誰でもできるが、やらない事をやり続けると未来が見える
経営者なのに年4か月もジャングルにカカオを探しに行く理由
今このnoteは中米のニカラグア中部に位置する田舎の街ヌエバ・ギニアの安宿で書いています。
シャワーは水しかでないし、トイレは流れない(笑)ちなみに、この後左足をベッドにいた虫に10数か所刺されることになるとはこの時は知る由もなかった・・・w
Minimalの代表としてこれでも経営者の端くれですが、日本を離れて遠くニカラグアに約1か月滞在しています。
普通に考えたらそれが本当に経営者の仕事として優先順位が高い事なのか?とお叱りの声が聞こえてきそうです。
私は創業から毎年必ず赤道直下のカカオ産地に訪れてきました。
まだまだベンチャー企業で小さく全員サッカー経営が求められるフェーズの会社で経営者である自分が産地に行って何か月も不在にすることはある一面を見たらNGと言えます。
ただ、私が毎年勝手に(笑)にいなくなってしまうので社員の皆がその状況に適応してくれているというありがたい状態になっている事にこの場を借りて感謝したい。
真面目な話をすると、産地に自らが行く事はとても重要であると思っています。
それはMinimalのブランドの稀有性や差別化要因、そして未来の戦略を大きな影響を及ぼしています。
経営者である私が、お湯ができないようなジャングルの奥地にカカオ豆を探しに行く理由は、そこがMinimal事業を進めていくための先端の胎動があるホットスポットであるからです。
先端に飛び込む事で少し先の未来が見える
創業前から赤道直下のカカオ産地に飛び込んでいき5年間が経ちました。
ヨーロッパの高級ショコラでもなく、廉価なお菓子でもない、第3極としてクラフトチョコレートの文化創りを掲げたMinimalというブランドの根幹はカカオ豆という素材です。
その先端は間違いなくカカオ産地にあります。
私は10年後にはカカオ産地側にスター農家が生まれて、そのスター農家がスターチョコレートメーカーになり、そのチョコレートが高値で買われるというワインのロマネコンティやスペシャルティコーヒーのCOEのような世界がチョコレートにも訪れると予言しています。
だからこそ、その胎動が起こっているホットスポットに経営者自らが行く事がとても重要なのです。
普通に考えるとバイヤーは社内の誰かに任せるか、商社経由で買う方がコストもリクスも少なく、合理的な選択とはいえません。
しかし、実感値としてはカカオ産地に行く事で、
今チョコレートの世界で何かが起こっているのか、
世界はどこに向かっているのか、
という少し先の未来を肌で感じることができるのです。
それをMinimalというブランドの最高意思決定者の経営者が感じる事はブランド戦略を考えていく上で圧倒的な差別化を生むのです。
そして、短期的な実益もあります。
現地現物で農家とやり取りするとそこに行かないと決して得る事ができない情報を得る事ができるのです。
今回のニカラグアでも希少なホワイトカカオであるクリオロ種の野性原種を発見することができました。これはすぐにでもチョコレートにする事でお客さんに届ける事はブランドに短期的な実益をもたらします!
やはりブランドにおけるホットプレイスに実際に行く事がブランドの未来に大きな影響を与えます。
誰でもできるが、誰もやっていない事をやる事が未来を創る
カカオ産地行く事は誰でもできます。
でも実際にカカオ産地に行く経営者は同業者でも多くないです。
更には、商社でなくチョコレートメーカーで、自社小売ブランドを持っている経営者が毎年4か月も世界中のカカオ産地に行き、発酵乾燥を実際に農家の人たちと行い、カカオ豆をコンテナで買い付けているのは世界で見ても私くらいではないでしょうか(笑)
そうです、カカオ産地に行く事は誰でもできるですが、多くの人がやっていない事です。その一歩を踏み出すかどうかが大きな差を生むのではないかと思います。
実際にカカオ産地に行って、カカオ豆が産地ごとに全く違う個性であることを知りました。そうして世界中の産地に行き豆を仕入れてることで、Minimalのラインナップが充実しました。
産地に行く事で、カカオ豆の発酵乾燥が風味に大きな影響を与えることを知りました。そして大学の先生の元で醸造学を学び始めました。それにより農家と協働で品質の良いカカオ豆を造れるようになりました。されにはその技術が評価されてJICAのODA調査案件に採択されました。
産地に行く事で、世界のチョコレートメーカーがどんな味を求めているかを知りました。世界のトレンドを知り自分たちの立ち位置を決める事ができました。
産地に行く事で、カカオ産地で昔から飲まれているチョコレートドリンクを知って、そこからうちのチョコレートドリンクメニューが生まれました。
産地に行く事で現地で食べたカカオパルプの味を知り、恐らく日本でいち早くパルプジュースやそれを使ったソルベを提供できました。
誰でもできるけど、誰もやっていないあと一歩を勇気をもって踏み出すことで少しだけ未来を肌で感じる事ができて、まだ誰も見えていない未来を描くことができるのだと思います。
私はMinimalを始める前に、世界中のBean to Barメーカーを2ヵ月かけて実際に訪れました。
そのおかげでMinimalというブランドの目指す姿がはっきりと見えました。
「美味しいチョコレートをつくる手段としてカカオ豆があるのがではなく、カカオ豆の個性を表現する手段としてチョコレートを表現することは、日本や世界のすべてのチョコレートメーカーと明確な違いを生む」と確信してブランドを始めています。
誰でも世界中のBean to Barメーカーを回ることはできますが、恐らく多くの人がやっていない。
それをブランドを始める前にやれたことは今のMinimalにとって本当に大きなことであると思います。
情報の非対称性が無くなる時代に求められるタンジブルなブランドインターフェイス
インターネットの発達で情報の非対称性が無くなっていく時代において、不確実性が高まっていきます。
それは多くのブランドにとって既得権益を覆したり、第3極的な新しい文化を創造できるチャンスに溢れているとも言えます。
一方で従来のやり方が通じないためブランドのかじ取りが難しいとも言えます。
その中で、大事な事はタンジブルなインターフェイスをきちんと持つことだと思います。
「タンジブル=手触り感」をブランド経営にきちんと取り入れる事です。
店舗で言えばお客さんの声をきちんと聴くことかもしれません。
製造で言えば必ず毎月他社の新作チョコを食べる事かもしれません。
誰でもできるけど、誰もやっていない事に一歩踏み出す事。
ブランドやその業界におけるホットプレイスに実際に足を運び、自分の目で見て、体で体験して、その胎動を感じて未来を描くことが情報の非対称性が無くなっていく時代におけるブランド経営においては最も重要な点だと思います。
今回のニカラグアには店舗サービスと製造のマネジャーを同行させています。産地で感じる胎動を彼らはどう感じるでしょうか。タンジブルな経験から生まれる反応がとても楽しみです。
Minimalにおける差別化は確実にどこのメーカーよりもカカオ産地に入っているという事です。
そして、その経験をブランド全体としてすぐにサプライチェーン全体に反映する事ができるという製造小売でスモールバッチならではの強みがあります。
不確実性が高まる時代のブランド経営において、タンジブルな肌感覚を取り入れた未来図をブランドとして描いていく事ができるインターフェイスをどのように内包していくかが成否を分ける重要なポイントであると思います。
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