらっしゃいます。女将の千恵さんがフランクでありながらしっかりと多方面に気配りをして、いい雰囲気をつくっているので、おのずとスタッフたちもおもてなしに対する意識が高くなるんですよね。それが山太郎らしさだと思います。
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──職場はどんな雰囲気ですか?
毎日楽しいですよ。スタッフの年齢層は10〜40代くらいで、一番多いのは20〜30代。比較的若い職場です。学生や子育て中のお母さん、いつか独立を希望している人までいろんな人がいますが、スタッフ同士の仲がよくて居心地がいいです。
というのも、スタッフのほとんどが元々はここのお客さんで、山太郎のことが好きだという人が集まっています。みんなが「お客様にとって忘れられない、おいしい一食を目指す」という山太郎の理念に共感しているからこそ、一体感が生まれているのかもしれません。
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じわじわと親近感がわいてくる存在。生みの親は女将・千恵さん。
──仕事をするなかで、どんなところにやりがいを感じますか?
“山太郎らしさ”にもつながる話ですが、私は提供して終わりではなくて、カウンター越しにお客さんと交わす小さな会話が好きなんです。オーストラリアでは多くの人がカフェを自分の居場所にしていて、ここでもそう感じてもらえたらいいなと思って。
隣り合った知らないお客さん同士でも、私を通して会話が始まることがあるし、海外のお客さんにも喜んでいただけるし、私も毎日楽しいです。こういったフレンドリーな接客は、おにぎり屋さんではちょっと珍しいかもしれませんね(笑)。やっぱりオープンキッチンのカウンター越しだからこそ、お客さんとコミュニケーションがとりやすいのだと思います。
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──カウンター越しに会話したり、作業風景がオープンだったり、どこかバリスタのお仕事と共通点があるようにも感じます。
そうなんです、バリスタの経験がすごく生かされているという実感があります。バリスタもおにぎりの握り手も、どちらの仕事もパフォーマンスですよね。お客さんにはつくる過程も楽しんでいただく「ライブ感」が大切な要素になります。手を動かしながら会話を交わしたり、出来立てを味わってもらうこともそうですね。感想がダイレクトに返ってくるので、すごくやりがいを感じます。
あとは、シンプルにおにぎりを握ることがすごく楽しいです。もともと調理やアートなど、手を動かしてなにかをつくるのが好きだから、この仕事もすごく性に合っているみたいで。好きなことは徹底的に突き詰めるタイプなので、何度も練習をしました。握り手になるためには、「所作、形、時間」の3拍子が揃わないといけません。トライアルを経て、初めてお客さんに自分の手でおにぎりを提供できたときは嬉しかったですね。
──新店舗では店長をつとめるということで、どんなお店にしていきたいですか。
おにぎりの味も接客も雰囲気も、基本的に本店の要素をまるごと持っていきたいのですが、私だからできる新しい店づくりにも挑戦していきたいと思っています。
いまはTシャツを販売していますが、新しいグッズを増やしたり、山太郎ではときどきイベントに出店をしますが、山太郎の店内でも企業とコラボレーションできたらおもしろいかなとか、いろいろ考えています。
私は書家としての活動歴もあるので、メニュー表を自分で書いたり、店内に作品を飾ったりもしたいなと思っています。私のカラー(個性)を出すことに対して、店主の潤さんも千恵さんも応援するスタンスでいてくれているのが嬉しいです。
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実は2店舗目は私の地元から近くて、幼い頃から馴染みのあるエリアなんです。近くにショッピングセンターがあるので、少し遠方から来るお子様連れのファミリーのほか、近隣にお住まいの方などいろんな層のお客さんに握りたてのおいしさを味わってもらえたらと思っています。他にも、近くにスポーツチームの拠点がいくつかあるので、練習や試合の差し入れとして使っていただけたらいいなぁとも考えています。
──新店舗のその先、今後挑戦したいことは?
当初からの目標である、海外出店を実現したいです。一時は独立することも考えていましたが、毎日お店に立つなかで、つくづく自分はプレーヤー体質なんだと実感しました。プレーヤーとして、現場に立って目の前のお客さんに対しておにぎりを提供していきたい。だから自分は経営とは切り分けて、山太郎のメンバーとして海外出店を一緒に目指すことが私にとって一番ハッピーだという結論に至りました。
この2店舗目は海外出店の夢を実現していくうえで、大きなステップだと思っています。2店舗目の成功なくして海外出店はありません。自分の地元でもありますし、しっかり腰を据えて、地域に愛されるお店を目指していきたいと思います。
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──これから新店舗のスタッフの募集が始まります。どんな人と働きたいですか?
私はこれまで仕事を通じて成長してきました。これから働くスタッフにとっても山太郎で成長できるチャンスがたくさんあるはず。おにぎりはなにかを実現するための、ひとつのツールだと思っているんです。
人をおもてなししたい、調理に打ち込みたい、日本の文化を伝えたい、いつか自分で飲食店をやってみたいなど、切り口はいろいろあるはず。自分なりの想いや目標を持って仕事に取り組める人と働けたら、きっと楽しいだろうなと思います。
山太郎ではこれからも店舗拡大していくうえで、2店舗目に限らず、新しいスタッフを募集していきます。私がこうして新店舗の店主を任せてもらえたように、目標ややる気次第でいろんなチャンスが与えられる場所です。なにかしら山太郎に共感してくれる人は、ご連絡をいただけたら嬉しいです。
まずは2店舗目のオープンに向けて、いま準備をしている真っ最中です。新しい仲間に会えることを楽しみにしています。
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森本舞子(もりもと・まいこ)
20歳から10年間ほど、オーストラリア、カナダ、南アフリカなど海外で生活。主にバリスタや飲食業界で働く。帰国後、山太郎で握りたてのおにぎりのおいしさ、握り手の姿に感銘を受けて、2023年10月に山太郎に入社。2025年にオープンする2店舗目の二子玉川店で店主をつとめる。
スタッフ募集の詳細は、以下よりご覧ください。
https://note.com/yamataro_onigiri/n/nba931b0af484
聞き手・文章:中島彩