友だちの作り方は、大人になっても分からない
友だちは大切にしなくてはいけない。
小さいころから、なんとなく分かっていながらも、今まで大切にできていたのだろうかと自分に問うと、答えるのが難しい。
「あなたは友だちを大切にして来ましたか?」と神様に聞かれても「ま、まあ、たくさん遊んだし、たくさん話したりしたかな…」というくらいの自信の無さだ。
「それではいけません、あなたは地獄行きです」と神様に言われたら「ま、まさか、そんなことはないよ。と、友だちに対して十分に尽くしたよ」というくらい無駄に自信を出して、地獄行きを逃れようとする。
今、仲が良いとされている友だちは、相手の方から僕を誘ってくれることが多い。すなわち、相手任せなのだ。
結果、僕が遊べるときに「良いよ」と返事をすることで、ここまで仲良くなることができたのだ。僕がどれだけ断ろうと、ひたすらに誘ってくれた友がいるから、今も仲良しでいられるのだ。
何年ぶりかで会った友も仲は良い。けれど、毎月毎週のように連絡を取ることは無くなった。1年に1回、2年に1回、5年に1回、人の結婚式でだけ会う友もいる。
どうやったらいつも連絡を取るような友だちになれるだろうかと考えたときに、やっぱり自分から声をかけなくてはいけない。
何年ぶりに会っても、まるで昨日会っていた続きのように話せる友だちはたくさんいる。
それならば、長年会っていない旧友に、自分から話しかけて遊べばいいじゃないか。そう分かっていても、結局何もしてこない人生であった。
結局のところ、自分の友人キャパシティは決まっていて、会いやすいとか話しやすいとか、そういったもので連絡を取っているのだ。
「だから神様、もっと友キャパシティを増やしてください。もっともっと、時間と体力と財力を、僕にください」
そんなお願いをしてみても、神様は了承してくれない。
「これからもっと、もっと友だちを大事にしていきたいんです!」
僕が強く願っても、神様は首を縦には振らない。神様の目の前でしゃがみ込み、頭を目一杯下げる。それでも神様は白い目をして前を向いたまま、僕に言った。
「むりぽよ」
こんちくしょう‼と地面を叩き、神の間を後にする。LINEの友だちページを開き、片っ端から「最近どう?」とメッセージを送った。
神様がダメだと言うのなら、自分で行動に起こさなければ。
久しぶりと皆から連絡が返ってくる。
「急にどうしたの?マルチ?」
この歳になって急にメッセージを送ると怪しさしかないのだ。何かあったのではないかと思って当然である。そっとLINEを閉じる。
友だちには、マメに連絡をしておこう。
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