
ブランドにとってコラボとは何か。
コラボレーションは諸刃の剣
Minimalはありがたいことに様々なジャンルのブランドさんとコラボレーションの依頼を頂いてきました。
ブランドにとってコラボレーションは良い機会です。
しかし、安易なコラボレーションは双方にとってもマイナス面がある事も認識しないといけません。Minimalを事例にコラボレーションから私が学んだ事をまとめてみようと思います。
まず、基本的に適切なブランドコラボレーションは、双方の顧客に新しい価値を提供しますし、何より双方のお客さんが行き来するという相乗効果が生まれます。
つまり、相手方のお客さんに自ブランドを知ってもらう機会になりますし、自ブランドのお客さんに相手方のブランドを紹介する機会になります。
ブランドとして適切なコラボができればとてもいい機会になります。ただ、この適切という部分が曲者です。ここを間違うと双方にとってあまり意味がないか、片方だけしか意味のないコラボになります。
これはWin-Winにならないので、ブランディング上は避けなければなりません。
以下に要素抽出としてわかりやすい事例を一部抜粋してご紹介します。
事例1 土屋鞄製造所:根底にある共通の価値観・メッセージを伝える「職人の手仕事へのこだわり」
※出典:土屋鞄製造所HPより
1965年創業、東京の革製品ブランドの土屋鞄製造所さんとのバレンタインのコラボレーション。
毎年、まるでチョコレートのような革製品を企画している、土屋鞄のバレンタイン限定アイテム。今年は「レザーチョコレート バーサトルキーケース」。そのキーケースと一緒にもらえる鍵型の特製チョコレート(非売品)を共同で企画製造しました。
土屋鞄さんは多くのファンがいる革製品のブランド。「人の手のあたたかさの中で、うまれて、生きる鞄を。」をキャッチに職人の丁寧な手仕事を大事にモノづくりをされています。
お互いのクラフトマンシップやメイドインジャパンのクオリティーへのこだわりの親和性と共感からコラボレーションが実現しました。
さらにモノづくりを大事にしている両社で「チョコレートと革小物づくりを、二人で。」というテーマでペアで2つの制作の時間を楽しめる特別なワークショップを企画し、実施しました。
お互いの真摯なモノづくりへのこだわりという根柢の価値観が共感が生んだコラボレーションです。
そして、このコラボの意味は、共通の価値観を一緒に広めていくという事です。業界は違いますが、やっぱり手触り感があって、人の手のぬくもりを感じるモノづくりはいいし、両社のコラボや提供する体験を通して、そこに共感して頂く方を一人でも多くの人に増やしていきたいと想いを具現化しました。
事例2 LEXUS:根底にある共通の価値観・メッセージを伝える「体感・体験する事でわかるCraftedなモノづくり」
※出典:LEXUS Chocolate Salon Drive 特設LPより
日本が誇る高級車ブランドのLEXUSの世界観を体験できるブランド体験型施設「LEXUS MEETS...」でのコラボレーション。
今回のコラボレーションの目玉は、LEXUS車を試乗してMinimal富ヶ谷店まで行き特別な豆からチョコレート造りワークショップをするという特別な体験。
LEXUSが掲げる提供価値は「AMAZING EXPERIENCE 心躍る新しい体験」。常に顧客を想像し、期待を超える体験を届ける。
その実現のためのモノづくりの姿勢を彼らは「Crafted(クラフテッド)」と表現しています。
だからこそLEXUSさんが大事にしているのは、試乗。
言葉でこだわりを語ることももちろん大事ですが、実際に車を運転して自らその「Crafted」を体感・体験することでその価値を伝える事を重要視されています。
ある意味で一度試乗してもらえばその価値が伝わるはずというモノづくりへの自信を感じます。
そして、Minimalもまさに「Eat First , Learn Later」を大事にして、実際に豆からチョコレートを造るワークショップや店舗での食べ比べ体験を重要視しています。
究極的にいいモノは体験すれば理解されるはずというブランドとして挑んでいる世界やこだわりの姿勢を伝えるための特別な体験を一緒に企画しました。
プロダクトに思想を込め、それを五感を通じて発見がある体験を提供して伝えるという姿勢を伝えるコラボレーションです。
事例3 中川政七商店:新しい消費シーンを創る「仕事の時間のチョコレート」
※出典:中川政七商店HPより
1716年創業の奈良の老舗、中川政七商店さんの日本最大旗艦店「中川政七商店 渋谷店」のオープンに際して、渋谷でモノづくりをしているクラフトチョコレートブランドとしてMinimalとオリジナルチョコレート開発でコラボレーション。
今回創ったチョコレートのテーマは「仕事の時間のチョコレート」。
仕事をしている時にリフレッシュできて、仕事を頑張るスイッチとなるチョコレート(リラックスではない部分がポイント)を一緒に開発しました。
このコラボは、中川政七商店と一緒にチョコレートの新しい消費シーンを創りにいった事例です。
仕事を頑張る人を応援し、仕事で頑張りたいときに食べるというシーンを創りたいという願いを込めました。
Minimalにとってはチョコレートの新しいシーンを創る事は「チョコレートを新しくする」というミッションの実現に近づくための一歩でした。
そして、「日本の工芸を元気にする」というミッションを掲げる中川さんにとっては、渋谷に旗艦店を出す意味として、渋谷で工業製品のチョコレートを手仕事で工芸製品として造っているMinimalを応援する事はミッションを実現する一歩であり、渋谷で頑張る人たちを応援するというブランドとして新しい価値提供を意図したものです。
コラボの開発プロセス体験してもらいながら、中川政七商店の取締役の緒方さんとトークするワークショップのお席増席しましたので、よければ下記から申し込んでみてください。
仕事のチョコレートは以下から買えます。
事例4 BAKE CHEESE TART:商品開発力を高め、新しい商品を創る「チョコレートチーズタルト」
※出典:焼きたてチョコレートチーズタルト特設LPより
お菓子業界に新しいビジネスモデルで革新を起こしたBAKE CHEESE TARTとのコラボレーション。
日本にチーズタルトを定着させた立役者。大人気の定番のチーズタルトにバレンタイン限定でMinimalのチョコレートを使って限定チョコレートチーズタルトを発売しています。
Minimalの立ち位置はこだわりの原材料を提供する職人。
あくまで主役はBakeのお客さん。
Bakeのチーズタルトに期待する美味しさにいかに付加価値をつけるかをBakeの商品開発担当の方と試行錯誤を重ねました。
今回素材を扱う職人として求められたのは、Minimalの個性を尖らせることではなく、Bakeの美味しさの中にMinimalの味わいを調和させる事です。
小売ブランドとしてMinimalの商品開発とは違ったスキルが求められました。細かい事は割愛しますが、工場で大量生産できる前提で味わいをイメージし、その上でクオリティを保つ、工場に向く原材料の機能性を担保する。それはBakeさんの商品開発担当の方との綿密なコミュニケーションを無しにはなしえない事です。
この経験は自社の商品開発力の幅と深みを広げる絶好機会でした。
そして、何より完成したものにBakeのチーズタルトに期待する美味しさと、Minimalのチョコレートが調和することで、お客さんに新しい商品体験を届けることができていれば、一緒に新しい商品を創ったと言えると思います。
私のインタビュー記事も上記の事を補足する内容として見てみて下さい。
事例5 トラヤカフェ:商品開発力を高め、新しい商品を創る「あんペーストショコラショー」
出店:トラヤカフェHPより
和菓子を作り続けて5世紀。天皇御用達の和菓子屋として創業500年近い歴史を持つ「とらや」さんがつくったカフェであるトラヤカフェさんとコラボレーション。
伝統を守るだけではなく、常に新しいものを創造してきたとらやが贈る自由で新しいお菓子の世界の提案がコンセプト。
そのトラヤカフェさんの看板商品である「あんペースト」を使ったショコラショーを協働開発しました。
まさに協働という言葉がふさわしく、
➀Minimalの職人があんペーストを使ってショコラショーを自由に試作
②トラヤカフェの職人さん達とMinimalの職人達が試飲しながらディスカッション
➂トラヤカフェの職人さんがコンセプトを決めて、最終製品のレシピを決める
という双方の職人のコミュニケーションにより完成した「あんペーストショコラショー」。
最終的に使ったチョコレートはインド産シングルオリジンのチョコレート。
従来のショコラショーの枠を逸脱したコンセプチュアルな一品に仕上がりました。
まさにお互いの個性を尖らせながらバランスをとった新しいショコラショーができました。
和の食材である「あん」に洋の食材である「チョコレート」が出会って、和でも洋でもない自由で新しいお菓子の世界の提案になったと思います。
ブランドにとってコラボとは共鳴による新しい価値の創出
コラボとは何かというと問いに対して、答えるとすると、それはお互いのブランドの根底にある価値観の共鳴による新しい価値の創出だと思います。
世の中にまだない新しい価値を生み出す。
言うは易く行うは難しであるこの難業を、双方のブランドが化学反応を起こすから生み出すことができると思います。
そして、私達がなぜコラボレーションをするのか?
それはシンプルにミッションである「チョコレートを新しくする」世界を実現するため。
Life with ”Good” Chocolateのシーンを日常に創っていくために、自ブランドだけでは実現できない価値をコラボレーションによって創出していきたいです。
これからも自ブランドの枠を拡げ、深みを増すために、哲学・思想をもったブランドさんと共鳴しながら新しいかちの創出に挑んでいきたいと思います。
上記ご紹介したコラボレーションはこのバレンタイン期間限定で体験できるものばかりです。ぜひ皆様、いつものMinimal単体とは違った新しい価値を体験してみて下さい。
そして、ここで紹介できなかったコラボ先の皆さんを含めてコラボレーションにMinimal を選んで頂いたことを感謝致します。本当ありがとうございます。一緒に新しい価値創出に挑んでいきましょう。
※Minimalのバレンタイン・ホワイトデー商品
ぜひバレンタイン・ホワイトデーはMinimalのチョコレートを。
Good Chocolate , Good Life!
Twitterではブランドの情報やブランド経営でのリアルな葛藤や学びをつぶやいていますのでぜひフォローください!
Minimal自身のTwitterもぜひフォローください!
いいなと思ったら応援しよう!
