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莫大に時間を費やしてきたもの

パワプロくんのゲームには、ものすごい時間を使ってきた。

毎年発売するのだから「またこのシリーズもやらなければ!!」とずっと追ってしまう。何が成果として残るわけでもなかった。

おかげで、プロ野球選手は人よりも詳しくなっただろう。

しかし、パワプロくんの最も魅力的なポイントは、育成ゲームというところだ。

育成ゲームとして確立しすぎているため、他の育成ゲームには中々ハマることができなくなってしまう。

また、シリーズによっては時間を忘れて永遠とできてしまう。

「栄冠ナイン」というパワプロくんの中のシリーズで、高校野球の監督として毎年チームを育てていくゲームがある。

まあ、これが沼である。永遠にできてしまう。

ゲームの存在にハマりすぎて、宿題の存在を忘れてしまう、約束の時間に遅れてしまったり、彼女の存在も忘れてしまって怒られたり。

この費やしてきた時間や集中力を他のことに使っていたら、なにか変わっていただろうか。

英語の勉強をここまで集中して取り組んでいたら、なにか変わっていたのだろうな。

パワプロくんに費やした時間が、今の自分の何かに役に立っているとは、到底思えないのだ。残念ながら。

しかし、だからといって無駄だったとは思わない。

パワプロくんは、人生において「選択すること」の大切さを教えてくれたものだ。

大袈裟ではない。サクセスという物語には、三択の問題がでるのだ。選んだ選択肢によって、周りの評価が下がったり、能力値が変化したりする。


そう、まるで人生のようじゃないか。

野球少年のアバターが変わりに人生を歩んでいるんだ。

それならば、もう500回以上の人生を僕は過ごしているだろう。

僕を作り上げてくれたパワプロくんに感謝。

そしてもう、そろそろ莫大な時間を費やすのはやめにしないか。


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