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映画『私たちの声』を女性だらけの映画館で鑑賞

短編映画集の映画『私たちの声』を鑑賞した。

女性の社会問題をテーマとした、7作で構成されたショートムービーである。
1作品、15〜20分くらいで、日本やアメリカ、イタリヤなど各国を代表する女性監督が制作している。

各作品に繋がりはなく、関連しているのは女性が主役という事だけだ。

女性がテーマだからか、観る人は女性ばかりで、僕は上映スクリーンで唯一の男性だった。

観たかった理由は、その中の1作品で呉美保監督がメガホンを取ったからだ。8年ぶりである。

お目当ては呉監督だが、他の作品も良かったので簡単に寸評していきたい。

あくまで僕の独断と偏見だ。

すごく良かった

『私の一週間』監督:呉美保


シングルマザーの一週間を描いた日本の映画。

久しぶりに映画館で泣いた。
ただの日常を起伏ある物語りとして描いた呉監督は天才である。

主演の杏ちゃんはもちろん、子役の人の演技も良かった。

良かった

『無限の思いやり』監督: キャサリン・ハードウィック

コロナ禍のロサンゼルス。
路上生活者のために往診した実在の女性をモデルとしている。

医療最前線の緊張感を短い時間で描いた良作。

『帰郷』監督:ルシア・プエンソ

ロンドンで活躍する建築家が主人公。

妹が亡くなって、両親を失った姪っ子を引き取るか引き取らないか。

仕事に生きがいを持っている女性が、突然子育てと向き合わなければいけない。
その葛藤に苛まれる主人公。そして、それを見て自分は不要なのではないかと思い悩む幼い女の子。

この映画も十分良かったけれど、短編ではなくて長編で観たかった。

『声なきサイン』監督:マリア・ソーレ・トニャッツィ

獣医として働く実在の女性元気主人公。
足を怪我した犬が家族に連れて来られる。
実はこれが、あるメッセージを込められたものだった。

これも緊迫感あって、短編ならではの作りで良かった。

ふつう

『ペプシとキム』監督:タラジ・P・ヘンソン

薬物使用で逮捕された女性が主人公。
更生する過程を描いた実話。

短編には不向き。もっと長尺で主人公の人柄や生い立ちが知りたかった。

合わなかった

『シェアライド』監督:リーナ・ヤーダヴ

舞台はタイかベトナムか東南アジア系のどこか。
美容外科医として成功した女性が主人公。

物語は女装した男に出会うところから始まる。

演出が豪華だったが、終始よくわからなかった。

一緒に観に行った人から説明されて、これが差別に対して向き合った物語だったのかと納得はしたが、僕には理解が難しかった。

議論が必要

『アリア』監督:ルチア・ブルゲローニ

セリフのないアニメ。
説明がなく、戸惑った。女性がテーマなのに、最初キャラクターは性別不詳。
正直言って何が言いたいのかわからず、早く終われば良いとさえ感じてしまった。
唯一の救いは時間が短いところ。

短編映画もたまには良い

お目当ての呉監督一人勝ちのショートムービーだった。

もうすぐ公開終了するので、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどの動画サービスで観れるかもしれない。

短編映画の良いところは合わなくても、すぐ終わるところだ。
つまみ食いするのも良いと思う。

ぜひ呉監督の映画だけでも観て欲しい。

その他の映画も(一部を除き)良かったのでおすすめです。

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