和尚のつぶやき #191(不安のありか)

〇不安はさらなる不安を呼び
　不安な状況を引き寄せる
　安心は安心を積み重ね
　安心な環境を引き寄せる
　不安は初めに心から生まれ
　体にも広がって行き
　自分自身が不安の塊に
　なってしまう
　安心もしかり

　暗闇でおばけが怖いと思うと
　風の音も薄明りもすべてが
　恐れの対象となって行く
　子どもの頃に誰しもが
　経験することだ
　私は小学生の頃団地の4階に
　住んでいたが
　夜に1階から4階まで階段を
　上るのが怖くて仕方なかった　
　いつも歌を歌って気を紛らわせ
　ながら駆け上がっていた

　狭い団地の部屋なのに
　トイレに行くのも怖かった
　何か出てきそうで怖かった
　一軒家ならなおのこと
　怖かっただろう
　今から思うとおかしいが
　怖かったのは間違いない
　心が不安と恐怖で一杯だった
　その私が和尚だから
　またこれも笑い話だ

　でも大人にも違う形で
　不安と恐怖は襲ってくる
　基本は同じで
　様々な問題が襲い掛かってくる
　気になりだしたら切りがない
　一寸先は闇だと思うと
　歩くのさえ怖くなる
　怖いからと目をつぶって
　歩いていては怖いことこの上ない
　しっかりと目を開いて
　明かりを頼りに歩く
　見えることに感謝
　明かりがあることに感謝
　目をつぶって愚痴を言っても
　不安と恐怖はぬぐえない
　安心は自分の心からしか
　生まれない